統合的、包括的に診るということ④どのように診ていくのか
人体を構造・機能・精神に分けて考えるとお話ししていきましたがそれを使ってどのように患者様を見ていくかを話したいと思います。
痛みの結果と原因と要因
今回は痛みを例に挙げたいと思います
私は患者様を見るときに結果と原因と要因に分けて考えるようにしています
例えば腰痛がある方がいらっしゃるとします。
この腰痛の結果、原因、要因を考えます。
例えばこの方の痛みを出している部分が腰椎の椎体関節部に痛みを出しているとします。
これは痛みの結果です。
すなわちどの組織が痛みを出しているかという事です。
この方は腰椎が過前湾しておりそれによって椎体関節部に痛みが出ているとします。
これは痛みの原因です。
この方は過前湾という原因があるから椎体関節の痛みという結果が出ているというわけです。
という事は過前湾が解消されれば痛みがなくなるはずです。
では腰椎を丸めていきましょう。
確かに痛みが消えました、でもまた痛くなってきた、、気づいたらまた腰がそってきてしまう。
痛みの原因がわかったとしてもそれだけでは中々上手くいきません、その原因を作りだす要因があるからです。
そしてこの要因として構造・機能・精神が必要になります。
それは骨格アライメントの不良や椎体周囲の組織の滑走性低下といった構造であったり
コアスタビリティー低下により椎体前方の安定性が低下するという機能であったり
良い姿勢とは腰を反っている姿勢であるという信念があるという精神であったり
はたまた仕事場のデスクや椅子の高さといった環境であったりします。
よってこの痛みの要因に対して構造・機能・精神面で考えてアプローチしていく必要があると考えます。
一度まとめると
主訴:腰痛
↓
結果:椎体関節部の痛み
↓
原因:腰椎過前弯
↓
要因:椎体周囲の滑走性低下(構造)コアスタビリティーの低下(機能)猫背にならないように反っている(精神)
といった形です。
以前に書いたようにこの三要素は完全に独立したものではなくそれぞれに影響を及ぼしています。
ですので上記の腰痛の例における要因は一つだけでなく全て当てはまる事だってあります。
逆を言えば1つアプローチをする、例えば構造的側面であるアライメントを修正する事によって機能的側面であるコアスタビリティーが改善する事もあります。
要因はお互いに影響しているので全てをやらなくても良いのかもしれません。
原因である腰椎過前弯が解消されれば良いわけです。
例えば椎体周囲の滑走性を改善→過前弯が解消→腰痛消失
これで終わればそれで良いと思います。
ですが
椎体周囲の滑走性を改善させたが腰痛過前弯が治らない、そういった時に視点を変えて機能的側面、例えばコアスタビリティーのアプローチをするといった形です。
言うなれば要因とはアプローチ法の選択
原因はアプローチによる効果判定
みたいなものです。
このように結果、原因、要因に分けて考えております。
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