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適正化法基本方針

マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づき、マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針を定めたので、公表する。

前文

 我が国におけるマンションは、土地利用の高度化の進展に伴い、 職住近接という利便性や住空間の有効活用という機能性に対する積極的な評価、 マンションの建設・購入に対する融資制度や税制の整備を背景に、都市部を中心に持家として定着し、 重要な居住形態となっており、国民の一割以上が居住していると推計される。

 その一方で、一つの建物を多くの人が区分して所有するマンションは、 各区分所有者等の共同生活に対する意識の相違、多様な価値観を持った区分所有者等間の意思決定の難しさ、 利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ、建物構造上の技術的判断の難しさなど建物を維持管理していく上で、 多くの課題を有している。

 特に、今後、建設後相当の期間が経過したマンションが、急激に増大していくものと見込まれるが、 これらに対して適切な修繕がなされないままに放置されると、老朽化したマンションは、 区分所有者等自らの居住環境の低下のみならず、外壁等の剥落などによる居住者や近隣住民の生命・身体に危害、 ひいては周辺の住環境や都市環境の低下を生じさせるなど深刻な問題を引き起こす可能性がある。

 このような状況の中で、我が国における国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するためには、 管理組合がマンションを適正に管理するとともに、行政はマンションの管理状況、 建物・設備の老朽化や区分所有者等の高齢化の状況等を踏まえてマンションの管理の適正化の推進のための施策 を講じていく必要がある。

 この基本的な方針は、このような認識の下に、マンションの管理の適正化の推進を図るため、 必要な事項を定めるものである。

一. マンションの管理の適正化の推進に関する基本的な事項

管理組合、国、地方公共団体、マンション管理士、管理業者その他の関係者は、 それぞれの役割を認識するとともに、効果的にマンションの管理の適正化及びその推進を図るため、 相互に連携して取組を進める必要がある。

1 管理組合及び区分所有者の役割

 マンションは私有財産の集合体であり、その管理の主体は、あくまでマンションの区分所有者等で構成される管理組合である。 法第五条第一項においても、管理組合は、 マンション管理適正化指針及び都道府県等マンション管理適正化指針の定めるところに留意して、 マンションを適正に管理するよう自ら努めなければならないとされている。マンションストックの高経年化が進む中、 これらを可能な限り長く活用するよう努めることが重要であり、管理組合は、自らの責任を自覚し、 必要に応じて専門家の支援も得ながら、適切に管理を行うとともに、国及び地方公共団体が講じる施策に協力するよう努める必要がある。

マンションの区分所有者等は、管理組合の一員としての役割及び修繕の必要性を十分認識して、管理組合の運営に関心を持ち、 積極的に参加する等、その役割を適切に果たすよう努める必要がある。

2  国の役割

国は、マンションの管理水準の維持向上と管理状況が市場において評価される環境整備を図るためにマンションの管理の適正化の推進に関する施策を講じていくよう努める必要がある。 このため、マンション管理士制度及びマンション管理業の登録制度の適切な運用を図るほか、マンションの実態調査の実施、 「マンション標準管理規約」及び各種ガイドライン・マニュアルの策定や適時適切な見直しとその周知、 マンションの管理の適正化の推進に係る財政上の措置、リバースモーゲージの活用等による大規模修繕等のための資金調達手段の確保、 マンション管理士等の専門家の育成等によって、管理組合や地方公共団体のマンションの管理の適正化及びその推進に係る取組を支援していく必要がある。

また、国は、マンションの長寿命化に係る先進的な事例の収集・普及等に取り組むとともに、管理組合等からの求めに応じ、 マンション管理適正化推進センターと連携しながら、必要な情報提供等に努める必要がある。

3  地方公共団体の役割

地方公共団体は、区域内のマンションの管理状況等を踏まえ、 計画的にマンションの管理の適正化の推進に関する施策を講じていくよう努める必要がある。

このため、区域内のマンションの実態把握を進めるとともに、法第三条の二に基づくマンション管理適正化推進計画を作成し、 施策の方向性等を明らかにして法第三章に基づく管理計画認定制度を適切に運用することで、 マンションの管理水準の維持向上と管理状況が市場において評価される環境整備を図っていくことが望ましい。

