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何気ない一言にJリーグの立ち位置を考えさせられた件

休憩時間の一幕

某月某日、職場で休憩中のことでした。

先輩「ken44君趣味とかは?休みの日何してんの?」
自分「趣味・・・って言っていいのかわからないですけど、僕Jリーグが好きでグランパス応援しにスタジアム行ったりしてます」
先輩「あ、サッカーやってたんだっけ?」
自分「いや、自分で部活とかでやってたことは無いですね」
先輩「やってなかったのに観にいくんだ笑」
自分「そうですね、中学の時たまたま友達に誘われて行って、そのままダラダラ続いてます」

 「そんなこと言ったって、プロ野球応援してる人も半分以上は野球のプレー経験ないと思いますよ」という言葉をなんとか飲み込み、その場は終わりました。
 いや、言いたいことは分かるんですよ。実際その友達が誘ってくれなければ、今こうしてサポーターをやっていたかどうか、正直疑わしいですからね。
 しかし、この会話の「サッカー」を「野球」に置き換えた時、自分がプレーしていたかという質問はあったでしょうか?想像にすぎないですがおそらく無かったでしょう。先輩にとってJリーグは、「自分がサッカーをプレーしていた人間がその延長で観るもの」という認識だったのです。
 ほんの一例を大袈裟に捉えていることを自覚した上であえて言うと、
「Jリーグというコンテンツが、自分達が思っているほど市民権を得ていない」
という残酷な事実を実感した瞬間でした。

勘違いの結果

 さらに大袈裟であると自覚し、話を進めます。
 先日、他所のクラブの話ですが、ちょっとユニフォームを着崩しただけの女性が袋叩きに合うという悲しい事件?が発生しました。「スポンサーの名前が隠れてる」とかもう言いがかりですよね。その人は普段から意識してスポンサーの商品を買ったりしているのでしょうか。
 それはともかく、こういったことの根本には「Jリーグが広く受け入れられた人気コンテンツ」である(そして自分達はその一部である)という、言葉を選ばなければある種の傲慢さがあるように感じます。そうでなければ、少しでも興味を持った人に対して、あえて排他的な態度を取ったりするでしょうか(明らかに敬意を欠いた言動が見られたのであればともかく)。
 さらに言えば、コロナ対策という点でも同じです。(制限つきの声出し応援解禁がガス抜きになった感はあるとはいえ)少なくともTwitter上では観戦時の強い制限・声出し応援への慎重な姿勢が事あるごとに非難されていた印象です。しかし、例えばスタジアムが大規模クラスター化したとして、「まあサッカーなら仕方ないよね」では済まされないわけです。世間の目という意味でも、ただでさえ遠のいている客足をなんとか繋ぎ止めるという意味でも。(実際に、大きな音楽イベント等でコロナ対策の観点から強い批判を浴びているような例がありましたが、初めて名前を聞きました。マイナーなものでも、一度そういった問題が起きればそれなりに話題にはなります。)豊田スタジアムでは、試合前に「あるべき姿を取り戻すには、サッカー観戦が安全なものであると示していくことが必要です。」とアナウンスがありますよね。これが全てだと思います。

おわりに

 ついに30周年、されど30年。歴史を積み重ねてきたプライドと先人たちへの感謝を大切にしつつ、適度な謙虚さと寛容さを忘れずに楽しみたいものです。


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