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環境問題×web3が面白い!

こんにちは、Kenです。
新学期が始まり、環境が変わった人が多いかと思います。まだマレーシア留学している友達は、もう日本に帰りたいとか飽きてしまったという人もいるかもしれません。(僕は既に留学して8か月, 9か月のころは一時期、留学もう飽きて友達と遊ぶことさえ怠っていました笑笑、今思うともっと遊んでればよかったなと思っています。)

KenのNFT一覧

僕自身もこれから新しい出会いや体験を行っています。
現在は、thirdwebというプラットフォームを利用して実際にNFTを発行したり、web3サークルを設立させたりと未知な体験をしていますが、今回は僕が非常に興味を持っている環境問題×web3について書いていきたいと思います。
環境問題に対してブロックチェーンを用いて社会課題を取り組もうと試みているDAOや法人があると、教えて頂いたため、基礎の環境問題の課題点からブロックチェーンを用いた排出量取引やカーボンクレジットのお話まで皆さんに分かりやすく解説していきたいと思います。

環境問題に興味ある人は是非読んでみて下さい!!



1.環境問題の難しいところ

産業革命後、日本、アメリカ、ヨーロッパをはじめとする国々が工業製品など作り出してきました。日本だと特に高度経済成長期にあたります。最近では、中国やインドなどいわば新興国と言われる国々が技術的に発展している時期です。しかし、技術革新の裏側で地球温暖化が進み、産業革命前から地球の平均気温が2℃上昇に近づいている現在です。そのため、環境問題の議題は20世紀後半から話し合いが進んでいますが、皆さんが思っているほど、進んでいるか分からないというか肌感覚がないと思います。なぜ進んでいないか僕が考えるに主に3つあると思っているため、この章では、そのことについて説明していきたいと思っています。(※僕個人的な意見です)

(1) 各々違う価値観と文化を持っている

まず、主に温室効果ガスを排出している国は、アメリカや中国、EU、インド、ロシア、日本など先進国と言われる国々がメインです。

IPCC 2014より

このような現状がある中で、これらの国々が1つに集まって、同じ規制やルールを作ることがどれだけ大変かが理解できるかと思います。

1.環境問題を技術とイノベーションで解決しようとしているアメリカ
2.政府管理によって全てトップダウンで決まっている中国
3.人権やSDGsの考え方を大事にしているヨーロッパの国々
4.先進国まで発展するまで制限してほしくないインドなどの新興国

この4つの相反する価値観と背景を持った国々が同じルールや規制を作ったとしても、違うイデオロギーの国々はルールを守ってくれません。これが1つ目の課題と言われます。そのため、2015年に行われたパリ協定では、温室効果ガスにおける削減目標を各国ごとに設けて、その目標を達成するような方法は各々に任せる枠組みが出来ました。ようやく完成して、来年で10年が経ちますが、近年だと戦争やコロナなどの感染症によって環境問題の優先度が上下するため、ここも難しいところと言えます。


(2) 温室効果ガスの排出源

始めに温室効果ガスについて説明すると、これは大気中に含まれる二酸化炭素やメタンなどのガスの総称です。ポイントは、二酸化炭素だけではなく、メタンや一酸化二窒素、フロンガスなども含まれます。地球温暖化を防ぐためには、二酸化炭素以外のガスの排出も防ぐ必要があります。
ここで世界全体の温室効果ガスの排出源を産業別で表したグラフがあるので紹介します。

IPCC in 2014

一番多い割合が、電気を作る過程で消費される温室効果ガス(Electricity and Heat Production)で25%、次に農業や土地利用の際に発生する温室効果ガス(Agriculture, Forestry and other land use)で24%、次に企業や団体が排出源となるindustryでここが21%、次に車や飛行機などの交通(Transpoartation)で14%です。このグラフからわかることは、たとえすべての電力が化石燃料から再エネを利用して発電したとしても、AgricultureやIndustryのセクタ―を解決しないと温室効果ガスを大幅に減らすことが出来ません。ここが2つ目の課題と言えます。すべての業者、会社、団体が対策を行わないと、カーボンニュートラルを達成することが難しいと言えます。


(3) 評価方法が確立されていない+実感がない

最後に、実際に各々の国が排出基準を守っているか、本当に達成しているか不透明な点があります。ヨーロッパなどの国々は排出基準が達成できない場合は隣国に化石燃料で発電された電力を買って不正を行うことだってできますし、基本的にこれらの会合はヨーロッパが議長国として行っているため、基本的にルールメイクに関して、ヨーロッパに有利に働くように作られている可能性だってあります。要するに、ルールは決めたが、評価基準があいまいで監査がまだ確立されていない事が挙げられます。加えて、ある国では実際に温室効果ガスの排出削減を達成していますが、他の国々が一緒になって取り組まないと進んだことにならないため、非常に自分事として取り組むことが難しいのです。


2.環境問題×web3 (ReFi)

