【愛国心依存症】『ネトウヨ』が生まれる仕組み【認知的不協和理論】

【認知的不協和】とは何か?


【認知的不協和】とは
『自分が正しいと信じてきた認知(考え・価値観)』とは別の
『新しい・矛盾する認知』が出てきた状態

あるいは

『理想の自分』と
『現実の自分』とのギャップの中で
バランスが取れなくなっている状態で

そのときに覚える“不快感”や“ストレス”を表す社会心理学用語

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そして

その【認知的不協和】(矛盾)の状態にあるとき
人は何とかそこから抜け出し
矛盾を解消し
自分の存在を正当化しようとする

その考え方を【認知的不協和理論】という

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この理論を提唱した『レオン・フェスティンガー』の仮説 によると

1;不協和を低減・解消させるために何らかの圧力(行動)を起こす

具体的には
“古い認知”か“新しい認知”のいずれかを否定する傾向にあり

1:“新しい認知”を取り入れ“古い認知”を変える
2:“古い認知”に拘り“新しい認知”を否定する

のどちらかのことが多い

その場合
比較的「変えやすい」方の認知を変えることで
「絶対に変えられない」認知を正当化しようとする

また

3:都合のいい情報ばかりを集め
 都合のいいように思い込む(妄想する)ことで
 “都合の悪い情報を意図的に矮小化・否認”する

 そうして不協和を低減し自己正当化する

例えば『失敗』や『過ち』をした場合
その《事実》は絶対に変えられないので
その損害を最小限を食い止めようと行動したり
また
それを正当化しようと都合の良い方に考える

例⋯
空腹で食べたくても絶対に届かない高い所にある葡萄に対して
「あの葡萄は酸っぱいに違いない」と考える(軽蔑する・妄想する・
決め付ける)ことで自分を納得させる:《防衛機制》の《合理化》
『イソップ寓話“酸っぱい葡萄”』

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2;不協和を低減させる圧力の強弱は不協和の大きさの関数である

【認知的不協和】の度合いが大きければ大きいほど
不協和を低減させる圧力はその度合いに応じて大きくなる

不協和(矛盾・不安・恐怖・不全感)が大きいほど
デマや噂を信じ込みやすくなる

詐欺やカルト宗教や陰謀論に騙されやすくなる
また逆に
嘘をついて人を騙そうとする

客観的・俯瞰的・論理的・合理的・体系的な思考ができなり
自己正当化するあまり
【認知を改変・追加】して
不協和を解消しようとする

それが地震の後の
デマ・噂・流言が広まる原因ともなる

自分の心の中の『不安・恐怖』を正当化するために
「○日に新たな大きな地震が来る」というようなデマを信じやすく
それを周りに吹聴・拡散する(無意識の内に嘘をつく・騙そうとする)ことで
不協和を解消しようとする

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【認知的不協和理論】『行動』の正当化→“タバコ依存症”を例に⋯


タバコの例を見ると⋯

認知1.タバコを吸う(古い認知)
↕ (認知的不協和)
認知2.タバコを吸うと肺癌になりやすい(新しい認知)

この不協和を低減するためには《認知1を変更する》

選択A=認知1(行動)の変更
認知3.禁煙する

これで不協和は解消する

⋯しかし実際は
『ニコチン依存症』になると簡単にはやめられない

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そうすると
その行動(依存・快感)=喫煙を『正当化』するために
《新しい認知を追加する》

選択B=認知の追加→認知2の否認・矮小化
認知4
.長寿の人もいる
認知5.交通事故で死亡する確率の方が高い

そうして都合の悪いこと(認知2)を矮小化して
見えなく(否認)することで
自分の行動(依存・快楽・感情・欲望)を正当化しようとする

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ある意味

【認知的不協和理論】
自分の行動(依存症)や感情(快楽・不安・恐怖)や欲望を
正当化しようとする『心理的メカニズム』

とも言える

例えば
アルコール煙草ギャンブルスマホ依存症
あるいは
買い物万引き体罰・虐待性犯罪などの『行動依存症』の人は
自分の行動(犯罪・快感)を正当化するために

『行動』と『信念・価値観』を一貫性を求めようと
無意識に【認知を改変・追加】する
→『認知の歪み(犯罪の正当化)』『否認(やったことを認めない)』
『責任転嫁(相手に責任を押し付け正当化する)』

