Ken ISODA

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Ken ISODA

Oscilation Circuit / Ambient / New-age / Kankyo ongaku / Contemporary music / Film music https://linktr.ee/ken_isoda

最近の記事

2011年3月11日の、記憶の断片。

 ぼくの記憶もすこしずつかすれてきました。まだ文章を残せるいまのうちに、「あの日」のことを書き残しておくべきだとおもったのです。  いうまでもないことですが、これは百パーセント個人のあいまいな記憶です。客観的な記述ではまったくありませんので、この点、よろしくおねがいします。  ぼくは長く重篤な内分泌疾患にかかっていました。十数年前までこのことに気づかずにいて、この疾患が一因でせっかちで短気、怒りっぽく、そのかわりに精力旺盛で仕事はタフにこなしていました(※この疾患にかかるか

    • 一周忌にあたり 沖縄戦後最大の作曲家 普久原恒勇先生のことを

      名作『芭蕉布』を産んだ作曲家 沖縄戦後最大の作曲家、普久原恒勇先生が亡くなられてからことし2023年11月1日でちょうど一年。ほぼ三十年お世話になり、さまざまなことをお教えくださった普久原先生について、個人的な記憶の断片をごくごくほんのすこしだけこのタイミングで書き留めておきたいとおもいます。  2022年11月1日、ぼくはご家族からのメッセージで急を知りました。とにかく駆けつけるべく、航空便をおさえて沖縄をめざしたのです。喪服も何も持たず、すべて沖縄到着後に準備したのです

      • Oscilation Circuit - Série Réflexion 1 -リイシューを決意したほんとうの理由-

         ことし6月21日、ディスクユニオン/SRRDさまの強力なお力添えによって、ぼくがわずが21歳でレコーディング、制作した環境音楽/ミニマル系のアナログ盤が61歳のいま、リイシュー、二枚組アナログ盤として発売されました。SRRD田嶋さまはじめ関係者のみなさまには感謝しかありません。  ぼくはひととしては欠落部分ばかりで、人格的には破綻し、数多くのかたにひんしゅくを買い、ご迷惑ばかりかけて生きてきた人間ですので、こうしたプレゼントはあまりにも畏れ多いというのが、表向きの謙遜などで

        • 八ヶ岳 標高1300mでレコーディングするということ

           この記事は、ぼくが2016年にプロデュースしたフルート奏者・木ノ脇道元さんとサックス奏者・大城正司さんのハイレゾ収録アルバムについて、管楽器専門誌『パイパーズ』2017年7月号にご掲載いただいた記事原稿をもとにほんの少し改稿したものを、『パイパーズ』編集長・佐藤拓さまのお許しを得て公開するものです。とてもマニアックでしかも奥深い管楽器音楽文化を開拓してこられた雑誌『パイパーズ』も2023年4月号で残念ながら休刊となりました。おおくの管楽器奏者のアルバムプロデュースを手がけて

        2011年3月11日の、記憶の断片。

          書き残すこと。

           七月、みっつの大腸ポリープを切除した。組織検査の結果、それらはどうも癌の可能性が高い組織だ、ということになった。  肉眼で切除したポリープを自分で見て、ああ、これは良性だなと勝手に信じ込んでいたので、これはショックだった。ボディブローのようにじわじわと効いてきた気がする。  少し記憶の整理をしておこうという気分になった。とくに誰か/何かの役に立つようなものではないだろうけれど、残しておいて害悪になることもないだろう。  そもそもぼくは人格的には破綻していて、ひとに迷惑をか

          書き残すこと。