建築施工管理の仕事
こんにちは。KENです。
今日は、8年間務めた建築現場の施工管理の仕事を、僕なりに紹介していきたいと思います。
学生の方、現場監督に興味のある方はご一読ください。
※結構、文章長めです。
僕が現場監督になった理由
学生時代、僕は建築設計に興味があり、そっちの仕事に就こうかと思い、授業に取り組んでいました。
そんな中、詳細な図面を書くたびに、良く分からない納まりが多く出てきていました。しかも、なんだか設計の方に聞いても、建物を建てるうえで必要なこと、納まり。という感じの説明で、なんのこっちゃという印象でした。
一方で、現場監督の方が、会社説明会や現場見学会などで建物のプレゼンをしてくれる際、そういった納まりに対して、写真付きでパシッと答えてくれるわけです。
気持ちいい。自分は、こうなりたいな、と思っていったのを覚えています。
あとは、金銭的に設計者は貧乏という先入観があり、当時貧乏学生だったので、やだなという感情もありました。
ゼネコン(現場監督)だったら、残業は多いけどお金は貯まると聞いていたので、とりあえず就職先をゼネコンに決めました。
就活も万事うまくいき、前職につくことができました。
大手一部上場企業ということもあり、両親も大変喜んでくれました。
現場監督の仕事内容
ここから仕事内容についてです。
ざっくり現場監督を説明すると、
工事を、品質・コスト・工程・安全面から、計画し、計画通り運営していくことが仕事となります。
一般的には、入札の段階で計画の概要は決まっています。
その見積金額に対して、品質は落とさず、現場でやりくりし、利益を上げていきます。
運営していくとは、どういったことをするのか?
まず大前提に、現場内の環境は、現場監督が作ります。
テンプレートみたいなのはありますが、本当にやることは無限にあります。
考えてみてください。
工事現場では、本設のモノはほとんど何もありません。
土はぬかるんでるし、事務所もスタート時点ではありません。事務所作成から、給排水設備・電気の引き込み、Wifi環境、喫煙所なども計画していきます。
そこから、工事するための仮設の計画・施工図面・工事事務所運営のための計画などしていきます。
事務所のメンバーは、建物規模によりますが、10~50人ぐらいでやっていきます。
皆さんが思う現場監督像は、1人で管理すると思われていると思いますが、大規模な現場では、複数人でやっていきます。
それだけの仕事量が、工事にはあるということを知っておいてください。
現場監督の一日
ご存じの通り、現場作業の朝は早いです。
朝8:00から現場が始まるので、7:45には事務所到着し、朝礼を迎えます。
メインで現場の動く8時から17時まで、息つく暇はありません。
若手職員は、現場で職人さんに指示・図面確認・打合せを行い、計画通り工事が進行していくか確認していきます。
中堅職員は、若手職員とほぼ同じですが、より専門的な各計画の打ち合わせ、各職人・部下への指示などを行っています。
上長たちは、客先との打ち合わせ、工事計画の確認など日々行っています。
その中の現場業務において、日中の現場巡回(指示とチェック)はメインの業務となります。巡回中に、問題点を事前に見極め、それを明瞭にするコトが現場監督の職能だと思います。
大きな建物では、日々工事に必要な資材が現場に搬入され、作業が行われていきます。どこかの搬入や作業にトラブルが起こると、調整業務が発生していきます。そのために現場監督がいます。
調整業務の例でいえば、
①雨が降るだけで、できなくなる作業は結構あります。その作業の後の工程が雨が降るだけで変わっていきます。
②最近では、コロナウィルスの影響で、トイレの便器が入らなくなったりしていたので、そういった余波も工事には致命傷となります。内装工事の調整が必要になってきます。
この調整業務や日々の打ち合わせを行っていくと、
ピーク時には、一日200件の連絡が来たときもありました。。。
17時以降、ようやく腰を据えた作業に取り掛かります。
職人さんに渡す資料作成、工程表の作成・図面の作成などを行います。
そのため、夜遅くなることはしばしばありました。。。
