idecoとNISAについて税金の観点で計算してみた

NISAが拡充されますが、idecoとNISAのどちらが税制面で有利かについて少し整理してみました。

idecoやNISAの記事はそのあたりにあふれていると思いますので、本記事では割愛します。

まずは前提条件を整理

  • 全般

    • インデックスの投資信託を積み立てるものとする。

    • 年利回り5%で計算。

    • 年間12回積み立てるものとする。

  • ideco

    • 課税所得が控除されるので、所得税、住民税、社会保険料の支払いの繰り延べ効果がある。

    • こちらの金額をベースとして考える。

  • NISA

    • 利益部分は非課税。

    • idecoの金額から所得税、住民税、社会保険料を支払ったものとみなして、その分だけ控除した金額を積み立てる


実質税額については計算が面倒なので、以下のサイトを使って計算。
https://www.sakai-zeimu.jp/blog/archives/7051

実質税額は所得税、住民税、社会保険料を支払ったあとの金額なので、
実質税額=(額面ー手取り)/額面 で求めることができる。
手取り年収に対する実質の税率は次の通り。

¥6,000,000→24%
¥7,000,000→25%
¥8,000,000→26%
¥9,000,000→27%
¥10,000,000→28%

積み立て金額は以下の通り

ideco→¥20,000
NISA(年収600万円)→¥15,272
NISA(年収700万円)→¥14,989
NISA(年収800万円)→¥14,703
NISA(年収900万円)→¥14,570
NISA(年収1000万円)→¥14,424

30年経過後の資産総額は

ideco→¥16,645,173
NISA(年収600万円)→¥12,710,531
NISA(年収700万円)→¥12,474,501
NISA(年収800万円)→¥12,236,574
NISA(年収900万円)→¥12,126,297
NISA(年収1000万円)→¥12,004,825

idecoの税金については現行の税制では2パターンあり
1つめは退職金控除を使うこと。
退職金控除の場合は、2200万円まで控除されるので、実質税額は0円です。
2つめは年金として受け取ること。
年金として受け取る場合は、年間110万円を控除した額に税金がかかる。ここでは10等分して受け取ると考えると、約166万円ー110万円で約55万円が課税対象なので、5%が課税されて28,226円。10年で282,260円がかかるのでそう受け取り額は、¥16,362,914。
ちなみに、idecoの税金の計算は、ほかの収入状況にもよると思うのでもう少し複雑になります。

退職金の税制が超絶改悪されて現在の年収と同じ程度の課税率になった場合は、以下の通りで先に課税されても後に課税されても同じという結果になります。まさに課税の繰り延べ効果ですね。

24%課税→¥12,710,531
25%課税→¥12,474,501
26%課税→¥12,236,574
27%課税→¥12,126,297
28%課税→¥12,004,825

まとめると、以下の通りです。

ideco(退職金控除利用)→¥16,645,173
ideco(年金受取利用)→¥16,645,173
NISA(年収600万円)→¥12,710,531
NISA(年収700万円)→¥12,474,501
NISA(年収800万円)→¥12,236,574
NISA(年収900万円)→¥12,126,297
NISA(年収1000万円)→¥12,004,825

現行の税制なら圧倒的にidecoが有利でしょう。現役相当の課税額になったとしてもNISAとトントンなので、私はidecoをフル活用している現在の方針を変更する必要はないと考えました。

実際には年収が高くなると積立額を増やせるはずなので、なんとなくシミュレーションに違和感を感じるかもしれませんが、あくまで税金の観点でどちらかが有利かという考察でした。

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