詩 : 海 [Google英訳付]
「海」
素裸の体を海へ投げ出すと
繰り返されて来た
季節がやさしく包み込んでくれる
逢うたびに その優しさは
無口な老婆の様に
わたしのこころの中のすべてを
語らずとも わかってくれる
身を委ねると
不思議な感覚を憶(おぼ)える
浅き夢の中へと 誘(いざな)われる
水掻の着(つ)いたわたしの
手が自然と動き 魚になっている
波は 懐かしい子守歌のように
ハーモニーを奏でてくれる
海は すべてを包み
新しい世界へと誘ってくれる
そして 今日も
優しく
穏やかに
迎えてくれ