その際、特に必要がある場合には、関係地方公共団体、管理組合、マンション管理士、管理業者、 マンションの管理に関する知識や経験を生かして活動等を行うNPO法人等の関係者に対し、 調査に必要な協力を求めることも検討し、これらの関係者と連携を図りながら、効果的に施策を進めることが望ましい。

さらに、マンション管理士等専門的知識を有する者や経験豊かで地元の実情に精通したマンションの区分所有者等から信頼される者等の協力を得て、 マンションに係る相談体制の充実を図るとともに、管理組合等からの求めに応じ、必要な情報提供等に努める必要がある。

なお、管理が適正に行われていないマンションに対しては、マンション管理適正化指針等に即し、 必要に応じて法第五条の二に基づく助言・指導等を行うとともに、専門家を派遣する等能動的に関与していくことが重要である。

4  マンション管理士及び管理業者等の役割

マンションの管理には専門的知識を要することが多いため、マンション管理士には、管理組合等からの相談に応じ、 助言等の支援を適切に行うことが求められており、誠実にその業務を行う必要がある。 また、管理業者においても、管理組合から管理事務の委託を受けた場合には、誠実にその業務を行う必要がある。

さらに、マンション管理士及び管理業者は、地方公共団体等からの求めに応じ、必要な協力をするよう努める必要がある。

また、分譲会社は、管理組合の立ち上げや運営の円滑化のため、分譲時に管理規約や長期修繕計画、 修繕積立金の金額等の案について適切に定めるとともに、これらの内容を購入者に対して説明し理解を得るよう努める必要がある。

二.マンションの管理の適正化に関する目標の設定に関する事項

マンションの適切な管理のためには、適切な長期修繕計画の作成や計画的な修繕積立金の積立が必要となることから、 国においては、住生活基本法に基づく住生活基本計画(全国計画)において、 二十五年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金を設定している管理組合の割合を目標として掲げている。

地方公共団体においては、国が掲げる目標を参考にしつつ、マンションの管理の適正化のために管理組合が留意すべき事項も考慮し、 区域内のマンションの状況を把握し、地域の実情に応じた適切な目標を設定することが望ましい。

三 マンション管理適正化指針に関する事項

四 マンションがその建設後相当の期間が経過した場合その他の場合において

  当該マンションの建替えその他の措置に向けたマンションの区分所有者等の
  合意形成の促進に関する事項
日常のマンションの管理を適正に行い、そのストックを有効に活用していくことは重要だが、 一方で、修繕や耐震改修等のみでは良好な居住環境の確保や地震によるマンションの倒壊、 老朽化したマンションの損壊その他の被害からの生命、身体及び財産の保護が困難な場合には、 マンションの建替え等を円滑に行い、より長期の耐用性能を確保するとともに、 良好な居住環境や地震に対する安全性等の向上を実現することが重要である。

マンションの建替え等の円滑化に関する法律では、 地震に対する安全性が不足しているマンションや外壁等の剥落により周囲に危害を生ずるおそれのあるマンション等を、 建替え時の容積率特例やマンション敷地売却事業及び団地型マンションにおける敷地分割事業の対象とし、 また、バリアフリー性能が不足しているマンション等を含めて建替え時の容積率特例の対象としている。

マンションが建設後相当の期間が経過した場合等に、修繕等のほか、これらの特例を活用した建替え等を含め、 どのような措置をとるべきか、様々な区分所有者等間の意向を調整し、合意形成を図っておくことが重要である。 管理組合においては、区分所有者等の連絡先等を把握しておき、必要に応じて外部の専門家を活用しつつ、 適切に集会を開催して検討を重ね、長期修繕計画において建替え等の時期を明記しておくこと等が重要である。

五 マンションの管理の適正化に関する啓発及び知識の普及に関する基本的な事項

マンションの管理の適正化を推進するためには、必要な情報提供、技術的支援等が不可欠であることから、 国及び地方公共団体は、マンションの実態の調査及び把握に努め、必要な情報提供等について、 その充実を図ることが重要である。

国においては、法及びマンション管理適正化指針の内容の周知を行うほか、 「マンション標準管理規約」や各種ガイドライン・マニュアルの策定や適時適切な見直しとその周知を行っていく必要がある。