仕事を通してのやりがい・面白かった3つのコト
自分が感じた建設業のやりがいは、
①成果がはっきり目に見えることだと思います。
目の前の景色が刻一刻と変わっていきます。
コンクリート造の建物だと、日々目線の高さが上がっていきます。
内装工事では、雑然とした景色が、急に人間が使用できる建物へと変わっていきます。
純粋にワクワクします。
②大手企業だったため、最新のIT・IOT技術の支援部門があり、
意欲があれば、最先端の技術を使って、現場管理ができる環境だったこと。
特に、事務所内じゃなくても事務所作業ができる環境づくりに興味があり、現場巡回時の、タブレットの有効活用法などを、支援部門とやりとりし、専門家とも意見交換する場がありました。
③仕事の特性上、1~2年で現場が終わり、新しい現場に配属されます。一般的に考えると、数年ごとに会社が変わるという感じです。
そのため、現場ごとに色々な組織づくりを見ることができます。
基本的には、ヒエラルキー強めのトップダウンの現場が一般的ですが、
例外的に、難易度の高い現場でボトムアップの組織に所属し、上手くいった経験がありました。ここで組織づくりの面白さを知りました。
以上、3点が僕の経験を通して、とても面白かった点です。
なぜ辞めたのか?4つの理由
ここからは、なぜ辞めたのか?です。
①やっぱり、工事後も残る本設のモノを計画したい。
②身近な建築に対して計画したい。
大手で最新の大規模な建物をいじっていましたが、身の回りにあるリノベーションマンションや、テナントの内装の図面関係などの納まりの知識、特に電気・設備工事に関しての知識は恥ずかしながら、ありませんでした。。。
業界的には、専門業者が非常に多いので、薄く広くの知識が必要です。電気・設備関連は、サブコンと呼ばれる専門業者が対応します。知る機会は、よっぽど意識が高くないとタッチしませんでした。
③組織として、やっぱりトップダウンが強い。のが嫌だった。
断っておきますが、どうしても1000人を超えるような現場では、トップダウンでなければ管理できない事も承知しています。
ただ、よく上司から、「いいからやれ!!」という指示を言われていました。
誰が説明しても、聞く耳持たれず、実際やってみても意味はなかったりしました。
なぜ、このことが起こるのか考えると、現場監督の環境の影響だと思います。
ゼネコンの監督は本来、現場内のトップの立ち位置です。
現場監督内の上層部ともなれば、なにも手を動かさなくても、実際現場は納まります。現場作業レベルで、PDCAをそもそもしないので、永遠に間違っているコトに気づかないのです。非常に残念です。。。
また、このことを考えて思ったのですが、学生時代感じたイケてる人は、30代には多いけど、40代からは少ない印象でした。
業界的には、本当にできる人だけが40代でイケてる人だと思います。
自分が今後、40代になったとき、果たしてイケてる上司になれるか考えたときに、答えはNOじゃないかと感じました。
④お客さんとのやりとりが少ない。
これは、会社的にしょうがないのですが、若手にとっては致命傷になるのではないかと思います。
誰のために頑張るか?という問題です。
実際、50代で上層部になれば、多くなると思いますが、バリバリのプレイヤー時代にやりとりすることに意義はあると感じていました。
以上4点が、僕が辞めた理由です。
まとめ
自分なりの8年間を綴ったので、長文になりましたが、
周囲の人たちから、なぜ辞めるのか?という質問が非常に多かったので、面白かった点、辞めた理由を力を入れて書きました。
確かに、前職は相対的にはいい会社でした。ゼネコンの中でもホワイトのほうだと思います。
ただ、自分の指針・好きなことの延長線に、現場監督がなかったのだなと感じました。
以上、長々と読んでいただき、ありがとうございました。
自分の感じた現場監督・建設業界について、今後も書いていこうと思うので、フォロー・コメント・スキなど登録よろしくお願いします。
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