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仕事に活かせる中国古典

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数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。
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2023年2月の記事一覧

始めから好きや楽しい学びはないのでは

子いわく、「これを知る者はこれを好む者にしかず。これを好む者はこれを楽しむ者にしかず」(論語、雍正也第六) (先生がいわれた。「学ぶにおいて、知っているというのは好むには及ばない。学問を好む者は、学問を楽しむ者には及ばない。」) 論語の中でも、有名な一節の一つです。 確かに、ここに書かれている通りで、学ぶことは、好き、好きよりも楽しむくらいでないと入ってこないかなと感じます。私は歴史を学ぶことが好きなのですが、就寝前に歴史の本を読むことは、もはや楽しみになっています。

歴史から感じる因果応報。善い行いは、自分でも想像していなかった良い結果をもたらす

「積善の家には余慶あり」。中国古典である易経の一節で、「善行を多く積み重ねた家には、その報いとして必ず子孫にまでよいことが起こり幸福になる。」という意味になります。 歴史や古典を読んでいて感じることが多いのですが、よい行いをすればよい結果がもたらされ、わるい行いをすればわるい結果がもたらされるという、因果応報(過去および前世の行為の善悪に応じて現在の幸・不幸の果報があり、現在の行為に応じて未来の果報が生ずること。)を感じることが多々あります。 衰退や滅亡といった結果に

リーダーとして、余計な恨みは買わない

子いわく、「伯夷、叔斉、旧悪をおもわず。怨みここをもってまれなり。」(論語、公治長第五) 先生がいわれた。「伯夷と叔斉は(不正を憎んで餓死を選んだほど潔癖な兄弟だが)、古い悪事にいつまでもこだわらなかった。そんな度量の大きさがあったから、人からうらまれることも少なかった」 よくないことは、よくないこととして指摘することも大事ですが、いつまでもそのことを言い続けると、相手が悪いことを自覚していたとしても、よいようには思いません。 「君主論」を書いたマキャベリは、リーダー