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#無心タイム②/2月13日


全てが揃っている刺し子キットを買い、ポケットティッシュケースに雪の結晶をチクチク縫い始めた。もう立春は近いけど。なんかもう雪降らなそうだけど。まあいいや。

前回の無心タイムはこちら。

布は、縦と横が折り重ねっているのがよくわかる素材で(なんと呼ぶのだろうか)、その折り重なった素材の間にわずかな隙間ができる。まるで数学のグラフの、交点みたいな感じ。その交点に針を刺し、表へ裏へ、模様を作っていく。

模様を作るときも、やけに数学のことが頭から離れない。ああ、この模様は「傾き2」の一次関数みたいな直線を作るのね、といった風である。ちなみに数学は嫌いじゃないけど苦手だった。私は彼を愛そうとしたのよ、でも彼は私を愛してくれなかったの。未練タラタラである。

そんなことはさておき。雪の結晶のベースになる模様を何個も縫っていく。チクチク。たまに、ありゃ間違えた、と、来た道を立ち止まって、少し戻って、また進む。同じ模様を順々に縫っていく作業は、ほぼ思考停止で、無心になれる。最高。だけど手元は進むから、何も考えていなくても、何かを、目に見えて生産できている。この達成感よ。
何もしないことができない私にとって、思考は止まっているけど手元で何かを生産していて、目に見えた成果物がある、という状態が、実は求めていた「理想の癒し」だった、ということに気づいた。これは快感。いいぞ、無心タイム。

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その快感を一度味わってしまったら、しめたもの。どんどん手を進めたくなる。
もしかしたら作業量的には、一気に作ってしまおうと思えば出来てしまうかもしれないけど、明日の私にも、来週末の私にも、この快感を味わって欲しくて、ちびちびと、少しずつ。夜が深まる前に、今日はここまで。
家に大袋のお菓子を置いておくと食べてしまう、あの時の葛藤と似ているかもしれない。

白い糸での刺繍が終わり、次は装飾用のきらきらシルバー糸。刺繍が、平面から立体へ、ホンモノ感を増してくる。

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本当は平日もやりたいが、どうしてもバタバタして、やっぱり休日の夜のお楽しみに。週末3回くらいを経て、ようやく完成したのがこちら。自分で作るって楽しい、というシンプルな感想。でも、本当にその通りだった。(キットの説明の言われるがまま、ではあるけれど)

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年中鼻垂らしなので、ちゃんと実用する。
ポケットティッシュケースなんて、使ったのはいつぶりだろう。幼稚園の時以来…?な気もする。不思議なもので、ポケットティッシュもプラパッケージそのままでカバンに放り込むより、このケースをかけてカバンに入れているだけで、カバンの中がすごく「ちゃんとしてる人」感に溢れる。装いって大事なんだな。

実際に手を動かして作ってみることは、いろいろな発見がある。なんなら、作る前から、発見だらけだった。普段立ち寄らない手芸店に足を踏み入れると、これまで知らなかった世界のものがたくさん置いてある。懐かしいものもある。手芸が得意なあの方は、こういうものを見てらっしゃるのかしら、と想像も膨らむ。
そしてもちろん、作っている最中の楽しさ。ひとつひとつを地道に積み上げること、納得のいかないままで進めないこと、だけど「まあいいや」心持ちを忘れないこと、心が落ち着いていることを実感できること。
出来上がったものを眺めて、納得感に浸ること。もともと裁縫は全然得意ではなかったけど、やればできるじゃん〜と自分を褒めたくなる感覚。(とっかかりのハードルを下げる、ということも大切。)


月並みな感想だけど、いくつになっても、小さなトライは大切にしていこうと思った。新しい世界と、ちゃんと出会えるから。

ということで、次は春に向けて「黄色い小花のフレーム」に挑戦する予定です。
次のは刺繍枠があったほうがいいみたいで、店員さんオススメの「檜製」のやつを買ってみた。形から入る。

いただいたサポートで、新しい筆か、紙を買いにいきます。 あなたに新しい表現を還元いたします(^^)