第3話

≪セレブ in Love ~パリスの恋~≫
 第3話 <星屑のセレナーデ>

 『AH-1ヒューイコブラ』・・・ベトナム戦争においてヘリボーン作戦(ヘリによる兵士の敵地周辺への移送)を支援するために開発された世界初の本格的武装ヘリコプターである。
製造  ベル
全長  16.18m
全幅  3.28m
胴体幅  0.98m
全高  4.19m
ローター直径  13.41m
自重  2993kg
最大離陸自重  4536kg
エンジン  ライカミングT53-L-703×1
最大速度  315km/h
実用上昇限界  3710m
武装   M197 3砲身20mmガトリング砲×1(750発)
    BGM-71 TOW対戦車ミサイル(8発)
    JM261ハイドラ70ロケット弾ポッド(19発×2)

・・・何故オレは、こんな物に乗っているんだ?
『到着しました』
 外に出るとそこはビルの屋上であった。

・・・いや? ビル? いや、ココは・・・!!!
「六本木ヒルズ・・・!!!?」

『こちらでございます』
そう言うと、黒づくめの男は歩きだした。
状況を把握できない俺は、ただついて行くことしか出来なかった。
案内されたのは最上階の部屋だった。
扉が開かれると、その豪華な室内に呆然となるオレ。
窓には一面に宝石のようなTOKYOの夜景が広がっていた。

『いらっしゃい、待ってたわ 』  そこには、パリスが座っていた。

「・・・!!! やっぱりアンタか! 一体何のマネだ!!」
『どうぞ、お座りになって。 コーヒーでよろしいかしら? それとも、お酒?』
「こんな誘拐みたいなマネをして、どーいうつもりなんだ!」
『アラ、誘拐だなんて。 私はアナタとお食事したかっただけよ』
「オレは御免だ! 帰らせてもらう!」
『ちょっと、待ちなさいよっ!!』

部屋を出ようと歩きだした俺の背中越しに、彼女は続けた。
『アナタ、私を誰だと思ってるの!? “パリス・ヒルトン”よ!? 
“パリス・ヒルトン”が誘ってるのよ!? 何の取り柄も無い一般人のアナタが、私の誘いを断わっていいと思ってるの!!?』

「・・・・・」
俺は振り返り、彼女を見つめた・・・。

             第4話へつづ
2006.08.26

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