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猟犬と猟師のはなし 〜 第1集

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猟犬・猪犬や猟師の世界に興味がある方におすすめ! 狩猟専門誌『けもの道』2016特別号・2017春・秋の3号に掲載された、猟犬・猟師にまつわるコラムや狩猟、競技会レポートなど計2…
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2024年4月の記事一覧

【猪犬トリビュート】名著『紀州名犬語り草』で称賛される紀州三名犬

紀州3名犬とは?昔も現代も、イノシシ猟師にとって、猪犬は最も大切なパートナーであることに変わりなく、明治維新後社会が急速に欧米化する中でもイノシシ猟犬は、昭和の30年代ごろまで日本犬(和犬)が主体であった。但し、市街地の日本在来犬は西洋犬との雑化が急速に進み、大正末期には純粋の日本犬は山間僻地の狩猟犬として残るのみとなっていた。 一方、各方面で起こったナショナリズム(国粋主義)は日本固有の自然・生物にも波及し、日本在来犬にも保存の機運が高まった昭和の初め、各地の地犬が「日

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【当世猪犬見聞録】紀州系猪犬に情熱を持った狩猟師

大山良人(仮名) 〜 紀州系猪犬に情熱を持った狩猟師猪猟を全国的に見ても九州は別格であろう。 昔から九州全域で猪が多く生息していたこともあり、古くから猪猟が盛んであったが、特に九州山地の辺境では猪猟を生業とする猟師も多く、それに伴う儀式・祭礼も文化として現代まで伝承された地域もあり(宮崎県椎葉村など)、当然古くから優秀な猪犬(和犬)が存在したことが考えられる。 しかし現在、九州が原産の和犬(純度が高い日本犬)は存在しない。 全国的には古くから大物猟が盛んな地方にはロー

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狩猟の原点 我、犬に会い、ケモノに会う。 〜 なぜヒトは大物猟を目指すのか?

文羽田 健志 はじめに まずは『けもの道』復刊おめでとうございます。 私が狩猟を始めて間もない頃、毎月、狩猟に関する雑誌が家に届くことが楽しみの一つでした。そこには狩猟者の主観たっぷり、思うがままの文章が掲載してあり、ときには無茶苦茶と思われるようなことも書かれていましたが、ゆえにそれがとても面白く、また、勉強になりました。 文章というものは、読む側の受け取り方次第でどのようにでもなるものだと思っています。毒にも薬にもなり、また発する側が毒を発していても薬になることも

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狩猟における止め場の対処 〜 咬み止め編

この号が発刊される頃は、春爛漫の日々の中、過ぎ去った猟期を振り返りつつ、次の猟期へ向け犬の仕込みや犬づくりに余念がない方々が多いことだと思います。 また、各地で猪犬競技会や訓練会がたけなわである時期でもあります。そして、猟期が終わったのも束の間、有害捕獲や管理捕獲などで相変わらず山入りの日々を続けている方もいることでしょう。 ここ最近、狩猟というものが少しだけ脚光を浴びるようになり、狩猟免許を取得する若者が微増し、その中にはすぐに「プロハンター」を名乗る人、自らのことを憚

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【熟練猟師の初報告】注意すべき水槽・注目すべきアマス

猟場での犬の “水難事故”『けもの道』が休刊となり、狩猟の情報が目に入らなくなって3ヶ月も過ぎようとしていた今年の有害捕獲。何十年という狩猟経験の中で、初めてのことが起こり、報告させていただきます。 『けもの道』の愛読者であった方の中には、すでに経験済みで「今頃?」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、愛犬の事故を1件でも無くすために。 文・写真久住英樹 不幸な水槽事故 農家の高齢化に伴い全国規模で耕作放棄地が増えている。私が猟場としている藤枝(静岡県)でも年々増

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猪犬特訓の世界 〜 第七回 那須塩原猪犬競技会

開催日平成29(2017)年4月9日 開催場所|那須塩原猪犬訓練所(所長:小林達也) 審査員|羽田健志・望月金久・三村文昭 審査講評|羽田健志 写真|佐茂規彦・及川忠宏 成犬の部前回(第六回全国猪猟犬栃木大会)に引き続き、今回も出犬頭数最多の成犬部門。入賞した上位3頭は、予選、決勝ともに安定した立ち回りを見せてくれました。特に優勝した鈴木氏の「ハナ」号と準優勝の佐藤氏の「カイ」号については非常に僅差で、まさに甲乙つけがたい審査となりました。 犬の猟芸は、血によるもの、い

軽井沢でクマとの共存を支えるヒトとイヌ 〜 本州ツキノワグマ対策最前線

日本有数の別荘地、長野県軽井沢町。日中、人々は都会の喧騒を忘れて豊かな自然に触れ合い、夜には涼しげな虫の鳴き声に包まれて深い眠りにつく。そしてその頃、ピッキオのメンバーと優秀なベアドッグによるクマの追払い活動が静かに始まる。 文・写真|佐茂規彦 ピッキオが取り組むツキノワグマ保護管理事業ピッキオ(picchio=イタリア語でキツツキの意味)は、軽井沢を拠点に野生動植物の調査研究および保全活動を行うとともに、自然の不思議を解き明かすエコツアーや環境教育を行っているエコツーリ

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【第2回】俺たちの狩猟塾 実践!見切り猟 〜 積雪は猪狩りの強〜い味方!

真冬の狩猟塾今回の狩猟塾は、積雪厳しい真冬に敢行。 雪や雨が降っている間、猪はどこか安全な場所で空腹に耐えながら天候の回復をじっと待っており、それらが止んだとき、エサを求めて一斉に動き出すと言われている。 そのときに出来る真新しい痕を探すことが見切り猟のセオリーである。だがしかし、雪が止んだとはいえ厳冬期の積雪地帯は、ヒト(=少なくとも私自身)が歩くには厳しい環境だ。残り少ない猟期……。悪天候……。私が取材日の調整に頭を悩ませていたとき、天気予報を注視していた塾長(塾)か

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[第1話]職業? 猟師です。 - 原案・ちえぞう|協力・吉井あゆみ|作画・里見紀

原案|ちえぞう 協力|吉井あゆみ 作画|里見紀 (了) 狩猟専門誌『けもの道 2016特別号』では本作を含む、狩猟関連情報をお読みいただけます。note版には未掲載の記事もありますので、ご興味のある方はぜひチェックしていただければと思います。