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仕事に活かせる中国古典

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数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。
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2023年3月の記事一覧

になうものは重く、道は遠い

曾氏いわく、「子はもって弘毅(こうき)ならざるべからず。任重くして道遠し。仁もっておのれが任となす。また重からずや。死してしかして後やむ。また遠からずや。」(論語、奏伯第八) 「学に志す士は心がひろくつよくなければならない。になうものは重く道は遠い。仁を自分の荷として負うのだ、重くならないはずがあろうか。仁を背負って死ぬまで道を行くのだ。なんと遠い道であろうか。」 この一節は、戦後の東京裁判で唯一、文官として絞首刑となった広田弘毅元首相の名前のゆらいとなっているものです。

リーダーに求められるのは「AもBも」

子はおだやかにしてしかもはげし。威あってしかもたけからず。うやうやしくもしかも安し。(論語、述而第七) (先生は温和できびしさがあり、威厳はあるがたけだけしいところはなく、礼儀正しく丁寧だが安らかできゅうくつなところがない) リーダーにもとめられる素質ってなんなのでしょうか。なにが必要だとおもいますか。 温和なことなのか。 きびしいことなのか。 威厳があることなのか。 たけだけしいことなのか。 礼儀正しいことなのか。 堅苦しくなく、おおらかなことなのか。

目につく人のよくない所は、自分にもあると考える

子いわく、「三人あゆめば、必ず我が師有り。その善き者をえらんでこれに従う。その善からざる者にしてこれをあらたむ」(論語、述而第七) (先生がいわれた。「私は三人で行動したら、必ずそこに自分の師を見つける。他の二人のうち一人が善い者でもう一人が悪い者だとすると、善い者からはその善いところをならい、悪い者についてはその悪いところが自分にはないか反省して修正する(どこにいても師はいる。我以外皆師である)。」) どうしても人間なので、人のよくない所を見てしまうと、そこに目が行き、