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物価上昇、価格転嫁の中で考えないといけないこと

今年の大きな話題の一つに、物価上昇、価格転嫁ということがあったと思います。そして、この問題はまだまだ続きそうです。
 
円安、原材料高に加え、エネルギーの高騰等もコストアップとなり、企業としては値上げしないと収益を確保できない状況が続いています。一方で、中堅・中小企業をはじめ、価格アップが販売量の減少につながることを恐れ、なかなか価格転嫁に踏み切れない企業様も沢山いらっしゃいます。
 
価格とはどのような要素で決まるのでしょうか。私はお客様に価格は以下の要素を踏まえて決定されるというお話しをさせて頂きます。
①   自社の視点-コストの積上げ+マージン
②   競合の視点-競合が展開している価格帯
③   お客さまの視点-お客様がその商品・サービスに認める価値

 
今は、①のコストが上昇している局面なので、価格を上げる方向にいきます。そうでないと利益を上げることができません。また、②の競合も平時よりは価格を上げている状況なので、上げやすい環境ではあると思います。
 
③はどうでしょうか。デフレ時代が長かった為か、小売業等の現場では、どうしても「安くしないとお客様が価値を認めてくれない」という空気がまだまだ強いと思います。
 
しかし、「安い」だけを価値にしてしまうと、①のコストが上がる中では、収益は低下し、場合によっては事業の継続すらも危うくしています。
 
コストアップにより価格が上がる中においては、③のお客様が商品・サービスに認める価値を「安さ」に求めるのではなく、商品・サービスの品質に磨きをかけ、その高品質をご説明することにより、「商品・サービスそのものの価値」に求めていくことが大事だと考えます。
 
約30年間、日本は長期に渡るデフレの中で、「安さ」がお客様が求める価値という環境の中にいたので、なかなかこの転換は苦しいものがあると思います。
 
しかしながら、改めて「商品・サービスそのものの価値」を見つめ直し、磨くということは、商品・サービスを作り、売る人達の誇りを取り戻すことになるのではないでしょうか。

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