階段

CoC第12回セッションまとめ(終)


*今までの流れ*

CoC第12回セッションまとめ(上)

CoC第12回セッションまとめ(中)

CoC第12回セッションまとめ(下)

ここ

上中下で収まらなかったことは見逃してくれ。

→ → → → → → → → → →

3行で分かる今までのまとめ
・仁刃が行方不明になった!
・見つかったけど化物が憑りついてた!
・化物の願いを叶え、無事仁刃を助けた!

※本来は後日談まで描写が無いが、せっかくなのでまとめ用に追加。


「チイラくん、君はやさしいね」
ぽん、とチイラの頭を叩きながら練知は話しかけた。
「あのね、君はオイラの弟のこと、優しくてみんなに必要とされているから~なんて言ってたけどさ」
チイラはうつむいていた顔を、少し上げた。
「君も十分優しい。君が優しい子が必要とされている、って思うならさ。君の存在を、君が、ちゃんと認めてあげるんだよ」
そこまで言って、練知はにかっと笑った。
「……僕が、僕の……ちょっと、難しいかな」
チイラは少し困った顔をしている。然し、嫌な顔をしているわけではない。「はははー、そうだね。そのうち、でいいさ」
わしゃわしゃとチイラの頭を撫で、能天気に語る。
その能天気さに感化されたのか、チイラからも笑みがこぼれた。

とはいえ、問題が一つだけ残っていた。
チイラという存在が、どこで生活するかだ。
魔法陣は崩れてしまったし、もともと異界の存在である。探索者達には受け入れてもらえたとはいえ、住む場所を確保したわけではないのだ。
「でも、チイラくんってどこに住むことになるのかな」
アイがそれを問題提起する。それを受けた練知は、暫く顔をしかめた。
しかし、それは練知にとってはあまり問題ではなかったようだ。
「あー……叔父ちゃんに聞いてみよ!」
「えぇ!?大丈夫なの?」
アイがオーバーなリアクションを取っているが、練知はあまり気にしていない。それどころか、スマホを取り出し電話をかけ始めた。
「叔父ちゃーん、はろー!……うん、無事なんとかなったよ。今から帰るとこー。……はーい、気を付けるよ。あ!そうそう、チイラのことなんだけど、……あぁ、にーに憑りついてた子。……うん、あの子、この世界に住みたいっていうんだけど、叔父ちゃん家で暮らせそう?……うん、……うん。…………ほんと!?わーい!急なのにごめんね、ありがとう!じゃあちょっと後に、またー」
ピッ、とどこか現実離れした音が鳴る。そのまま顔を上げた練知はあたりに知らせる。
「大丈夫みたい!」
その呆気らかんとした声は、心配するチイラをさらに不安にさせた。
「……ほんとに?いいの?」
チイラの傷は、そんなに早く癒えることがないのだろう。胸に刻まれたトラウマというのは、どれだけ時間が経っても消えないものもある。
「いーのいーの。ちゃんとオイラが聞いたんだから、信じてよね」
けれども、少しずつ、チイラの中で何かが変わっていく。
ぽかぽかと、心が温まっていく。
「そっか、うん……ありがとう」
ここには、どうやら傷を抉る存在はいないようだ。
チイラの傷は、すぐに癒えるだろう。


「でも、よくそんな二返事貰えたね。……あの性格だと二返事で許可だけどさ……」
「まーあの叔父ちゃん色々雑だからなー。仕事中でも平気で釣りに行くらしいし」
「それは仕事中とは言わないですよ」
「でも叔父ちゃん、仕事って言い張るんだよー」
明るい談笑が階段に響く。
綺麗な空と工事中の景色が遠目に見える。
真っ暗な階段はあまりにも現実味がなかったが、外の景色は恐ろしいほどに現実味を帯びている。
戻ってきた、などと思ったことだろう。
「そうだそうだ、チイラくん外歩きずらいと思うんだよね。だからこのパーカー貸すよ」
と、練知がチイラにパーカーを渡す。
「パーカー、とは?」
「服の一種だよ!頭を覆うフードってのがあるから、身体を隠せるよー!」
「へー……便利なんだね」
「チイラくん、この世界のことまったく知らないもんなぁ。色々教えていかないと!」
大変だなぁ、などと練知は続けた。


※以下、各々の後日談。


(GM)「はい!どうもお疲れさまでした。ではセッションの後日談に入ります。まず、アイくんと練知はSNSで知り合ってるけど、メアド交換かLINEで繋がったりはしてそうじゃない?どう?」
(ちゅ)「LINEやってそう」
(GM)「現代っ子じゃん。あとは時系列を合わせたいので一応聞いておくけど、各々何かアクションする人いない?」
(ちゅ)「特にないかなー」
(テラ)「ないかなー」
(GM)「じゃあ3日後ぐらいに練知からアイくんへメッセージが届くよ」

練知より
先日はどうもありがとう!
おかげさまでにーは見つかったし、新しい友達が増えたし。
いいことずくめだよ!アイくんと剣太さんのおかげだよ。
剣太さんにもよろしく言っといてね!

