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変わるもの以上に、何が変わらず続いていくのかが大事

経営戦略を立案する過程において、今後大きく変化することに、時に機会と捉えたり、脅威と感じたりしがちなものです。
 
しかし、年末年始にビジネス関連の本や雑誌を読む中で、奇しくも2人の著名経営者が「変わらないこと」を大事にして経営戦略を立案することを薦めていました。
 
一人はジョフ・ベゾフ氏。言わずと知れたアマゾン・ドット・コムの創業者です。
彼は「変わらないものを軸に戦略を立てろ」と言っています。具体的には、お客様が変わらず求め続けるものを、「選択肢はより多く、価格はより安く、配達はより迅速で確実に」と定義し、それを元に全ての戦略を立てたとしています。
 
実際、アマゾンはこのお客様が変わらず求め続けるものに焦点をあてて投資をし続け、今ではグローバルなEC市場で確たる地位を築いています。
 
もう一人は日本の神戸物産の創業者であられる沼田昭二さんです。現在拡大を続けている「業務スーパー」を日本中に広げた方です。
 
この方は、「強固なシステムとなる事業をつくるには、「自分自身が生きている間は、この問題は続くだろう」という長期的でありながらも単純な社会問題の解決に、じっくり向き合った方がよいでしょう」と言われています(日経トップリーダー2023年1月号)。
 
沼田さんは、業務スーパーにおいては、「少子高齢化、核家族化」が長期的に問題であり続けることを見据え、冷凍食品を主力商品の一つとした業務スーパーを始めたとされています。その後、「少子高齢化、核家族化」を踏まえた商品・サービスを提供することにより、業務スーパーの拡大を図られてきました。
 
この御二人の言われていることを読んだ時、ふと思い当たることがありました。私は仕事柄、各媒体で報道される倒産報道や詳細な事例紹介を読むことが多いのですが、
 
言われてみると、倒産する会社というのは、一時的なブームに乗って売上を急拡大し、そのブームが去るとともに急速に衰退していった企業が少なくないように感じます。ある意味、典型的な倒産事例のパターンとさえ言えます。
 
そうしたことも踏まえて考えると、企業が長期的に成長、発展してく為には、「変わらないものは何なのか」、「自分自身が、またその後も続いてく問題は何なのか」を本質的に、深く考えることが大事だと改めて感じます。

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