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ハヤカワ五味チケットサプリ炎上!ジレンマとハックを解説

筆者による個人的な憶測、断定、感想で構成されています。この記事の修正・削除を望まれる方はコメント欄に記述ください。対応させていただきます。

『ILLUMINATE チケットサプリ』の炎上の概要

ILLUMINATE チケットサプリの炎上問題とは、ハヤカワ五味氏のILLUMINATE社が販売している生理周期に着目した飲み分け型サプリメント「チケットサプリ」のWebサイト上での表記の一部に薬機法に接触する可能性のある表現、誤解を招く表現が含まれていることが指摘された問題です。

具体的に指摘されている所は、

と、効果効能を謳えないはずのサプリメントにも関わらず、効果効能があるかのような誤解を招く表現が使われていたと、「やさしい皮膚科医」さんのTwitterアカウントが指摘しています。

これらの表現が法律違反になるかどうかは、法律の専門家にお任せします。(現在、ILLUMINATE社は指摘の箇所を修正している部分もあり)

詳しい時系列の流れは↓をご参考ください

この記事では、サプリビジネスの構造上の問題と、なぜこのような大問題になってしまったか?なぜこのような大問題になるまで問題を解決できなかったか?をハヤカワ五味氏の思考を紐解いていきたいと思います。

ハヤカワ五味氏とは?

まず、ハヤカワ五味氏はどのような人物なのか解説します。

ハヤカワ五味氏は課題解決型アパレルブランドを運営する株式会社ウツワ代表取締役社長である。胸が小さい人向けのランジェリーブランド「feast」、プリントタイツ類のデザインを販売した経歴があります。

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ハヤカワ五味氏が運営する事業の特徴は課題解決型の商品を販売していることです。例えば、「胸が小さい人向けのランジェリーブランド」や「点線とハサミが描かれる『キリトリ線タイツ』」などキャッチーで役に立ちそうなコンセプトは消費者の購買意欲を掻き立てています。今回のチケットサプリも「生理周期に着目した飲むサプリ」と女性の生理による体調の変化を課題として捉え、生理による体調の変化を緩和することを試みた商品です。


これまでの事業と違う重要な点

しかし、これまでの事業との大きな違いは薬機法が関係していることです。具体的には、サプリメントは医薬品と違って効果効能を主張することはNGです。そのため、これまでの事業のように商品の有効性を主張することは困難です。

ハヤカワ氏も、この点は重々理解しており、商品のPRやプレスリリースを読むと、薬機法に触れないように最新の注意を払っていることが分かります。さらにSNSを駆使しユーザーに感想を述べるよう促すことで、サプリの優位性を強調し、ユーザーを獲得しようとしている戦略が分かります(※「あくまで個人の感想です」といった文言を載せていたとしても、違法になる可能性があります)。

このようにハヤカワ氏は細心の注意を払いながら、サプリビジネスを拡大しようとした事が分かります。

サプリビジネスのジレンマ

また、サプリ事業は薬機法とユーザーの獲得という両輪を回すことが非常に難しい事業であることも分かります。つまり、ユーザーの獲得するためには効果効能をPRしたいけど、PRすると薬機法に触れるというジレンマを抱えている事業です。

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なぜ、この問題が拡大したか?

では、なぜこのような細心の注意を払っていたにも関わらず、このような炎上が起こってしまったのでしょうか?サプリビジネスはリスクが大きい事をハヤカワ氏も理解していたと思います。ここからが本記事の本題です。

ハヤカワ氏の誤算を想像する(筆者の想像)

このような炎上が起こった背景にはハヤカワ五味氏の誤算があったのではないかと想像します。

ハヤカワ氏の誤算. 薬機法に詳しくフォローワーが多い(影響力を持つ)人がいた

その誤算は薬機法に詳しくフォローワーが多い(影響力を持つ)人がいたということです。本問題を指摘した「やさしい皮膚科医」は4.7万人のフォローワーを持っており、「やさしい皮膚科医」のツイートにより多くの人に一気に問題が認知されてました。

ここまで、急速に問題が拡散されなければ、絶妙な表現で購入者を増やしつつ、グレーな部分は指摘されれば変更し、徐々にホワイトに近づいていく作戦でチケットサプリ事業のジレンマを解消できると踏んでいたと思います。

しかし、急速に問題が拡散したことで徐々に表現を薬機法に適した形にする手法でサプリビジネスをハックする手法は世間から受け入れられることが難しくなりました。(只、ILLUMINATE社のアカウントからの対応"お知らせ"↓をみると未だに、この作戦を実行中である可能性がある)

一気に広まらなければOKなのかという善悪の問題や法律の問題は皆様の判断にお任せします。ただ、ILLUMINATEから2021年2月18日現在、返金対応のお知らせなどは出ていません。

