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アメーバ経営を取り入れられながら、社員の自主性に問題・課題があるなら、一度立ち止まって考えるべきかもしれません

稲盛和夫さんが始められた「アメーバ経営」を取り入れられている企業様は結構いらっしゃいます。中には、本場の京セラさんのご指導を受けられてアメーバ経営を取り入れられている企業様も沢山います。
 
アメーバ経営とは、組織を細分化した上で、その組織ごとの採算を明確にすることで、各組織の生産性向上に取り組み、収益性向上に繋げる取組みのことです。
 
稲盛和夫さんの著書を読んでいると、京セラを創業された当時、経理の方に会社の数字を聞いてもよく分からない中、要は売上を上げて、コストを下げていけばよいのだろう、と考えられたのがアメーバ経営を志向された発端だと書かれています。
 
その後、京セラが大きくなってもアメーバ経営を徹底されたことで京セラを高収益企業とされた他、日本航空でもアメーバ経営を取り入れて、日本航空の復活に繋がったとされています。
 
さて、アメーバ経営を取り入れられている企業様が結構いらっしゃる、ということを冒頭に書きましたが、そうした企業様では小集団の組織毎に採算を明確化され、改善に向けた計画等も策定されたりはしています。小集団別採算を策定するのは、限られた経営管理資源の中で、結構負荷も大きいと思います。
 
しかし、アメーバ経営を入れられながらも、経営者や経営幹部の方に現状の経営課題を聞くと、「社員が主体的になって考え、動いていない」ということをお話しになることがあります。
 
これは私の考えですが、アメーバ経営を導入されながら、社員の主体性に本当に問題・課題があるとするなら、それはアメーバ経営が期待していた大きな目的の一つが実現していないと言わざるえません。
 
なぜなら、稲盛和夫さんの本を読むと、経営において情熱とか、闘争心とかいうものを非常に大事にされています。そして、アメーバ経営は、情熱や闘争心を育む仕掛けの一つではないかと思うのです。
 
できるだけ多くの社員の方が、「少しでも利益を出す為に、売上を更に上げる為にお客様に喜ばれる取組みをしたい、またコストを下げる為に工夫をしたい」と情熱をもてるようにする為に、小集団の組織を沢山つくり、その採算を可視化し、改善の取組みをするようにしているのです。
 
それが、小集団の組織をつくり、採算を可視化しながらも、社員が主体的に考えない、動かないとするなら、残念ながらアメーバ経営により情熱や闘争心を育むことができていないと言わざるえません。
 
その原因は様々だと思います。一つ考えらえるのは、売上やコスト、利益は結果であって、そこに至る為のお客様に喜ばれる取組み、工夫等に対して、社員の方々が働きがいを感じられていないことです。
アメーバ経営を取り入れられながらも、社員の自主性に問題・課題があるとされる場合、少し数値にフォーカスが当たり過ぎているような感じも受けます。
 
いずれにしても、アメーバ経営を取り入れられながらも、社員の自主性に問題・課題があるとするならば、一度立ち止まってその原因を突き詰め、対応を考えられることをおすすめします。

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