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仕事に活かせる中国古典

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数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。
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#学習

「当社の社員は真面目な社員が多いのです」で止まっていませんか

子いわく「十室の邑(ゆう)にも、必ず忠信、丘(きゅう)のごとき者有らん。丘の学を好むにしかざるなり」 (論語、公治長第五) (先生がいわれた「十軒ばかりの村にも、私くらいの忠信の徳を持つ性質の人はきっといるだろう。ただ、私の学問好きには及ばないというだけだ(人は学んではじめて向上する。生来の良い性質だけではだめなのだ)」) 多くの経営者様とお話しする機会がありますが、多くの方が「当社の社員は真面目な社員が多いのです」と言われます。「当社の社員は不真面目な社員が多いのです」

当たり前と思っていることも、学びなしに身につくものではない

子いわく、「性相い近きなり。習えば相い遠きなり」(論語、陽貨第十七) (先生がいわれた。「人は生まれたときには互いに似ていて近い。しかし、学びの有無によって善にも悪にもなり、互いに遠くへだたる」) 少し歳を経てきて感じるのですが、人間は幸せになる為には、本来色々なことを学ばないといけないのでは、と思うのです。 それは、決して学校の教科書的なことだけではなく、例えば、社会やコミュニティ、家族と一緒に生きていくあたり、他者への貢献であったりとか、他者への思いやり、尊重、感

「貢献、規律、学習、尊重、感謝」について考え続け、実践し続けることが、人生最大の修行

子いわく、「人の生くるや直し、あざむくものの生くるは、幸いにして免る。」(論語、雍也第六) (人が生きていくには、人としてのよい本性が曲げられないまっすぐさが大切だ。このまっすぐさをなくして生きているとするなら、それはたまたま助かっているだけだ。) 私のことで恐縮なのですが、私は自分の行動規範として数年前から、「貢献、規律、学習、尊重、感謝」を大事にしています。 「貢献」は他者、つまり家族やお客様、また一緒に働く仲間達への貢献で、これを一番大事にしています。 その貢献