また、国、地方公共団体、マンション管理適正化推進センター、マンション管理士、NPO法人等の関係者が相互に連携をとり、 管理組合等の相談に応じられるネットワークを整備することが重要である。

地方公共団体においては、必要に応じてマンション管理士等専門的知識を有する者や経験豊かで地元の実情に精通したマンションの区分所有者等から信頼される者、 NPO法人等の協力を得て、セミナーの開催やマンションに係る相談体制の充実を図るよう努める必要がある。

マンション管理適正化推進センターにおいては、関係機関及び関係団体との連携を密にし、「管理組合等」に対する積極的な情報提供を行う等、管理適正化業務を適正かつ確実に実施する必要がある。

これらのほか、国、地方公共団体、関係機関等は、管理計画認定制度の周知等を通じて、 これから管理組合の一員たる区分所有者等としてマンションの管理に携わることとなるマンションを購入しようとする者に対しても、 マンションの管理の重要性を認識させるように取り組むことも重要である。


六 マンション管理適正化推進計画の策定に関する基本的な事項

マンションは全国的に広く分布しており、各地域に一定のストックが存在するが、 中でも大都市圏への集中が見られ、建設後相当の期間が経過し、管理上の課題が顕在化しているものも多い。 また、大都市以外でも、都市近郊の観光地等で主に別荘として利用される、 いわゆるリゾートマンションを多く有する地域もある。

地方公共団体は、このように各地域で異なるマンションの状況等を踏まえつつ、法及び本基本方針に基づき、 住生活基本計画(都道府県計画)(市町村にあっては住生活基本計画(全国計画)(令和三年三月十九日閣議決定)第4(4)に基づく市町村計画を含む。以下同じ。) と調和を図るほか、マンションの管理の適正化の推進に関する施策の担当部局と福祉関連部局、防災関連部局、まちづくり関連部局、 空き家対策関連部局、地方住宅供給公社等と連携し、マンション管理適正化推進計画を策定することが望ましい。


1 マンションの管理の適正化に関する目標

区域内のマンションの状況に応じ、二十五年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している管理組合の割合等、 明確な目標を設定し、その進捗を踏まえ、施策に反映させていくことが望ましい。


2 マンションの管理の状況を把握するために講じる措置に関する事項

マンションの管理の適正化の推進を図るためには、 大規模団地や長屋型のマンション等も含めた区域内のマンションストックの状況を把握した上で、 マンションの管理の実態について把握することが重要であり、 登記情報等に基づくマンションの所在地の把握、管理組合へのアンケート調査等の実態調査、条例による届出制度の実施等、 地域の状況に応じた措置を位置づけることが考えられる。

なお、マンションの管理の実態の把握については、規模や築年数等に応じ、対象を絞って行うこ とも考えられる。


3 マンションの管理の適正化の推進を図るための施策に関する事項

地域の実情に応じてニーズを踏まえつつ、適切な施策を行っていくことが重要であり、 管理組合向けのセミナーの開催、相談窓口の設置、マンション管理士等の専門家の派遣、 長期修繕計画の作成等に必要な取組に対する財政支援等を位置づけることが考えられる。

また、きめ細やかな施策を推進するため、地方公共団体、地域の実情に精通したマンション管理士等の専門家、 管理業者等の事業者、管理組合の代表者、NPO法人等で協議会を設置することも考えられる。

このほか、必要に応じ、地方住宅供給公社によるマンションの修繕その他の管理に関する事業を定めることが考えられる。 この場合において、地方住宅供給公社は、当該都道府県等の区域内において、 地方住宅供給公社法(昭和四十年法律第百二十四号)第二十一条に規定する業務のほか、 管理組合の委託により、当該事業を行うことができる。


4 管理組合によるマンションの管理の適正化に関する指針(都道府県等マンション管理適正化指針)に関する事項

法第五条第一項に基づき、管理組合は、マンション管理適正化指針のほか、 都道府県等マンション管理適正化指針にも留意してマンションを適正に管理するよう努めることとなるほか、 都道府県等マンション管理適正化指針は、法第五条の二に基づく助言、指導等の基準や、 法第五条の四に基づく管理計画の認定の基準ともなり得るものである。

