第10話


2006年09月05日22:52
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 ・・・・・アレは今から5年前・・・・・。
 まだ私がCIAの工作員だった頃の事です・・・。


 ≪ 元CIA工作員 ジム=サンダースの証言 ≫


 ある日、私は、当時のCIA長官、ジョージ・J・テネットに呼び出されました・・・。

 ちょうどあの年は、『9.11』同時多発テロの起こった年でもあり、CIA内は常時、張り詰めた緊張感が漂っていました・・・。

 私は、テロに対する指令か、また長官のお小言だろう・・・と思って、彼の部屋をノックしました・・・。

 部屋に入ると、長官は一枚の写真を私に手渡しました。

 そのピンボケした写真には、おそらく東洋人であろう、一人の青年の姿が写っていました・・・。


 「この人物は・・・?」

 何も分からず尋ねる私に、彼は言いました・・・。


 『“眠り蜂” だ・・・。』

 「・・・ね、“眠り蜂” !!?」


 こんな私でも、その呼び名には聞き覚えがありました・・・。

 暗号名(コードネーム)・・・・・『眠り蜂』 (Sleep Bee)

 2年程前から突然現れた、スゴ腕の狙撃手(スナイパー)。

 すでにCIA内においても、SSランクの重要危険人物として扱われていましたが、その素性、経緯、その他全てが謎とされている人物でした・・・。

 「コ、コイツが、アノ“眠り蜂”だって言うんですか・・・!?」

 『そうだ・・・』

 「こ、こんな青年が・・・!?」


 『ヤツは現在21歳・・・。 最も新しいヤツの仕事は・・・』

 「・・・・」

 『2001年4月1日、アメリカ海軍EP-3Eの中国空軍F-8戦闘機との接触事故・・・!!』

 「ま、まさか・・・!! ・・・あ、あんな事、たった一人の人間が起こせる事じゃない・・・!!」


 『・・・今回の調査で、さらに分かった事がある・・・』

 「・・・!!?」


 『“眠り蜂”は日本人・・・。 そして、その名前は・・・・・』

 “  タカシ・ナカムラ  ”

         ≪セレブ in Love ~パリスの恋~≫


 第10話 <鏡の中の操り人形(マリオネット)>

 「タ、タカシ・・・!! 何でお前がこんなトコに・・・!?」

 『仕事だ。』

 「し、仕事・・・!? オイ! 一体どーいう事だ!?」

 『その先は私どもがお答えいたしましょう。』

 すると、物陰からパリスのSP達が現れた。


 「み、みんな・・・!!」


            第11話へつづく・・・  

2006.09.06

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