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AO Trauma Course—Basic Principles of Fracture Management 2023年8月を受講して来ました!

はじめまして!整形外科専攻医2年目のエスケーと申します。

AO Trauma Course—Basic Principles of Fracture Managementを受講してきたのでシェアします。
もともとよせやん先生のブログを読んで、受講してみたいと思っていました。

https://sports-doctor93.com/ao-trauma-seminar-kanazawa-experience/

卒後4年目以降が受講要件で、審査が通りにくいと聞いていましたが、1度目の応募で受講できたのはラッキーだったのかな、と思います。


応募前
シンセスの営業の方から受講してみませんかとメールがあり、応募することにしました。今年は木金土または土日月の日程でした。上司に相談する前に応募したため、後半の日程で病院をできるだけ休まずに済むようにしました。前半日程を受講している知り合いもいましたが、価格が3日間で800ドル(約11万円)と少し高かったので、悩みましたが、応募回数が多く必要だと思っていたので、とりあえず応募してみました。

開始前
募集から約1ヶ月後、当選のメールが送られてきました。AOへの有料会員登録は不要で、入金のみで受付は終了です。受講前評価アンケートや確認問題などがメールで送られてきます。約2週間前には約2時間の予習動画を3本視聴しておくようにという指示があり、AOの教科書に書かれている総論や主要な骨折についての講義を受講します。ノートやボールペン、手提げバッグ、昼食や飲み物は用意してくれるため、用意する必要はありません。教科書も持参しなくても大丈夫だと思います。

day1
オープニングを終えると、座学が始まります。AOやインプラントの歴史から始まり、AO分類、絶対的固定、相対的固定、インプラントの固定メカニズムなど、幅広い骨折について学びます。その後、ボーンモデルや機器を使って、骨折のメカニズムや固定強度の実習があります。個人的には骨を実際に折ってみる実習がとても参考になりました。また、ボーンモデルにスクリューやプレートを固定する実習もあります。自分がヘアラインと思っているものも多少ズレがあったり、圧迫をかけると骨が動いたりすることがよくわかります。自分が打つスクリューの方向もわかるため、実際の手技とのギャップもよく分かりました。ボーンモデルと実臨床とは少し違う部分もあるため、手術を自分で行っている方が得るものが多いのかもしれません。少し座学の後、スモールグループディスカッションに移ります。3日間通して、症例を元に分類や固定方法、インプラント、整復、疑問点について、インストラクターの先生を中心に行われます。ベテランの先生も参加されていましたが、同年代の先生が多かったため、遠慮なく質問できる良い環境でした。1日目の最後にはレセプションがあり、同じ会場で料理と飲み物が提供されます。インストラクターの先生方や参加者と合同での飲み会で、みんなそこそこに飲んでいて、各々で二次会に行っていました。ここでインストラクターの先生方と距離がグッと縮まった気がしました。

day2
8時からスタートし、ボーンモデルを使用した実技から始まります。その後、スモールグループディスカッションが行われます。1日のレクチャーを受けると考えが整理され、2日目のディスカッションはより活発だと感じました。その後、実技を交えながら座学での学習を進め、この日は関節や前腕の固定方法、骨折の各論についての講義がありました。自分が理解しているつもりでも理解できていなかったり、間違って理解している点もあり、とても勉強になりました。この日一番面白かったのは、作図や術前計画を実際に行い、それをボーンモデルで実行する実習です。普段の術前準備、手術と同じ手順ですが、同じ骨折を複数の先生が治療し、比較するという機会は基本的にはないので、他の人よりも良い固定を目指す意欲が高まります。術前計画通りに良い固定を行った先生は表彰され、副賞も貰っていました。この日は19時前に終了しました。day1とday2ともに休憩時間は少なく、タイトなスケジュールで長い時間を過ごし、かなり疲れました。

day3
この日も8時からスタートし、スモールグループディスカッションから始まり、座学が行われます。開放骨折や感染、遷延癒合に関する講義や抜釘、MIPO、小児、手術の注意点など、広範な講義があります。座学と座学の間にはボーンモデルを使用してテンションバンド固定、ポジショニングスクリュー、髄内釘の実習があり、通常の手技を客観的に評価でき、臨床に役立てることができるような気がします。最後にQ&Aのコーナーがあり、修了書を受け取って終了です。Q&Aでは3日間にわたって疑問に思ったことを紙に書き、質問箱に投函することで、インストラクターの先生がそれに答えてくれます。どの先生も疑問に思っていることが似通っているようで、ここで多くの疑問が解消されました。15時30分頃に終了予定でしたが、質問が多かったため、終了が16時頃になりました。

まとめ
金銭的、日程的に参加を迷いましたが、参加して良かったと思います。インストラクターの先生方は優しく丁寧に指導してくれ、質問にもいつでも答えてくれるので、日々の疑問が解消される機会となりました。普段怖い先生も気さくに感じました(笑)。完璧とは言えませんが、インプラントの選択や治療方針も受講前と比べてより確固たるものに感じます。ベテランの先生方でも多くのことを学べると思いますが、やはり若手をターゲットにしていると感じました。チャンスがあれば、早めに受講するのも良いかもしれません。実習で使用したボーンモデルは持ち帰れるので、術前に眺めて手術に臨もうと考えています!

詳細が気になる先生はシンセスの営業の方に聞くのが一番手取り早いかとと思います。
ちなみに、AO Trauma Course—Basic Principles of Fracture Management受講後、Advance CourseやHand,Knee osteotomyなどの専門コースへの受講が可能になるようです。
今回、形成外科専門医の先生も参加されており、将来的にはHand受講したい!と言われていたのでその様に考えている先生方にもいいのかもしれません。

長文になりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました。アドバイスや、この勉強会は参加した方がいい!というのがありましたらコメント頂けると嬉しいです☺️

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