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新国立美術館で開催されている「佐藤可士和展」で感じたこと

先日、東京の新国立美術館で開催中の「佐藤可士和展」に行ってきました。

そこで、今回は佐藤可士和さんの経歴、そして展覧会で感じたことを書いてみようと思います。

佐藤可士和さんは美術大学を卒業後、博報堂に入社、現在は独立されているクリエイティブディレクターです。皆さんご存じの楽天やユニクロのロゴデザインから、セブンイレブンの商品パッケージ、ある時には会社全体のデザイン、ブランディングといった仕事までされています。意識していないだけで私たちは彼のアートを毎日のように目にしています。

可士和さんが広告代理店に入られたのは「広告なら人の脳内にイメージを残すことで、実社会を舞台にアートができる」と考えたからだそうです。表舞台ではなく裏から社会を乗っ取る感じがいい意味で「ワル」でかっこいいですよね。

可士和さんを知ったきっかけは僕が大好きなマンガの「左ききのエレン」で名前が出てきたことです。その時は珍しい名前だなぐらいにしか思っていなかったのですが、その後たまたま可士和さんの特集番組を拝見しました。

番組で最も感動したのは、商品写真の上に商品名を重ねたセブイレブンのパッケージデザインの話でした。素人目には一見シンプルなデザインですが、同じ意味の画像とテキストを重ねたデザインは広告的に禁忌とされていたそうです。では、どのようにこの着想を得られたのでしょうか。

デザインを依頼された当時、可士和さんはテレビで映像とともに大きなテロップが流れるようになったことに気がつかれたそうです。この気づきから、視覚的な分かりやすさが世間的に欲されていることを感じ取り、パッケージに反映されたそうです。

この時代を読み取る力に感動し、僕は展覧会に足を運んでみることにしたわけです。展覧会後には著書も読んでみたのですが、一貫して感じたのは可士和さんの本質への強いこだわりでした。

展覧会ではシンプルなデザインから複雑なデザインまで幅広い表現の作品が並んでいました。自分だったら何かアウトプットを求められた場合、得意な領域でなんとかしようとしたり、型にはめようとしたりして、同じようなアウトプットばかりになる気がします。
しかし、可士和さんは常に本質的な課題や価値を見抜くことを第一にされています。その本質に合うようアウトプットを考えた結果、作品が多様になっているんだと思います。多様な表現は本質にこだわり抜いた末の結果論的なものなんだと思いました。

どの業界であっても凄いなと感じる多くの人は、妥協せずその場その場で本質を考え抜いている人な気がします。本質を考える力は汎用的で普遍的な能力なのかもしれません。

長々と書きましたが、百聞は一見にしかずです。展覧会はGWまで開催されているようなのでまだの方ぜひ実際に会場で体感してみて下さい。さらに興味を持たれた方には書籍もおすすめです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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