では、このような大問題になっているにも関わらず、効果的な対応ができていないのでしょうか?次にこの問題を紐解きたいと思います。

本問題に対するILLUMINATEの対応

ILLUMINATE社は本問題に対して、下記の通りにプレスリリースを出しています。しかし、このプレスリリースには返金の対応については書かれていません。

当社から販売している商品「チケットサプリ」のWebサイト上の表示の一部に薬機法に抵触する可能性のある表現、お客様の誤解を招く表現等の不適切な表現が用いられておりました。当社では、改めて当社Webサイトを含む広告表現を精査し、法令を逸脱する可能性のある表現については、早急に削除するとともに、薬事広告に関し外部の専門機関や専門家と相談のうえ適切な表現へと訂正いたします。これまでも薬機法を含む法令については注意を払ってまいりましたが、このような形でお客さま並びに関係者の皆様に不安を抱かせることとなり、大変申し訳ございませんでした。また、再発防止策として社内に広告表現をチェックするための部門を新設すると共に、顧問弁護士に加え新たに専門機関による定期的なダブルチェックを徹底してまいります。

このような問題で最も一般的で効果的な方法は返金対応です。返金の対応については2021年2月18日現在プレスリリースは出されておりません。これにより、不満の声が上がっています。

返金対応で評価を上げたのが・・・

反対に、返金対応で評価を上げたのは「てんちむ」さんです。岡田斗司夫氏はこの返金対応を取ったことで評価経済社会において「てんちむ」はプラスの影響になったと語っています。

ハヤカワ氏のケースも「てんちむ」と同様に借金をしてでも、返金対応した方が評価経済社会としてはプラスになると考えられます。では、なぜ即時返品対応できなかったのでしょうか?

即時返品対応できなかった理由.過去の事業の反省

ハヤカワ氏は過去の事業(タイツ事業とワンピースブランド)で原価率の設定に失敗し、結果的にユーザーに不利益を被ってしまわせたと反省しています。

「ダブルチャカ」という去年クローズしたワンピースブランドに関しては、完全に原価設定をミスりました。ぶっちゃけ原価率40%強くらいだったので、どう頑張っても収益化が難しく、ブランドとしての絶対的な差別要素もなかったので2019年にクローズすることになってしまいました。https://note.com/hayakawagomi/n/n7e97021288d0

これらの経緯から、ハヤカワ氏の心を想像すると、

1.返金すると本事業を続けられなくなる可能性がある。

2.サプリを続けられなくと、ユーザーは不利益である

3.1と2から返金は楽しみにしているユーザーにとって不利益である

と短絡的に判断したと推測できます。

これから、どうすれば良いか?

では、ILLUMINATE社はこれからどのような対応をとるべきでしょうか?

まずは、謝罪と返金対応をとるべきでしょう。意図的ではないにしても、誤解をして購入したユーザーには返金対応が必要です。これができないと、今後チケットサプリ事業がスケールすることはないでしょう。

原価率と社員数、投資額から想像してみると、返金しても事業継続はできるのではないかと思います。

謝罪、返金をした上で、その後の戦略について『ILLUMINATE チケットサプリ』の構造上の欠陥と『ILLUMINATE チケットサプリ』のイケてる部分から考察します。

『ILLUMINATE チケットサプリ』の構造上の欠陥

まず『ILLUMINATE チケットサプリ』の構造上の欠陥ですが、先程も紹介したようにサプリが広まるには、ユーザーを惹きつける表現が必要ですが、薬機法上、効果効能をアピールすることができません。

このジレンマを解消しようとILLUMINATEは攻めた表現(グレーかブラックかは分かりませんが)で商品をPRし、ユーザーの獲得数が増えるにつれ、表現をマイルドにしようとしましたが失敗しました。

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『ILLUMINATE チケットサプリ』のイケてる部分

次に、イケてる部分について説明します。『ILLUMINATE チケットサプリ』がイケている部分はデザインでしょう。ハヤカワ氏は美術大学出身ということで箱のパッケージ、WEBサイトのデザインはターゲットに合わせて最適に設計されています。

言葉の表現の部分は薬機法のご指摘で変更を余儀無くされましたが、今後も継続的に効果を発揮するでしょう。

『ILLUMINATE チケットサプリ』の今後の戦略

以上のように、『ILLUMINATE チケットサプリ』の構造上の欠陥とイケてる部分を説明しました。

塞翁が馬

今回の問題で『ILLUMINATE チケットサプリ』は意図せずユーザーの認知を集めることに成功しました(良い悪いに関わらず)。

ですので、今後は謝罪返金対応を逆手に取り、完全にクリーンな表現で商品に生まれ変わることでユーザーを獲得できるのではないかと思います。

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まとめ

以上、ハヤカワ五味「チケットサプリ」の炎上と今後の戦略について述べさせて頂きました。

今回の問題がプラスに働くことを心から祈っております。


私にお助け出来ることがあれば、協力させて頂きますので、お気軽にお声掛けください。


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