見出し画像

事実上の業界標準(=デファクトスタンダード)を勝ち取る戦略

富士フィルムは、液晶ディスプレイの視野角を拡大するWV(ワイドビュー)フィルムを他社に先駆けて開発した。

同様製品の登場の前に他企業にも使ってもらうことで、事実上の業界標準(=デファクトスタンダード)を勝ち取る戦略である。

開発に莫大な費用と時間を要したため、回収するための戦略であったが他社が簡単に類似品を作ることができず戦略は功を奏した。

次の図は、デファクトスタンダードと通常の事例である。


部品メーカー①は事実上の業界標準を獲得した場合、購入メーカーはその製品規格やつける場所が決まる。

そのため、部品メーカー②はその規格に合わせたものを作り、つける場所も同じになる。

通常は部品メーカーごとに規格や積載場所も決められるので購入メーカーは自社製品にあった部品を選ぶことができる。

価格面でもデファクトスタンダードをとれば他社はコスト高になりえる。

希少性の高い素材の場合、独占的にそのメーカーが確保している可能性もあるので、他社が合わせることは難しい。

そのため、一度デファクトスタンダードをとっても別の規格ができる可能性もある。

最初から考慮してとるには相当の技術力が求められる戦略である。