チイラは恐ろしい能力を持ってたけど
もといた世界とのつながりがなくなったからか、うまく使えないって言ってたよ。
ばんじかいけつ!
あっあと叔父から写真が届いたからアイくんにも送るね。
また遊んでねー!

(GM)「写真には、ゲームをしつつ気だるげにピースをする仁刃と、海人に弄られ涙目になってるチイラが写っていました。どうやら、チイラは憑依の力が薄れ、うまく使えなくなってるみたいです。剣太くんには……もとより練知と関係があるわけではなかったので、何も起こりません!GMが用意するイベントは以上です」
(ちゅ)「アイくんは、楽しそうでなによりとメッセージを返し、剣太お兄ちゃんにも画像を送ります」
(テラ)「海人 :憑依できるってマジ……?
    チイラ:まあできる」
    海人 :ちょっとやってみてよ
    チイラ:ええ……(ドン引き)
   みたいな会話してそう」
(GM)「やってる(確信)
   海人 :腕のこの部分どうなってんの?
   チイラ:あっちょっと勝手に触らないでよ!
   海人 :うっわ見えないけどなんかあるのが分かるこわいでも面白い
   チイラ:やめてっていってるのにー!!仁刃たすけてー!!
   みたいな会話を写真のときしてますね……」
(ちゅ)「なんだこのかわいい空間」
(GM)「他に何もなければ、正気度回復に移行するよ」
(テラ)「じゃあリアクションとりまーす」
(GM)「はーい」

失踪事件の解決から数日。
ぼくは恐怖に震える……こともなく、日常を過ごしていた。

なんで怯えずに済んでいるんだろう。
……あまりに現実味がなかったから?
……結局、危害を加えられなかったから?

考えて考えて、ひとつわかったことがある。
きっと、『ぼくは必死だった』。

こんな奴に捕まってたまるか。
チイラくんもアイくんも守ってみせる。
……そんな気持ちでいっぱいだった。
恐怖なんか入る余地もない。

切迫した状況下での、咄嗟の判断の連続。
あの日あの場所でぼくは、恐れではなく生存本能に忠実だった。

「なら、あれはなんだったんだ」

――金切り声を上げるアイくんの手を取り。共に逃げた。

「……ぼくは、嫌だったんじゃないのか。誰かに近付くのも、近付かれるのも」

それでもぼくは、あの子の手を引いた。
……純然たる事実。
ずっと避けてきた、他者との肉体的接触の現実化。

「……手の感触……」

怪物なんかより、そっちが忘れられなかった。
爬虫類の柔肌の触感。

「……」

信号が青に変わった。
物思いはここまでにして、もう進まなければ――

(テラ)「メンタルが揺らいだので、アイくんが送ってくれた画像に『いいね!』スタンプだけ送って後日談を終えるよ」
(GM)「尊い(語彙力不足)」
(ちゅ)「つよい(語彙力不足)」
(テラ)「じゃあ正気度回復しようね」
(GM)「はーい。では、今回セッションを終えた二人の正気度は、

アイ 45
剣太 71

 となります。あなた達二人は、練知の頼みである弟の発見と救出を見事達成した。そのうえで、チイラという孤独な化物の理解者であることを証明し、彼に居場所を与えた。よって、1D4と1D8の正気度を得る権利を与えます。チイラの居場所をくれて、ありがとうね」
(ちゅ)「わーいわーい!」
(テラ)「振ってよい?」
(GM)「どうぞー」

剣太:正気度回復(1D4+1D8)
⚀ ⚁ ⚂ ⚃ ⚄ ⚅  3+7=10 ⚀ ⚁ ⚂ ⚃ ⚄ ⚅
アイ:正気度回復(1D4+1D8)
⚀ ⚁ ⚂ ⚃ ⚄ ⚅  4+8=12 ⚀ ⚁ ⚂ ⚃ ⚄ ⚅

(テラ)「わるくない」
(ちゅ)「や っ た ぜ」
(GM)「成し遂げたぜ」
(ちゅ)「お ま た せ」
(GM)「でもどうせ次のセッションで発狂するんでしょう?」
(テラ)「アイくんとかいう実質毎回発狂しているマン」
(ちゅ)「こいつの探索者いつも行動不能になってんな」
(GM)「ではでは、長い時間お疲れ様でした。これにて閉幕です」
(テラ)「おつかれさまでした!」
(ちゅ)「おつかれさまでした!」
(GM)「どうもありがとうございました-!」



Call of Cthulhu 「異世界仲合」 

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