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SEXに関する嫌な思い出

悪夢の寮生

僕は高校の時、寮生だった。
1年生の頃は5人部屋、2年生で4人部屋、3年生で3人部屋。
僕らの後は寮生がいなかった。
寮生は女子用の風呂場の掃除をしなければならず、下が入ってこないから3年間、自分たちで掃除した。
(掃除ついでにタバコを吸っていた。笑)
入学した時、女子は15人。
1年で3人退学したので卒業したのは12人。
卒業してからは誰とも会っていない。
みんな嫌いだからだ。

12人中、僕ともう1人以外はガンガンSEXしまくっていた。
なにしろ男子校の一角に女子がいるような学校だったので、男はよりどりみどり。
最悪な状況だった。
男子寮へ行く者はまだしも、女子寮に連れ込む奴がいたのだ。
僕と同部屋の奴が皆、連れ込むタイプで本当に最悪だった。

僕が寮監に見つからないように勉強していると、女子寮は1階だったので夜中に奴がベランダを越えて来る。
僕が勉強を終えて、二段ベッドの上で寝ると喘ぎ声が聞こえてくる。
僕はSEXしている奴らに睡眠を邪魔されてから不眠症になった。
ちなみに今でも不眠症だ。

疑似恋愛

僕も一応、それなりにモテた。
でも、誰とも付き合わなかった。
恋愛に全く興味がないからだ。
他の寮生に「Xがkemoのこと好きだって言うから、付き合ってあげて」
と言われたり、複数人に告白をされたりしたことがあったけど、全部断った。
「恋愛に興味がない」とは言えなかったので、「勉強に集中したいから」と言う言い訳で乗り切った。
しかし、2年生の時、僕がちょっとだけ興味を持った男の子がいた。
その子と仲良くなっていくうちにその子がゲイだと知った。
ゲイと無性愛者。
いいコンビだった。
僕は1人部屋にいる彼のところへ夜中に通い、一緒に勉強をしたり、コーヒーを飲みながら音楽を小さな音で一緒に聴いたりする疑似恋愛をして遊んだ。
ベッドに座り小さな声で喋ったりしていたけど、僕と彼とは何もない。
朝になったら彼の部屋を後にし、自室に帰る。
あの悍ましい喘ぎ声とはおさらばした。

手も握らない、キスやハグもしない。
何もしない。
R.E.M.やスザンヌ・ベガを聴いてゆったりした時間を過ごした。
それだけで十分楽しかったのだ。

僕はSEXが嫌い

僕は芯が男なので男に抱かれるのは好きじゃない。
でも事実婚と結婚をしている。
事実婚の時も今の結婚生活でも基本マグロ。
嫌悪感があるけど、抱きたいと思うなら抱けばいい。僕は何もしないし、自分から求めることもない。
されて気持ちのいいことなんか一つもないから、マグロ。
したいと言うから身体を貸してやっているんだ。
終わればシャワーを浴びに行き、念入りに身体を洗う。
気持ち悪くてダメだ。
しかし、ミスって子供ができた。
これは前述したとおりだ。

SEXが嫌いなわけはもう一つある。
僕が5歳くらいの時、夜中に両親がSEXしてるところを目撃したことがあった。
それが何をしているかはわからなかったけど、後になってから悍ましい光景だったことに気づいた。
キモチワルイ。
子供の前でSEXしていたくせに、母は映画やドラマでベッドシーンがあると僕の頭を胸に抱き、見えないようにし、耳を塞いだ。
昔はベッドシーンのある映画やドラマが普通に地上波で流れていたのだ。
僕は興味がないので何も感じないが母はそのことに敏感だった。

やおいと出会う

9歳の時に『アニメディア』と言うアニメ雑誌を買ってもらったことで、アニメオタクになり、12歳頃から同人誌というものに触れるようになった。
僕が興味を持った同人誌は男性キャラと男性キャラが恋愛関係になり、肉体関係を持つことを女性が描いた二次創作で、いわゆる「やおい」(ヤマなし、オチなし・イミなしの頭文字を取ったもの。)マンガや小説だ。
僕が好きだった橋本治氏の著作にも影響を受けていたので、割とすんなりやおいにハマった。
男同士の恋愛モノに男がハマるのは今では珍しくない。彼らは腐男子と呼ばれている。
僕はその先駆けだ(笑)。
外見が女なので即売会でも普通に購入できた。
当時はまだやおいに18禁の縛りがなかったので小学生でも買えた。
薄い本を買ってきては読み耽った。
キャプテン翼や聖闘士星矢、サムライトルーパーなどの二次創作を買い漁った。
コミケというオタクの一大イベントが晴海で開催されていた時のことだ。
僕は美麗な男性同士のSEXには嫌悪感を抱かなかった。
それは今でも変わらない。
タイミングが合えば即売会にも行くし、購入もする。
僕自身がやおい本を出したりもしている。
僕はマグロで得た生々しいSEXを投影してしまうので、ファンタジーにはならない。
女性は生々しさは必要なく、嫌厭されてしまう。
男が考える、男同士のSEXは女性にはウケないのだ。
僕にはファンタジーは書けない。

僕が憧れる男性

僕は舘ひろしさんとドン・ジョンソンが子供の頃から好きで、「あんな男になりたい!」と思った。
ノーマルな人の憧れは抱かれてみたいとか、付き合いたいとかそう言った感情を持つんだろうけど、僕は舘ひろしさんやドン・ジョンソンになりたかった。
憧れの意味がちょっと違っていた。
舘さんに憧れてバイクの限定解除の免許を取り、『西部警察』で舘さんが乗っていた黒い刀に乗り、”WILD HEART”のライダースを着て成り切った。
本物の舘さんを2回見ることができ、そのうちの1回は握手をしてもらえた。
大きくて冷たい手だった。
感無量である!

僕はテレビで見るドラマの中の舘さんやドン・ジョンソンのように上手く女性をエスコートできる自信がある。
ダンディな方に憧れていたら自然とできるようになった(笑)。

僕は冷たい人間だと思われても致し方ないと思っている。
SEXは嫌いだし、恋愛感情もない。
共感できる人はあまりいないだろうから、理解もされない。
それでもいい。
僕は僕らしく生きて行きたい。

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