マンション管理適正化指針と同様のものとすることも差し支えないが、必要に応じ、 例えば、浸水が想定される区域においては適切な防災対策を講じていることなど 地域の実情を踏まえたマンションの管理に求められる観点や水準を定めることが望ましい。


5 マンションの管理の適正化に関する啓発及び知識の普及に関する事項

マンションの管理の適正化の推進を図るためには、必要な情報提供、技術的支援等が不可欠であることから、 マンション管理適正化推進センターやマンション管理士会、NPO法人等と連携したセミナーの開催、 相談窓口の設置、専門家の派遣や、これらの取組を広く周知することを位置づけることなどが考えられる。


6 計画期間

地域のマンションの築年数の推移や、人口動態等の将来予測を踏まえて、適切な計画期間を設定することが望ましいが、 例えば、住生活基本計画(都道府県計画)が、計画期間を十年とし、五年毎に見直しを行っている場合にはこれと整合を図ることなどが考えられる。

7 その他マンションの管理の適正化の推進に関し必要な事項
管理計画認定制度の運用にあたって、例えば、法第五条の十三に基づく指定認定事務支援法人を 活用する場合にはその旨等を定めることが考えられる。

このほか、地域の実情に応じて取り組む独自の施策を積極的に位置づけることが望ましい。


七 その他マンションの管理の適正化の推進に関する重要事項

1 マンション管理士制度の一層の普及促進

マンションの管理には専門的な知識を要する事項が多いため、国、地方公共団体及びマンション管理適正化推進センターは、 マンション管理士制度がより一層広く利用されることとなるよう、その普及のために必要な啓発を行い、マンション管理士に関する情報提供に努める必要がある。

なお、管理組合は、マンションの管理の適正化を図るため、必要に応じ、 マンション管理士等専門的知識を有する者の知見の活用を考慮することが重要である。


2 管理計画認定制度の適切な運用

管理計画認定制度の活用によって、マンションの管理水準の維持向上と管理状況が市場において評価される環境整備が図られることが期待されることから、 同制度を運用する地方公共団体においては、その積極的な周知を図るなど適切に運用していくことが重要である。

また、国においては、既存マンションが対象となる管理計画認定制度に加え、マンションの適切な管理を担保するためには分譲時点から適切な管理を確保することが重要であることから、 新築分譲マンションを対象とした管理計画を予備的に認定する仕組みについても、マンション管理適正化推進センターと連携しながら、 必要な施策を講じていく必要がある。

なお、地方公共団体は、指定認定事務支援法人に、認定に係る調査に関する事務を委託することも可能であり、 必要に応じてこれを活用するとともに、指定認定事務支援法人は個人情報等も扱う可能性があることや利益相反も想定されることに鑑み、 委託する際は適切に監督を行う必要がある。


3 都道府県と市町村との連携

法において、都道府県は町村の区域内に係るマンション管理適正化推進行政事務を行うこととされているが、 市区町村と連携を図り、必要に応じて市区の区域内を含めて施策を講じていくことが重要である。

また、町村が地域のマンションの詳細な実情を把握していることも想定されることから、都道府県と町村においては、 連絡体制を確立し、密に連携をとる必要がある。

なお、法第百四条の二に基づき、町村がマンション管理適正化推進行政事務を行う場合には、 都道府県と適切に協議を行い、必要な引継ぎを確実に受けるほか、 その旨を公示等で周知するなど同事務の実施に遺漏のないようにする必要がある。


4 修繕等が適切に行われていないマンションに対する措置

法第五条の二において、都道府県等は管理組合の管理者等に対してマンションの管理の適正化を図るために必要な助言、 指導及び勧告を行うことができることとされているが、助言等を繰り返し行っても、なおマンションの管理の適正化が図られないことも考えられる。

修繕等が適切に行われなかった結果、老朽化したマンションがそのまま放置すれば著しく保安上危険となり、 又は著しく衛生上有害な状態となる恐れがあると認められるに至ったなどの場合には、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)に基づき、 特定行政庁である地方公共団体が改善の命令等の強制力を伴う措置を講じることも考えられる。