そして
それが『洗脳』の手段としても利用される


【認知的不協和理論】と『洗脳』


もともと【認知的不協和理論】は
朝鮮戦争時の
中国人民軍の米軍捕虜に対して行なわれていた
『洗脳』の仕組み

あるいは
ブラック企業や
マルチ商法
カルト宗教などに『洗脳』される仕組みを
説明するものとして有名で

それは
「不協和が増大したとき
それを解消しようと認知を改変する」という
心理的メカニズム(防衛機制)を利用したもの

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『洗脳』の仕組み
(理性〘前頭前野・抑制機能〙が弱っている状態の中で)

   認知1         認知2
『信念・価値観』→(不協和)←『行動』←〘強制・逃げられない〙
         ↓(『信念』と違う『行動』をする・ストレス)
(不協和を解消しようとする心理的メカニズムが働く)
         ↓
無意識の内に『行動』と『信念・価値観』を一致させる
『行動』を正当化するために『信念・価値観』を改変する

《あたかも「自ら考えて行動している」かのように誘導する=洗脳》
いつの間にか
「自分の『信念・価値観』で『行動』している」と思い込む
あるいは
「(脳が)快楽を求めて体が勝手に行動を起こす」(行動依存症)


【認知的不協和理論】と『教育』


それは一般社会でも
知らない内に普通に行われていて

例えば【認知的不協和】で検索すれば
『ビジネス』『マーケティング戦略』として
それが普通に使われていることが分かる

人がモノを買う場合⋯
『単機能で安いモノ』か『多機能で高いモノ』か
どれだけ必要(重要)で
どれだけの頻度で
どれだけ長く使うかなど
様々な角度から考え選択購入する

その選択するに当たり人は無意識の内に
【認知的不協和理論】を使っていて

企業はCMを通して購買意欲を掻き立て
消費者は知らず知らずの内に誘導されている

企業は「これを買えば不幸な状態から幸せになれる」と宣伝し
消費者は心の中の無意識なストレスを解消するために
『快感』を求めて高い物を買う(ように誘導されている)


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そしてそれは『国家』も同じ

『国家・権力者』は教育を使って
自分たちの都合のいいように
『国民』が『行動』するように誘導しようとする

『国家・権力者』が
「どういう人間を必要とするか
どういう『信念・価値観』を持った
どういう『行動・選択』する人間を作りたいか」

それは時代によって
場所によって
考え方・価値観・思想によって違ってくる

例えば戦前・戦中は
権力者・上官の命令に忠実な
「国の為に命を捧げる」「国家と自分を同一化する」
「国家の言うことに疑問を持たない」「敵を殺せる」

そこに存在意義(快楽)を感じ

「行動を誘導されやすい」「簡単に騙せる」


依存的・盲信的な兵士を作るための教育を目指し
『教育勅語』を作り


戦後は悲惨な戦争の反省から
「国(権力者)の命令に反対できる」「自分の意見を言える」
「国家と距離をとれる」「権力を批判できる」「誘導されない」

自立的・懐疑的な人間を作るための教育を目指し
『旧)教育基本法』を作った

そして戦後も進み
「グローバリズム」「新自由主義」経済の中で
今度は企業経営者・権力者のために
長時間・低賃金で文句を言わず真面目に働く依存的・盲信的な
(社会の歯車としての)労働者を作るために『新教育基本法』を作った

その『教育』の流れの中で現在は

『自由・平等・自主性・個性・ゆとり・人権尊重・個人主義』を重視する
『護憲派』(リベラル)
  ↕ 対立
『管理・強制・競争・勝敗・優劣・制裁・国家第一・集団主義』を重視する
『改憲派』(保守・ネトウヨ)

の対立がある

そして
その対立の源泉はどこにあるのか?


『ネトウヨ』が生まれる仕組み【認知的不協和理論】


人は生まれた瞬間から否応なく
ピラミッド支配構造の弱肉強食社会の中で
生きていかなければならない

それは『現在の日本』に限らず

どの国も⋯
どの政治体制や宗教や地域や時代とは関係なく
中国や北朝鮮や韓国や日本や米国でも
徳川幕藩体制や薩長維新政権や天皇制軍国主義でも
あるいは
学校やスポーツ部や企業や政党や役所の中でも同じ

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その中で【認知的不協和】(矛盾・ストレス)が発生する

認知3:ピラミッド支配構造の中で上を目指し競争する
       認知1:理想の自分・勝利・成功・褒められる(快感・優越感)
     (不協和) ↑↓ これを繰り返す
       認知2:現実の自分・敗北・失敗・怒られる(恐怖・劣等感)

これを繰り返していくうちに
『権力構造』(認知3)を絶対化するようになる
依存”症”的な人間ができる→洗脳・保守化

(ギャンブルや株・FX“依存症”と同じで冷静な判断力がなくなる)

