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仕事に活かせる中国古典

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数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。
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2022年6月の記事一覧

教え込むこと以上にリーダーの率先垂範が大事

子曰く「民はこれによらしむべし。これを知らしむべからず。」(論語 泰伯第八) (先生がいわれた。「一般の人民は、行うべき道について、したがわせることができるが、一つ一つ理由を理解させることは難しい(感化するのがよい)」) 論語の中でも、論争が多く、また誤解も多いと思う一文です。訳も、上記は斎藤孝先生の訳を記載しましたが、私自身、この訳がベストなのかなと(斎藤先生には恐縮ですが)感じるところです。 この一文は、ともすれば孔子が一般の人間を下に見下していたように取られるこ

学び続けて嫌になることがない、と言えるようになりたいものです

「学んでいとわず。人に教えてうまず。」(論語、述而第七) (学び続けて嫌になることがない。人に教えて退屈することがない。) 昔、ある本を読んでいた時にこの「学んでいとわず、人に教えてうまず。」という言い回しがあり、とてもよい言葉だなと思っていたのですが、その後に論語から引用された言葉だということを知りました。 学びはそのままですが、「人に教えて」は学んだことをアウトプットする、ということであれば、学んだことを活用して退屈することはない、とも読めるのかなと思います。 学

「貢献、規律、学習、尊重、感謝」について考え続け、実践し続けることが、人生最大の修行

子いわく、「人の生くるや直し、あざむくものの生くるは、幸いにして免る。」(論語、雍也第六) (人が生きていくには、人としてのよい本性が曲げられないまっすぐさが大切だ。このまっすぐさをなくして生きているとするなら、それはたまたま助かっているだけだ。) 私のことで恐縮なのですが、私は自分の行動規範として数年前から、「貢献、規律、学習、尊重、感謝」を大事にしています。 「貢献」は他者、つまり家族やお客様、また一緒に働く仲間達への貢献で、これを一番大事にしています。 その貢献

できない理由よりできる方法を探す

「力足らざる者は、中道にして廃す。今なんじは画れり」(論語、雍也第六) (本当に力が足りない者なら、やれるだけやって途中で力を使い果たしてやめることになるはずだ。しかし、おまえはまだ全力を尽くしていない。今おまえは、自分で自分の限界をあらかじめ設定して、やらない言い訳をしているのだ) 仕事の量、及び質等の側面で「なかなかこれは難しいな」と思った時に、それが難しい理由を考え、できない理由を説明できるようにするよりも、 その難しさを解決する方法を考えた方がずっと楽しいもの