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何歳になっても夢を語れる話

先日、ソフトバンクグループの株主総会があり、孫正義代表取締役のスピーチをネットで拝聴しました。

また随分と大きく出たなーっ!て感じのトークが聞けて、孫さんがご健在なのがよくわかりました。
「株価?…そんなの誤差ですよ」なんて仰って会場の笑いを誘ってましたが、孫さんが機嫌よく夢を語ることが株主にとっていちばんいいことのように思えました。

今日は孫さんのスピーチで印象に残ったことを書き留めておこうと思います。


今度のAIは「人類叡智の1万倍」って何?


今回の登壇では「ASI」という初めて聞く単語が出てきました。
前回の登壇では「AGI」という単語を使ってましたけど、両者にはその捉え方に大きな違いがあるようです。

AGIとは、Artificial General Intelligence(人工汎用知能)の略で、人間のような汎用的な知能を持つ人工知能を指します。
従来のAIとの概念的な違いは何かの作業に特化したAIではなく、汎用的に扱える、つまり、学習させていない作業に直面しても解決策を見つけたり作業を可能にするそうです。

一方のASIとは、Artificial Super Intelligence の略で、人間が理解や想像もできないような方法で問題を解決することができる、人間の知能をはるかに超える能力を持つAIだそうです。

AGIが人間と等倍〜10倍程度の賢さを持っているとしたら、ASIは1万倍なんですって(…ちなみに「ASI=1万倍」は世の中の決めごとではなく、孫さんが独断で決めたとのこと)。
今回の登壇では「AGIは人の代替はできても、人を代替して何が嬉しいのかわからない」的なことを孫さんは仰っていましたが、確かに、人にはできないことをしてくれることに期待すべきでしょうね。
だからASIなんだ!と。

正直、もう何を言ってるのかわからないというか、まったくイメージできない話なのですが、孫さん曰く、ASIの誕生は「10年後」だそうです。


そう言えば「現代のロックフェラー」はどこにいった?


2017年の株主総会のときの話ですが、ソフトバンクグループがアメリカの通信事業に関与するビジネス(=スプリントとTモバイルの合併に失敗)から投資会社(=ビジョンファンド)に切り替わっていく頃、孫さんは「自分は現代のロックフェラーだ!」と語っていたことを思い出しました。

その後、AI関連の会社への投資案件でなかなか厳しい状況に陥って、ロックフェラーの話はどこかに行ってしまったのですが…。

ちなみにロックフェラーとは何か?について少しだけ触れておきます。
ロックフェラーっていうのは第二次産業革命のときに活躍した資本家のことですが、産業がシフトする過程で、その主たる要素となる「石油・自動車・通信」の3事業をおさえて成功した人です。
孫さんはそのロックフェラーの成功になぞって、自分はこれからシフトする時代の主たる要素をおさえようとビジョンファンドを立ち上げたんですよね。

今回の株主総会での孫さんのスピーチには、そのロックフェラー発言以来の高揚感を得ました。

内容の信憑性はどうであれ、経営者が語る高揚感が私はいちばん嬉しいです。
自社が取り組むべきテーマに未来があれば、そこに引き寄せられて優秀な人材が動くわけですから、経営者はやっぱり未来を語れなきゃなりません。
そして、その成果に期待できる会社であることが大事なんじゃないかと、私はそう思います。
そのとき経営者には、何歳になっても夢を語れる力が必要なのでしょう。


「我が社の使命って何?」を考え続けることは間違ってなさそう


で、孫さんは今回の株主総会で、「現代のロックフェラー」以来の決め台詞を披露してくれました。
ソフトバンクグループの使命は「人類の進化」だそうです。

私は前回のnoteに「私は今でも毎日『自分の仕事とは何か?』について考える日々を過ごしています」と書きましたが(→こちら)、孫さんも「人類の進化」と決めるまでずーっと考え続けていたそうです。
遡ること、スティーブ・ジョブズがiPhoneを開発していた頃からずーっと。

あんなに凄い孫さんでも「自分の仕事とは何か?」を考え続けているってことを知れたのが、私にとっては大きな励みになりました。


むすび


今日は孫さんのスピーチからの学びを書きました。

ASIの信憑性はまったくわかりませんし、そのASIにソフトバンクグループがどれだけ絡めるかもわかりませんが、自社の使命としてそれを目指す堂々としたスピーチは素敵と思い、動画を何度も視聴しました。

繰り返しますが、「株価?…そんなの誤差ですよ」と株主総会で発言して問題にならないのは孫さんくらいでしょうしね。
(真面目な話、それって凄いことに思えます)

私は自他共に認める「器が水溜まりくらい小さな男」なのですが、もう少し大きな使命を抱いてみようかと。
孫さんの「人類の進化」に対して、私は「『ありがとう』を生み出す」。
・・・小さいことが悪いわけじゃないと思いたいのですが、小さいままではよくないとも思うので、もう一度、考え直すことにしました。


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