この『ピラミッド支配構造』価値観(認知3)の中で行動(競争)する内に

認知1認知2を繰り返すうちに

いつの間にか自分の所属する
認知3(ピラミッド支配構造・権力構造)を絶対化するようになる
それに依存するようになる

●『行動』(競争・管理・強制・体罰・従属・盲従)
●『価値観・信念』(権力構造の絶対化・依存症・保守化・
  権力構造と自己同一化・組織に命を捧げる・愛国心)

●『感情・欲望』(上昇欲・支配欲・権力欲・保身・承認欲求・
  被害妄想・攻撃性・排他性・憎悪)


それらに一貫性も持たせる→自分の『行動』を正当化するように
『価値観・信念』『感情・欲望』を書き換える

それらは相関関係にあり

それは
脳内神経伝達物質の働き(ドーパミン・ノルアドレナリン)
による『脳の抑制機能の低下・麻痺』が関係している

■抑制機能が低下すると洗脳されやすい
■何かに『依存』し『快楽』を求めようとする
■無意識の内にそういう行動を取るように『誘導』されている

【認知的不協和理論】

教育の名のもとに強制的に『行動』させることによって
ストレスを与え
神経伝達物質(ドーパミン・ノルアドレナリン)を過剰放出させ
抑制機能を麻痺させ
『依存的』『奴隷的』『攻撃的』な人間(兵士)を作ることができる
【認知的不協和理論】

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そこでは
客観的・俯瞰的に周りを見ることが出来なくなり
このピラミッド支配構造が全ての世界だと錯覚してしまう
(受験勉強・大企業・官僚・裁判官・五輪・甲子園など)

受験戦争や体育会系など
小さい時から狭い檻の中で
強制・競争・管理・報奨・制裁のシステムの中で

不安とストレスの中で
ひたすら上を目指す内に

いつの間にか
その『権力構造』を絶対化し
理性が成長できず

感情の膨張暴走を抑制できなくなる

脳の抑制機能(共感・自省・想像力)が衰退し
客観的・論理的・合理的・体系的思考ができなくなる

そして
その権力構造』と自己同一化(一体化)し
この『ピラミッド権力構造』を批判し壊そうとする者

(ゆとり教育・五輪基地原発反対運動・自然保護・社会福祉・再分配・
労働組合・夫婦別姓・モリカケ桜批判・戦争責任追及・靖国批判など)
=リベラル

〘一斉に〙攻撃するように『誘導』されている→ネトウヨ

まるで
自分の存在が否定されたかのように⋯

『権力構造』に依存し
自立できない人が
他者の意思や行動を尊重できず
気に入らない人(自由人・自立人)を一斉誹謗中傷する


『陰謀論・歴史修正主義・至上主義・優生思想』の生まれる仕組み→『劣等感』の否認


そうして認知3ピラミッド支配構造を絶対化し
『権力構造』『自分』同一化・一体化・依存
『権力』との“距離”が取れなく

客観的な権力批判・疑惑追及
「自分の存在否定」=「日本人ヘイト」のようにに感じ
権力者(教祖)を守るために
批判者に対して必死に誹謗中傷・罵詈雑言を吐くようになる


しかし

その自分の『行動』や『依存』や『感情』を「正当化」しても
どんなに批判者を攻撃・罵倒・“論破”しても
根本的な心の中の矛盾(不協和)は無くならず
むしろ問題は拡大していく

例えば
タバコ・ギャンブル・カルト宗教・ブラック企業・マルチ商法など
どんなにその行動を正当化しても
反対者を論破したとしても
根本にある矛盾は拡大しいずれ破綻する

その病理(依存症の原因=不安・恐怖・鬱屈・不全感)を取り除かない限り
何度も同じことを繰り返す

その根本的な矛盾とは何か?

そのピラミッド支配構造の中では常に
自分の『感情・行動・価値観』を正当化するために
自分の存在を認めてもらうために(承認欲求)
不安・恐怖・不全感・劣等感を打ち消すために

「常に誰かと比較せずにはいられない」
「常に誰かと競争せずにはいられない」
「常に誰かを攻撃せずにはいられない」
「常に膨張・拡大・侵略せずにはいられない」

逆に言うと
常に誰かの主張・利権と衝突し

そのために
いつ誰から「非難・否定・攻撃されないか」
「バカにされていないか」疑心暗鬼になり
いつも怯えなければならない(被害妄想)