今まで環境問題の課題を挙げていきましたが、これらの課題を全て解決するのは難しいですが、いくつかの団体は、ブロックチェーン技術を使って環境問題に取り組もうとしています。web3の分類としては、Regenerative Finance(ReFi)と言われる分野です。そのうちの1つがKlimaDAOです。実際にDAOとして機能しており、2021年にLaunchしましたが、この3年間でカーボンクレジットのマーケットプレイスをブロックチェーン上で展開しています。

ReFiは、持続可能で公平な経済システムを作るために、デジタル技術やブロックチェーンを利用することです。簡単に言えば、環境や社会に良い影響を与えるようなプロジェクトにお金を投資することを目指しています。
このReFiを通じてどのような恩恵を受けるのか説明していきたいと思っています。

(1) 排出量取引とカーボンクレジット

この難しい話をする前に、排出量取引とカーボンクレジットについて説明したいと思います。

排出量取引は、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を制限するシステムです。政府や国際機関が企業や国に対して、排出できるガスの量を決めて「排出権」として割り当てます。排出量が割り当てより少なければ、その余った排出権を他の企業や国に売ることができます。逆に、排出量が多い場合は、余った排出権を持っている他の企業や国から買わなければなりません。この取引によって、全体としての温室効果ガスの排出量を減らすことが目的です。

排出量取引

一方、カーボンクレジットは、二酸化炭素を削減する活動によって生み出される「クレジット」です。例えば、森を植えることで二酸化炭素を吸収させる、再生可能エネルギーの開発に投資するなどの活動がこれにあたります。これらの活動によって削減された二酸化炭素の量がクレジットとして計算され、そのクレジットを排出量が多い企業などが購入することで、自社の排出量を相殺することができます。

カーボンクレジット

ただこのようなシステムには、いくつかの欠点があると考えられています。

(カーボンクレジットの課題)
1.方法論の認定
:適切なベースラインの曖昧、追加性の認定基準が緩い
2.永続性の担保:吸収CO2を永続的に固定貯留し続けることを担保数ことなく、カーボンクレジットを発行しているのではないか
3.MRVの不徹底:プロジェクト成果の測定、報告、検証が適切に行われているか、第3者検証の客観性の不足
4.ダブルカウント:発行されたCreditがダブルカウントされる
5.周辺社会、環境への悪影響:逆に周辺の社会や環境に悪影響なのではないか、加えて自社の削減努力の欠如、オフセットに頼り、自社の排出量削減を怠る
6.購入時の確認不足:クレジットの品質など確かめることなく、安価なCreditを大量購入しているのではないか

これらの課題を解決するために、ブロックチェーンやスマートコントラクトの技術を利用して実際にトークンを発行して、透明性を上げ、公平な取引が行われるような環境を作っています。詳しくは次に説明します。

(2) カーボンクレジットをトークン化 (Carbon credit × web3)

ここまで、排出量取引とカーボンクレジットについて説明しましたが、ここからかなり難しい話になると思うので、実際にこの取引をブロックチェーンを用いてReFiを実現しようとしている団体の例を紹介したいと思います。

団体:KlimaDAO
開始時期:2021年
プロダクト:カーボンクレジット取引のマーケットプレイスを作成
成果:9.1 MtCO2以上の取引を成立(2023年)
主な活動:
ブロックチェーン技術を活用して、炭素市場を改革し、気候変動に対抗することを目指しています。具体的には、KlimaDAOは炭素クレジットをデジタルトークンとしてブロックチェーン上に表現し、それを通じて炭素のオフセットや取引を行いやすくすることを目指しています。

KlimaDAOは炭素クレジットを使って、KLIMAトークンを発行しています。KLIMAトークンは、保有しているだけでパッシブな報酬を得られるステーキング報酬の形式を取っていますが、その背後には実際に購入され保管されている炭素クレジットが存在します。これにより、トークン保有者は気候変動対策に貢献すると同時に、経済的インセンティブを得ることができます。
また、トークンを使ったガバナンスモデルを採用しており、トークン保有者はDAOの意思決定プロセスに参加し、プロジェクトの方向性や運用について投票することができます。これにより、分散型かつ民主的な運営が可能となっています。

加えて、KlimaDAOは、カー分クレジットプロトコルのToucanと協力してカーボンクレジットを取引するマーケットプレイスをローンチして実際にトークンでカーボンクレジットを取引しています。

Toucanから引用

このプロジェクトはKlimaDAOとToucan共同で、最初のカーボンプールであるBCT(Base Carbon Tonne:カーボンクレジット)を展開しました。画像はブリッジの所のBatchNFTから変換したTCO2をデポジットして、それと引き換えにBCTを受け取るフローです。

かなり難しい所だと思うので、詳しく知りたい人は以下の記事を見てみてください。

ポイントとしては、
・ダブルカウントを防ぐためにNFTのtokenIDと署名の技術を利用している
・NFT→1トン当たり1トークンのFungible tokenに変換することで可視化しやすい情報を提供して、価値をなるべく公平にしている。
・そのFungible tokenをプールしてカーボンクレジットトークンのBTCと交換可能にした。

この3つが大まかな事かなと思っています。僕もまだまだこの分野勉強中なので、詳しい人いましたら、是非教えてくださ~い!!

今回はここで終わりにします。
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。

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