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ある愛の詩

あらすじ

“愛とは決して後悔しないこと”――この言葉は、多くの人々の心を打つ名コピーとして、そして映画音楽の大家F・レイによる甘美なテーマ曲として、伝説的な存在となっています。
この言葉と音楽が、白血病の女性と彼女を愛する恋人という、切なくも美しいストーリーを彩ります。

裕福な家庭で生まれ育ったハーバード大の学生オリバーは、同じく美しいジェニーと出会い、彼女に惹かれます。
2人はすぐに恋に落ちますが、オリバーの父親はジェニーの出自を見下し、2人の関係に猛反対します。
しかし、それでもオリバーとジェニーは2人だけで結婚式を挙げ、愛を誓います。
しかし、彼らが24歳になる頃、ジェニーが白血病に冒されていることが判明します。
オリバーは高額な治療費に苦しみながらも、ジェニーを助けようと奮闘します。

解説

異なる環境で育った男女の純愛を描いた映画の金字塔、「愛とは決して後悔しないこと」。
エリック・シーガルの同名小説を原作に、「ペーパー・ムーン」のライアン・オニールと「ゲッタウェイ」のアリ・マッグローが主演を務めました。

物語は、名門ハーバード大学に通う御曹司オリバーと、大学の図書館で出会ったイタリア系移民の娘ジェニーの出会いから始まります。
オリバーはジェニーに心を奪われ、2人は恋に落ちます。
身分の違いを気にするジェニーはオリバーから離れようとしますが、彼は彼女を引き留め、結婚を申し込みます。
オリバーの父親の猛反対を押し切り、2人は勘当同然で結婚します。
彼らは貧しいながらも幸せな日々を過ごすことになりますが、運命は彼らに試練を与えます。

フランシス・レイによる美しいテーマ曲は、この映画に深い印象を残します。
1971年の第43回アカデミー賞では、その素晴らしい作曲が賞賛され、作曲賞を受賞しました。

予告編

感想

1970年代、一般的な学生運動が沈静化し始めた時代に、若い男女の感情や恋愛心理を中心に描いた名作。
それが、「ある愛の詩」です。
この作品は、名家の御曹司と家柄の異なる女性との許されぬ結婚という困難さ、そしてそこから生まれる幸せな新婚生活が、突如として難病によって奪われる展開を描いています。

公開当時は、このような古典的でありながらもオーソドックスなストーリーが大ヒットしました。
この映画の魅力の一つは、主演のアリ・マッグローが演じるヒロイン、ジェニファー・カヴァレリの自立した女性像です。
彼女は名門ラドクリフ大学で学び、知的でありながらも人間味あふれる人物です。
彼女の積極性や自己肯定感、そして愛情深さは、映画全体を通して明確に描かれています。
また、彼女がオリバーに対して語る「愛とは、決して後悔しないこと」という言葉は、彼女の寛容さと愛情深さを象徴しています。

フランシス・レイによるテーマ音楽も、この映画の魅力の一部です。
日本語の歌詞に翻訳されて、広く歌われているこの曲は、当時の象徴的な名曲の一つです。
また、映像と音楽が絶妙に調和し、ロマンティックな雰囲気を演出しています。

主演のアリ・マッグローは、前作での活躍からその芯の強さを存分に発揮し、この映画でも見事な演技を見せています。
また、共演者たちも見事な演技を披露し、特にジョン・マーリーの演技は印象的でした。
そして、トミー・リー・ジョーンズが僅かな出演ながらも注目を集めました。

この映画の後半は特に素晴らしく、前半のストーリー展開とは異なる感動を呼び起こします。
ジェニファーが病状の悪化に苦しむ場面は特に心に残ります。
彼女の言葉や行動からは、彼女の内面の葛藤や強さが伝わってきます。
そして、ラストのシーンでは、オリバーがジェニファーの最期を見届ける姿が、この映画の核心を描き出しています。

全体として、この映画は古典的なロマンス映画の要素を持ちながらも、その深い人間ドラマや音楽の魅力によって、観客の心を打ちます。
そのため、今でも多くの人々に愛されています。

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