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中国 2021年3・15晩会!

中国で働いている方であればご存知であろう3・15晩会。
これは中華人民共和国の中国中央電視台が、世界消費者権利デーである毎年3月15日に放送している生放送テレビ番組である。消費者の権利を侵害しているような事例や企業へ記者が突撃する、というような構成になっている。
調べてみると1991年に第1回が放送され、過去にはアップル、フォルクスワーゲン、ナイキ、マクドナルド等、世界的な企業まで容赦無くターゲットとなっており、ここで取り上げられると大きなイメージダウンが避けられない。中国企業はもちろんのこと、外資系企業もこの3・15晩会に戦々恐々としている。もちろん過去には無印良品やカルビー等の日本企業もターゲットとなったことがある。
しかしこの中には完全な根拠なくターゲットにされてしまい番組放送直後に批判された側の企業からの声明が出て実際には勘違いや、正確では無い情報が放送されてしまっていた、ということもあり若干お騒がせ番組的な印象もある。。。しかし取り上げられてしまった企業は死活問題なのでやはり3・15晩会は怖い存在なのである。筆者の知り合いである金融関係で働いている中国人がいる。彼から聞いた話だと番組放送が近くなると消費者からの通報やクレーム等を防ぐ為に「いつもより丁寧に返済をお願いしなさい」というような指導が上司からくるそうだ。内容の精度はさておいても、それぐらいに注目が集まる番組なのである。

2021年「3・15晩会」の放送内容では日産自動車が海外で展開する高級車ブランド「インフィニティ」が取り上げられていた。内容としては車両不具合に関して顧客へ口止めしようとした、という内容である。他にはある店舗で使用されている監視カメラには密かに顔認識機能が搭載されておりデータ収集されている、とか・・・やっぱりそうだったか・・・という様な内容もチラホラw

まあ毎年似たような内容である。個人的には「3・15晩会」で取り上げられる内容は間に受けているわけでは無いので「そうか、そういうこともあるのか・・・」くらいで見ている。
あと毎年思うが「3・15晩会」までの期間である程度の期間裏どりもしているということはもっと早く不正が判明していたことも中にはあるはずだ。また番組構成上、実際には裏で更に多くのネタを確保しているであろう。放送されていない分はしっかりと指導されたのか。。。番組放送まで泳がせないでもっと早く指導/改善をしたほうが・・・(番組は録画にするとか?)とも思う。ライブ感はそこまで大事ではなく、あくまでも消費者の権利を尊重するということを起源とした記念日なのだから「3・15でついに摘発!」ではなく常日頃からこの様にしっかりと監視/改善をして欲しいと感じるのは筆者だけではないはずだ。

緊迫したライブ感が無いと番組が面白くなくなると思っている方もいるだろう。しかし冒頭でも言った通り企業側からすれば死活問題なのである。番組が視聴者の興味関心を集める為だけに特定の有名企業の粗探しをしたり、またライブ感を求めるあまり根拠の乏しい内容を放送してしまったりでは番組の意義はもはや失われてしまう。
悪い方向に盛り上がらず、消費者の権利を守る為の「3・15晩会」となってほしいと思う。

ライター:Taro Nozawa
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