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世界で最も過酷な砂漠250㎞マラソン㉕死ぬうううう!熱射病で死ぬうううう!

あらすじ

世界で最も過酷な砂漠250㎞マラソンに挑戦中のラッキータウン!!

三日目を迎えた現在、なんとケンシロウは熱射病にかかる。

果たしてケンシロウはゴール出来るのだろうか!?

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本編


ヤバイ…

頭が痛い…

耳鳴りもする…

目もかすむ…

とうとう俺はこの砂漠で熱射病にかかった。

こういう時に、いつもならパープルが助けてくれるのだが

あいつはもういない。

ここで終わってしまうのか?

と思った時

チリン、チリン

と鈴の音が聴こえてきた。

幻聴??

と思っていたら

目の前に中村雅人が現れた。

そう、この砂漠250kmマラソンをラッキータウンに勧誘してきた張本人だ!!

ま)遅いよ〜

と言いながら俺の前を歩いて行った…

え?

待って!!

まさとさん!!

俺は熱射病でヤバイっす!!

と心の中でしか叫べなかった。

声すらも出せない状態だったのだ。

すたすた歩いてい行くまさとさん。

ヤバイ…自分でなんとかするしかない…

幸い水はまだあった。

おそらく熱射病の原因は

いつもはレースが始まる直前に水を浴びるのだが

この三日目はしなかった事だ。

そして、大会側から塩タブレットをもらっていて2ℓにつき1粒飲んで下さいという事だった。

俺は残りの水を全身にかけて

塩タブレットを念のために2粒飲んだ。

ゴールまで、後5kmほど

熱射病さえ解決すれば

【間に合う】

俺の身体は熱と共にやる気も吹き出している様だった。

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前を見据えると

まさとさんが立ち止まり振り向いてくれた。

そして

まさとさんは何も言わずにまた歩き出した。

俺の異常に気づきながらも

俺を信じてくれているのだろうか??

しばらく歩き

喉がカラカラで

口の中に一滴もない唾を何度も飲み込み

その度に喉だけが動いた。

また前を見ると

まさとさんは立ち止まり振り向いた。

まさとさん!!

ヤバイっす!!

俺、もうすぐ死にます!!

とまた心の中でしか叫べなかった。

声が…出ない…

とゆうかもう…

ダメや…

それでもまさとさんは

また歩き出した。

限界!!限界!!限界!!限界!!

おま!!え!?

俺!?もう終わり??

俺は初めて

立ち止まった。

目を閉じた瞬間めまいがした。

そして

ま)お〜い!!

という声と共にまさとさんが駆け寄ってきた。

助かっ……た………

まさとさんは笑顔で

ま)ケンシロウ!!写真撮ってよ!!

と言った。

今じゃねえええええええええ!!!!

と思いっきり心の中で叫んだ!!

俺)まさとさん…俺、熱射病です。

ま)え?まじ笑

笑じゃねぇわ!!

半笑いしながら、まさとさんは水と塩飴をくれた。

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(俺が写真を撮らなかったので、自撮りするまさとさん)

残り1km

痛み以外の感覚はなくなったが

歩いた。

そして、ゴール。

俺は泣いた。

そうとう泣いた。

そして、まさとさんは俺の中でヒーローになった。

それは何故かというと

自分で自分を助けさせてくれるヒーローだ。

思い返してみたらこの砂漠マラソン中

絶対にゴールする!

と意気込んでいる時は

俺はチームの誰よりも先頭にいた。

逆にもうダメかもしれない、誰か助けてくれ

と思っている時はチームの誰よりも最後尾だった。

そう、人に頼ろうとしている時点で

砂漠に負けているのだ。

どんな事があっても、自分一人になってもゴールする!!

と思えた人だけがたどり着ける場所がある。

もちろん、まさとさんがそんな意味合いを含めて俺と一緒に歩いていない事は分かってる。

でも、まさとさんのおかげで

俺は自分の力でゴール出来た。

本当にありがとうございます。

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その夜

眠りに着く前

よくよく考えてみると

いや、昨日一昨日調子乗って走ったけん足痛めたんじゃね??

だとしたら俺まっじで馬鹿過ぎる笑

調子の良い時こそ次の事を考えて行動しないとな…

こんな砂漠で、こんな思いをしないと

こんな基本的な事に気づけない…

やっぱり俺は世界一の馬鹿だ。

明日は4日目

距離は68.3km制限時間32時間

人生で一番の絶望を味わう

記念すべき日になった。

より多くの人の話を聞き文章化していきたいと思っております。 取材に際しかかる費用があるので 是非、サポートしていただけると嬉しいです。 絶対に1+1は0にはならないと思っておりますので よろしくお願いします。