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書き残すこと。
七月、みっつの大腸ポリープを切除した。組織検査の結果、それらはどうも癌の可能性が高い組織だ、ということになった。
肉眼で切除したポリープを自分で見て、ああ、これは良性だなと勝手に信じ込んでいたので、これはショックだった。ボディブローのようにじわじわと効いてきた気がする。
少し記憶の整理をしておこうという気分になった。とくに誰か/何かの役に立つようなものではないだろうけれど、残しておいて害悪になることもないだろう。
そもそもぼくは人格的には破綻していて、ひとに迷惑をかけたり後ろ指をさされたりすることが非常に多い人間ではあるけれど、一定の狭いジャンルでは少しは仕事をしてきたようにおもう。その世界は狭いがゆえに体験者が多くはないし、書き残されたテクストも少ない。ぼくが一代限りという経験や技術もある。
そうしたことを具体的に残すつもりはないけれども、その周辺の記憶を、ある「手がかり」として、雑多に書いていきたい。
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