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版とガラスと心がけ

 私は近ごろ版画とガラス絵の2パターンを作品として世に出しています。版画は凹版画と言いまして、日本では凹版画といえば銅版画と言うのですが、私の凹版はアルミ板や樹脂板、アクリル板を使って創っています。銅版を使っていないのだから凹版画といいます。

私の凹版画のアルミ板

 昔団体展、コンペティションに果敢に挑戦していた頃は応募規定欄の版種の欄に「凹版画」という欄がなく、「銅版画」としか書いていなかったので、「銅版」と同じ技法なのに銅を使っていなかったので「その他」の欄で「凹版画」と書いたものです。団体展やコンペティションを通し年々出していると「銅版画」が「凹版画」に変わったりしてなかなか興味深かったです。

公募団体に出していた蓮根シリーズ

 ガラス絵はここの所、至るところでガラス絵の作品を観れるようになりました。私も2019年初夏。銀座の画廊で行っていたガラス絵のワークショップを受けて近年、ガラス絵だけの個展やグループ展等に出すようになりました。しかし、調べてみると昔からある技法の一種なようで、中世ヨーロッパあたりでは盛んに行っていたらしいのですが、私は詳しくないのでそれは省きます。

2019年初夏のワークショップで創った初ガラス絵

 前記に書きました版画とガラス絵。大凡2つのパターンが前に書いた通りありますが、版を通して行う表現とガラスを使って描く表現。素材や何かが違いますので、一見アプローチなどが違うような気がしますが、意識や試みなど、それほど違うようには私は思っておりません。版画は版画でガラス絵はガラス絵でという技法などを分けるのがどうも苦手というか無意識的に出来ないのでなかなか苦労はしています。はるか昔に戻ると青年が油絵を描きたくて油彩のコースの大学に入ったのに卒業制作の頃は、版画コースの銅版画で卒業制作をクリアしていたという私なので、まぁ昔から分けるのが嫌いではないけれども苦手だったのでしょう。いやはや。

卒業制作で出したドライポイントとコラグラフ、混合技法の銅版画

 そんな不器用さが重なって、段々と私の心と信念が固まっていきました。勿論「仕事の丁寧さ」、一人で行うにしても「阿吽の呼吸のようなしなやかさ」、強烈なインパクトより「凛とした心向き。存在感」などの仕事の当たり前のようなものや、スキルは勿論なのですが、それ以上に私の信念と話してもいいほどのことがあります。それは様々な方の信頼だったり、芸術に対する向き合い方、人間性。勿論画商、様々なキュレーター、仲間、お客様、様々な方々の期待を裏切らないことなどを心がけて目指しています。様々な方が勝手なことを思っていますので合致に至らないケースがありますが、少なくてもこの私の見える範囲では何も起こって欲しくないのがせめての願いです。一種の私の姿勢です。まだまだこれから仕事を多く行っていくのですが、それを心がけ目指していこうかと今一度思いました。

近年のガラス絵と版画

#仕事の心がけ

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