死んだ親父があいさつに来んしゃった。
これは僕の父が体験した話なんですが
父は子供の時にお父さん(僕にとってはおじいちゃん)が蒸発して
それ以来会っていないそうです。
僕の顔も知らない、名前も知らないおじいちゃん。
ある日テレビを父と観ていると
別に自分を育ててくれなかった親に会いたくないやろ~
と父は言っていました。
そのテレビの内容は
生き別れた家族を探して依頼者に会わせるという
とても感動的な番組だったんですが
父は感情移入をしなかったようです。
それから時間は流れ
父もしっかり白髪の生えた男前になりました。
そんなある日父がポロっと
そうやな~、自分の親父に会えるんやったら
会ってみたいかもな~
と言いました。
年が経つにつれ、何かが父の中で変わったんだと思いました。
そしてその日から数か月が経ち、
朝起きた父が面白い事を言いました。
なんか、昨日おやじがあいさつに来たごたぁ。
僕はびっくりして
え??俺のじいちゃん??蒸発したっちゃなかったと??
と言いました。
父が言うことには、昨日夢を見たそうで
場所は居酒屋
カウンターしかない狭い空間で
父はポテサラを肴に日本酒をちびちび飲んでいました。
すると、自分より2まわり程年上の男性がやってきて
隣、よかですか?
と言って父の隣の席に座ってきたそうです。
もし、自分の親父が生きていたらこのくらいの歳だろうな~
とか思いながら話していると
ある事に気づきます。
その男性はスーツが上下セットではなかったんです。
僕の父はスーツ屋さんでスーツの事は何でもわかります。
父(この人、普通気づかれんやろうけどスーツ上下違うやん)
そんな事を思いながら
男性と話していると不思議なことが起こります。
なんと、男性が話している内容が
自分には息子がいて
息子が幼い時に家を出て
それ以来会っていない。
もしそのまま成長しているなら
自分と同じくらいの歳だっただろう。
と、まったく自分の生い立ちと一緒だったそうです。
とゆうか、それ俺やろ!!
と思った父でしたが
そこは言わず
男性は
じゃあ、私はこれで
と
帰って行ったそうです。
そんな夢を見て起きた父は
あぁ、あの世に行く前に
最後にあいさつに来んしゃったたいね~
今度親子になったら、一緒に過ごそうね。
ありがとう。
と思ったそうです。
その話を聞いて僕は
おじいちゃん、僕もいるんだよ~!!
と思いました。
めでたし、めでたし笑。
より多くの人の話を聞き文章化していきたいと思っております。 取材に際しかかる費用があるので 是非、サポートしていただけると嬉しいです。 絶対に1+1は0にはならないと思っておりますので よろしくお願いします。