5 修繕工事及び設計コンサルタントの業務の適正化

マンションの修繕工事や長期修繕計画の見直しにあたっては、管理組合の専門的知識が不足し、 修繕工事業者や設計コンサルタント等との間に情報の非対称性が存在する場合が多いことから、 国は、管理組合に対する様々な工事発注の方法の周知や修繕工事の実態に関する情報発信、 関係機関とも連携した相談体制の強化等を通じて、マンションの修繕工事や設計コンサルタントの業務の適正化が図られるよう、 必要な取組を行う必要がある。


6  ICT化の推進

国は、WEB会議システム等を活用した合意形成の効率化や、ドローンを活用した外壁の現況調査等、 モデル的な取組に対して支援することにより、ICTを活用したマンションの管理の適正化を推進していく必要がある。

また、法第七十二条第六項及び第七十三条第三項では、管理組合の負担軽減及び管理業者の生産性向上の観点から、 重要事項説明時や契約成立時の書面交付について、ITを活用した電磁的記録による交付が可能である旨定められている。 併せて、通常、対面で行われる重要事項の説明等についても、ITを活用した説明が可能であり、 これらについて管理業者の団体等を通じて広く周知していくことが重要である。


別紙一

法第五条の二に基づく助言、指導及び勧告を行う際の判断の基準の目安
法第五条の二に基づき管理組合の管理者等に対して助言、指導及び勧告を行う際の判断の基準の目安は、 以下の事項が遵守されていない場合とする。

なお、個別の事案に応じて以下の事項以外の事項についても、 基本方針三のマンション管理適正化指針や基本方針六4の都道府県等マンション管理適正化指針に即し、 必要な助言及び指導を行うことは差し支えない。

1 管理組合の運営
(1) 管理組合の運営を円滑に行うため管理者等を定めること
(2) 集会を年に一回以上開催すること

2  管理規約
  管理規約を作成し、必要に応じ、その改正を行うこと

3 管理組合の経理
  管理費及び修繕積立金等について明確に区分して経理を行い、適正に管理すること

4 長期修繕計画の作成及び見直し等
  適時適切な維持修繕を行うため、修繕積立金を積み立てておくこと


別紙二

法第五条の四に基づく管理計画の認定の基準
法第五条の四に基づく管理計画の認定の基準は、以下の基準のいずれにも適合することとする。

1 管理組合の運営
(1) 管理者等が定められていること
(2) 監事が選任されていること
('3) 集会が年一回以上開催されていること

2 管理規約
(1) 管理規約が作成されていること
(2) マンションの適切な管理のため、管理規約において災害等の緊急時や管理上必要な
   ときの専有部の立ち入り、修繕等の履歴情報の管理等について定められていること
('3) マンションの管理状況に係る情報取得の円滑化のため、管理規約において、
   管理組合の財務・管理に関する情報の書面の交付(または電磁的方法による提供)
   について定められていること

3 管理組合の経理
(1) 管理費及び修繕積立金等について明確に区分して経理が行われていること
(2) 修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないこと
(3) 直前の事業年度の終了の日時点における修繕積立金の三ヶ月以上の滞納額が
   全体の一割以内であること

4 長期修繕計画の作成及び見直し等
(1) 長期修繕計画が「長期修繕計画標準様式」に準拠し作成され、長期修繕計画の内容
   及びこれに基づき算定された修繕積立金額について集会にて決議されていること
(2) 長期修繕計画の作成または見直しが七年以内に行われていること
(3) 長期修繕計画の実効性を確保するため、計画期間が三十年以上で、かつ、残存期間
   内に大規模修繕工事が二回以上含まれるように設定されていること
(4) 長期修繕計画において将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していないこと
(5) 長期修繕計画の計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された修繕積立金の
   平均額が著しく低額でないこと
(6) 長期修繕計画の計画期間の最終年度において、借入金の残高のない長期修繕計画
   となっていること

5 その他
(1) 管理組合がマンションの区分所有者等への平常時における連絡に加え、災害等の緊急時
   に迅速な対応を行うため、組合員名簿、居住者名簿を備えているとともに、一年に一回
   以上は内容の確認を行っていること
(2) 都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること


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