見出し画像

世界で最も過酷な砂漠250㎞マラソン㉘まるで地獄まで続く下り坂

あらすじ

世界一過酷な砂漠250kmマラソンに挑戦中のラッキータウン!!

レース四日目をクリアし、ここからはオールナイトで五日目をまたぎながら

残りの30kmを目指す。

果たしてケンシロウは完走する事ができるのだろうか!?

前回の記事はこちら

本編

第四チェックポイントに着き休憩を取る事になった。

ご飯を食べる人、仮眠をとる人さまざまだったが

こういう時にいつもならキャンプ好きのお父さんつよぽんは真っ先に

お湯を沸かしたりするのだが

何も言わずにすぐに寝だした。

そうとう・・・疲れているのだろう・・・

俺は先にご飯を食べたかったが一度に沸かせるお湯の量に限界があるので

先に寝て、みんながご飯を食べ終わった後に食べようと思った。

21時30分、魚さんが起こしてくれた。

そして、

魚)ケンシロウの分のご飯、作っておいたよ

と言って俺が寝る前に自分の横に置いていた

フリーズドライの親子丼にお湯をいれてくれていた。

俺)ありがとうございます。

俺はお礼を言って、親子丼を食べた。

親子丼はまだ完全に出来るまでには時間がかかったようで

お米に芯があってかたかったが

うまかった。

22時、準備は整い出発する事になった。

第五チェックポイントまで0.9km、制限時間は6時45分まで。

時間的には十分すぎる程あるのだがガイドブックを見ると

ただの0.9kmではなくずーと下り坂の0.9kmだった。

膝の痛みは増していくばかりだというのに・・・

俺はチームの誰よりも歩くスピードは遅く

加えて、膝をかばう為に下り坂ではジグザグに歩かなければならない状態になっていた。

しばらく歩いていると

ザー

ザー

ザー

と波の音が聞こえた。

リーダーのマンモスこういちさんが

海だ!!潮の香りもする!!

と叫んだ。

俺にとってはそんな事はどうでもよかった。

なぜなら目の前にはとてつもなく長い下り坂が現れており

ライトで照らしても一番下まで見えなかった。

これは・・・地獄まで続いているんじゃないか??

本当は非現実的な発想だが、その時の精神状態としては

この下には地獄があると思った方が素直に理解できる精神状態だった。

画像1

ずーと

ずーと

ずーと

下って行くと

だんだん、波の音や潮の香りが増していった。

もういいって、もういいって。

こんなに下らせてどうしたいんだよ!!

と思いながらジグザグに坂を下った。

坂が終わると

海と第五チェックポイントがあった。

何時かは確認しなかったが、ペース的に余裕があるようなので

仮眠をする事になった。

この仮眠というものが結構リスクがあり

寝てしまうと体が固まるので膝の痛みが

体がほぐれるまでかなり強くなるようだった。

俺は30分の休憩をとにかく足を揉みながら寝てしまったら寝よう

と思い過ごした。

そんなもんで寝たのか寝てないのかわからないまま

出発する時間になった。

第六チェックポイントまで下り坂の次は上り坂10.6kmが待っていた。

人生、山あり谷ありとは言うけど

砂漠で表現せんでいいわ!!

と思った。

歩いていくと、最初から上り坂があるわけではく緩やかに傾斜になっているような道だった。

リーダーのマンモスこういちさんが俺に駆け寄って来て

マ)ケンシロウ楽しい?

と笑顔で聞いてきたので

俺)つらいですよ!!

と言うと

マ)でもね、口ではそう言っているけどケンシロウの心は楽しんでるよ。

と言われた。

そしてこういちさんは続けて

マ)なんでこんなにつらいのに、進むんだろうね?

と聞いて来たので

俺)わかんないです・・・でも勝手に進むんですよね。

マ)ハッピーだね。

何がハッピーかはわからなかったけど一つ言える事は

今、目の前にとんでもなく高い上り坂が現れており、

今の俺では思考停止してしまうほど長い坂だという事だけだった。


つづきはこちら


より多くの人の話を聞き文章化していきたいと思っております。 取材に際しかかる費用があるので 是非、サポートしていただけると嬉しいです。 絶対に1+1は0にはならないと思っておりますので よろしくお願いします。