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2022年度中小企業白書

先週末、中小企業庁が発行している2022年度の中小企業白書を通読しました。
色々と参考になることも多かったのですが、この1週間の中でお客様にもご紹介した部分を2つご紹介したいと思います。
 
・KPIによる経営管理
経営の結果である財務指標だけでなく、業務プロセス上の取組み成果指標であるKPIの設定や運営状況、またその効果をまとめたものです。
 
白書によると、KPIを設定している企業は36.7%と約3分の1としています。このKPI設定企業の中でも、KPIを認識し、意識している経営幹部・従業員の範囲にはバラツキがあるのですが、面白いことに多くの経営幹部・従業員の方々が認識・意識しているほど、労働生産性が高い結果となっています。
 
私もKPIの設定・運用のご支援をさせて頂くのですが、KPIは設定よりもその後の運用が非常に大事です。具体的に言うと、期初に設定していた目標値に対して、実際の実績値がギャップがあった時に、「なぜそれだけのギャップがあったのか」を検証、分析し、改善に向けたアクションが大事なのです。
 
上記の運用の流れを作っていく為には、KPIは経営幹部だけが知っているだけでは意味がなく、実際にアクションに取り組む現場の人たちが、「元々の目標に対してこれだけのギャップがあるから、その原因を踏まえてアクションを起こしていこう」ということにならないと、労働生産性等の改善に繋がらないのだと思います。
 
・ブランド構築の取組みと取引価格への寄与
ブランド構築も具体論になると幅広いのですが、大枠としてブランドコンセプトを明確にし、ブランドメッセージを発信する為の種々の取組みを行っている企業は、取引価格を適切なものにすることに寄与していると回答しています。
 
企業としては、自分達の企業の信頼性や、商品・サービスの高品質等でお客様に貢献できると思っていても、それが伝わっていなければお客様も認識することができません。そうすると、他の商品・サービスとの違いが見えにくくなり、結果価格勝負ということになりかねません。
 
「なぜお客様は自分達の商品・サービスの価値が分かってくれないのだろう」と独りよがりになるのではなく、実態と離れてはいけませんが、その価値をお客様や社会に伝えていく努力がビジネス上も必要だと改めて感じます。
 
上記2つ以外にも白書には中小企業の経営上も参考となることが沢山書かれています。
HPにも公開されていますので、何か経営上の課題、悩みがありましたら確認してみるとよいかもしれません。

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