常にストレスの懸る緊張状態の中で
(神経伝達物質のバランスが崩れている中で)
キレやすくなっている

否定されるとすぐキレる

そして
何とか自己正当化するために反撃し
誹謗中傷せずにはいられない

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ピラミッド支配構造を絶対化すればするほど
《優越感・万能感》↔《劣等感・無力感》
《言っていること》↔《やっていること》
《国のため》↔《権力欲・私利私欲・公私混同・身内優遇》
《愛国心》↔《不正・汚職・犯罪・嘘・権力の私物化》
《美しい日本》↔《自然破壊・文化破壊・利権拡大・反緊縮》
《国民のため》↔《金持ち優遇・弱者切り捨て》
⋯⋯
2つの間の
【不協和】が増大する

そして
【不協和】が増大するほど批判に晒され
『劣等感・無力感・後ろめたさ』に苛まされ
それを否認・矮小化しようとする圧力が高まる

そこで
『劣等感・後ろめたさ・嘘・欺瞞』を打ち消すために生まれてくるのが

『自民族至上主義』
それはどこの国・人種・民族・組織にもある

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ネトウヨは
自分と違う意見・考え方・価値観に対して

あるいは
不正を追及する者に対して
「自分こそ『愛国者』」「国の為にやっている」
そして
「反対者・批判者は反日・在日・中共のスパイ(操られている)」
と認定し罵倒する

つまり『日本人』というモノに強い拘りを示し
それを強調することで自己正当化しようとする

そしてその中から⋯

自分の『行動』『価値観・信念』『感情・欲望』を正当化し
自分の『劣等感・弱さ・失敗・不正・犯罪・嘘・欺瞞』を否認する手段として
『陰謀論・歴史修正主義・至上主義・優生思想』が生まれる

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例えば『歴史修正主義』を見てみると

『国家依存症』『愛国心依存症』の人にとって

 認知1(信念・感情)←不協和→ 認知2(歴史)
愛国心・国の為に死ぬ  ❌ 日本は悪いこと(侵略)をした
特攻隊は素晴しい(快感) ❌ 特攻隊は犬死・無意味な作戦
  ↑(依存症)

この不協和を解消するには
認知1(依存症)を正当化するために
認知2改変すること=『歴史修正主義』

認知2*(改変)→
 「太平洋戦争は欧米の侵略からのアジア開放戦争」
 「南京大虐殺は中国の捏造」「従軍慰安婦はただの売春婦」
 「特攻(英霊)の犠牲のおかげで今の平和がある」
 「靖国神社は日本の文化」「英霊に感謝するのは当たり前」
 「靖国批判は死者・英霊に対する冒涜だ」

そう思い込むことで自分の『感情』『行動』『価値観』に
一貫性をもたせる

劣等感を否認し
自分の存在を正当化するために
優越感・万能感を得るために『歴史修正主義』が生まれる

都合の悪いことは見ない・見えない
無意識の内に
心理的にも物理的にも都合の悪いものは『捏造・隠蔽・廃棄』する


【認知的不協和理論】と『性悪説』=『厳罰化』


それと同じようなことが
少年法改正・厳罰化・『体罰』の肯定
そして
憲法改正・道徳重視・権力への忠誠の強要にも見れる

そこには
自分の価値観・感情・行動の正当化と
その主張の裏には『劣等感』がある

自分の優越感・万能感を得るために
自分の中にある『悪』(=弱さ・欲望・不正・犯罪・嘘・欺瞞)
を否認するために
その『悪』を他者・子供に押し付けて
攻撃し
自分の優位性・正当性を強調しようとする

そして
権力構造を絶対化させようとする

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【愛国心依存症】の行き着く先は⋯


自分の嘘・欺瞞・不正・犯罪を隠すために批判者を激しく攻撃し
『信者』がそれに誘導されて一斉に攻撃する=ネトウヨ

自分の欲望の膨張(権力欲・公私混同・身内優遇・権力の私物化⋯)
『愛国心』とすり替え
思い込ませ
誘導し
洗脳し
「反対者は反日・在日・中共のスパイ」と妄想で誹謗中傷する

「国のために」「国民のために」と言いながら
自己正当化・保身・利権拡大に邁進し
権力構造を絶対化しようとし
国を破滅へと導く

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『教育』を通じて
人はいつの間にか【愛国心依存症】になり
知らず知らずのうちに

「自民党も駄目だか野党はもっと駄目」
「野党は批判ばかり」「対案を出せ」
「誰がやっても変わらない」という状態に『洗脳』され

結局気づいたときには
権力の暴走を止めることが出来ず
軍国主義・ファシズムに突き進み
国民はただの『使い捨ての道具』となり

後戻りできないような状態に陥っている

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