四股の効能

四股は相撲において稽古、または所作として行われます。古典的な鍛錬方法として知られておりますが四股の動作は下半身の筋肉を鍛える事に良いと言われております。

しかし私は四股をただ下半身の筋力強化だけと捉えるのはもったいないと思い今回noteに書かせていただきます。

四股の効能、それは

体軸のトレーニングです


体軸とは

四股を行う事によって体軸が鍛えられるという点ですが、まず前提として体軸とは中心軸、右軸、左軸とあります。(この辺りは考え方によっても変わってくると思いますが一旦ここでは3つの軸とします。)

中心軸は頭のてっぺんから足の間を通る一本の軸、体の正中線上でいわゆる一般的な軸です。

対して左右の軸とは股関節上を通る軸になります。

ここで大切な事は中心軸は左右の軸があって生まれるという事です。

右端と左端というものがあってその中間地点、それが真ん中(中心軸)となるからです。

すなわち中心軸を作る為にはその基準となる左右軸がしっかりと形成されなければなりません。

四股と体軸

では四股の動作を考えてみたいと思います。

四股はまず脚を開いて立ち、そこから真っ直ぐ腰を下ろします。(腰割り)

この際、脚を開いている事により両股関節で骨盤をしっかりと挟む事で中心軸が安定します。

そこから片脚を持ち上げて降ろすわけですが脚を上げるという事は必然的に片側の股関節軸で体を支えるわけです。

つまり四股を交互に行うと

中心軸→右軸→中心軸→左軸→中心軸

と繰り返していく事になります。

これにより左右軸、中心軸の3つが作られていきます。



四股と足踏みの違い

だとしたらただの足踏みでも良いんじゃないか?
と思われる方もいるかもしれません。

確かに足踏みも左右軸と中心軸を繰り返しているような動作ですが、やはり四股の方が体軸作りに向いています。

何故なら足踏みでは体軸を捉えにくいからです。

まず中心軸は通常の足幅だと意外に右に寄っていたり左に寄っていたりするものです。皆さんも自然に立っているとどちらかの方に寄って立っている事があるとおもいます。

また四股では脚を下ろした時にまた腰を落とす動作を行う事で再び中心軸を作るのでやはり四股の方が中心軸形成になります。

左右軸に関しても通常の片脚立ちでは股関節上の軸でなく股関節の横の筋肉(中臀筋など)にもたれかかるように行なってしまう(ちょうどトレンデレンブルグ様に)事もあります。

四股では脚を上げる際に脚を引きつける事なく骨盤をコントロールして脚を上げます。

その際に軸脚の股関節を中心として骨盤を持ち上げる事になるので股関節軸(左右軸)をより強調しての片脚立ちになります。

このように四股は体軸のトレーニングとしてとても有効と思います。

体軸がしっかりと形成されれば姿勢も良くなるし
スポーツにおいての安定性にもつながるでしょう

ただスポーツに応用するには少しやり方を工夫するとさらに良いかもしれません。
工夫の方法はまた機会があれば書いていきたいと思います。

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