詩 : 誰も気づかれずに…
「誰も気づかれずに…」
幼い頃 私は
大きな病院の窓際から
生まれて初めて
ワケの判らない出来事に
遭遇した経験がある
起こっていた事を今でもはっきり…
鈍いドーンという聞き覚えのない
音の記憶しか残らなかった
後でその意味と命について
私なりに考えさせられる
出来事だったと悟った
また別の日は
上階の病棟の人の
長く 悩み苦しむ女性の鳴き声に
何とか落ち着かせるスタッフの声
愛すべき人のことを思い
咽び泣く声は響き渡る
果てしなく遠い空へ届きそうな
一途の願いも込めら