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読書からの学び

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ビジネス書、歴史書、哲学書を中心に年間120冊程度の本を読んでいます。その中から、これからのビジネス、人生の中で学びになると思ったことをご紹介していきます。
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#リーダー

リーダーシップの強さと企業の盛衰

先週、「伊藤忠 財閥系を超えた最強商人」(ダイヤモンド社)を読んでみました。最近、江戸時代からの商人や明治以降の企業の歴史にも興味をもっており、そうした観点からも読み進めてみました。   本書は伊藤忠さんの繊維の専門商社から総合商社に発展した歴史、そして現在、未来に向けた事業開発について多角的に描いていて、どの章も大変興味深かったのですが、全体を通して感じたのは社長のリーダーシップが強かったということです。リーダーシップの強さが新規事業や事業変革を可能としてきたのです。  

変革を進めるリーダーが陥る孤独への対処法

高い目標を掲げ、新しいことを取組もうとする変革リーダーは孤独に陥りやすいものです。なぜなら、周囲の大半はそんな変化は望んでなく、否、そもそも高い目標や新しいこと自体を理解できないからです。変革リーダーと周囲とのコミュニケーションが取りにくくなり、孤独な状況に陥ります。   そうした孤独にどう対処するのか。そんなことを、「伊藤博文 近代日本を創った男」(伊藤之雄著)から考えさせられました。本書は、歴史学者の伊藤之雄が、博文の生涯をまとめた一冊です。   私は、明治の一番の変革リ

豊臣秀吉から学ぶ、メンバーへの興味・関心

私は、リーダーを務める人はメンバーの人達をよく知り、興味をもつことが大事だと思っているのですが、その時によく次の話をします。   司馬遼太郎さんの「豊臣家の人々」という本にある一節です。 豊臣秀吉が、晩年に五大老(徳川家康、前田利家、宇喜多秀家、上杉景勝、毛利輝元)に謁見する為に部屋に向かっていました。部屋に入る手前に、五大老が刀を預けている部屋の前に来たときに、それぞれの刀が誰のものか的確に当てたそうです。   その時の秀吉のコメントが、例えば徳川家康であれば、 「いかにも

大事な意思決定ほど、情報の精査、検証を

先週、コリン・パウエル氏の「リーダーを目指す人の心得」を読んでみました。  リーダーを目指す人の心得 文庫版 | コリン・パウエル, トニー・コルツ, 井口耕二 |本 | 通販 | Amazon コリン・パウエル氏は、ブッシュJr政権で国務長官を務めた他、米国軍トップの統合参謀議長を務められた人物になります。ジャマイカ移民の子供として生まれ、青年の頃から働きつつ、「貧者のハーバード」と言われてたニューヨーク市立大学を卒業し、その後に陸軍に入って出世していきました。統合参謀

稲盛和夫さんの「全従業員の物心両面の幸福を追求する」の真剣さを改めて感じた記事

日経トップリーダーさんで「京セラ創業者 稲盛和夫の言葉」というシリーズが掲載されているのですが、12月号が「経営者の判断基準③全従業員の物心両面の幸福を追求する」というタイトルでした。   タイトルの「全従業員の物心両面の幸福を追求する」は、京セラさんの経営理念であり、稲盛さんの創業時の体験に基づいて打ち立てられたことは存じ上げていました。正直、その経緯については目新しいものではなかったのですが、   私がこの記事で一番学びになったのは、「商売とは饅頭の凄ましい奪い合い」とい