籍を入れるメリットは意外と多い！将来の選択肢を増やす結婚の基礎知識
現代の日本では、結婚においてさまざまな形が取られています。入籍をしないで事実婚を貫くカップルも増えているようで、その賛否はわかれるところでしょう。カップルの形はそれぞれなので、何が正解かは一概に言えません。事実婚を選択するカップルにも、入籍するカップルにもそれぞれ事情があります。
ただし、事実婚を予定している人に知っておいてほしいことは、籍を入れるメリットは意外と多いということです。ここでは、結婚に近い形で新たな一歩を踏み出そうとしているカップルに向けて、籍を入れるメリットについて詳しく解説します。
籍を入れるのは金銭面でメリットあり
籍を入れることによる最も大きなメリットが、金銭面です。「配偶者控除」や「扶養控除」などの税金の控除は、事実婚だと受けられないので、入籍していることが前提となります。
・配偶者控除や扶養控除
配偶者控除は、世帯主の収入から一定金額の税金が控除される制度です。配偶者の所得が103万円未満だった場合は、所得税は38万円、住民税は33万円の税金が控除されます。扶養控除も税金が控除される制度です。世帯主の扶養家族が対象となり、控除額は年齢によって異なります。
いずれも条件を満たした人が対象となりますが、扶養家族も入籍をしていることが前提です。そのほか、金銭の贈与が行われた際には贈与税がかかりますが、配偶者間で贈与が行われた場合、配偶者控除によりこちらも支払わなければならない税金額が少なくなります。
・社会保険の加入
税金以外では、世帯主が社会保険に加入している場合、扶養家族であれば世帯主の社会保険に加入できます。保険料の支払い金額が少なくなりますし、福利厚生の内容によっては人間ドックなどの健康診断を無料で受けることができる場合があるので、こちらも金銭的にかなり助かるでしょう。世帯主の社会保険に加入することは、事実婚では認められていないので、こちらも籍を入れるカップルならではのメリットです。
・相続税
夫婦のどちらかが死亡して財産を相続することになった際の相続税が、事実婚の場合よりも少なくなります。生命保険に加入していてパートナーが受取人になっていた場合、入籍している夫婦は事実婚のパートナー同士よりも相続税が減るというメリットもあるようです。
法律婚なら代理手続きや相続がスムーズに
さまざまな手続きにおいても、入籍をしているのとしていないのとでは便利度が変わってきます。
・市役所などでの手続き
住民票の写しを市役所や出張所などで入手する手配がそのひとつです。入籍をして法律的に夫婦と認められた配偶者であれば、住民票の写しを取得する際の手続きを代理で行うことができます。しかし、事実婚だと、委任状を書いて持参しないといけないので、手続きひとつに手間がかかってしまうのです。
また、パートナーが大病を患い手術を受けることになった場合も、事実婚のパートナーは同意書にサインをすることができないケースが多いです。法律的に家族だと認められていないので、配偶者の親兄弟などにサインをしてもらわなければなりません。
・相続
相続税が安くなることは前述しましたが、相続の手続きも事実婚のパートナーと入籍をした配偶者とでは、必要なステップが異なります。例えば、入籍をしていた配偶者であれば自動的に相続する権利がありますが、事実婚のパートナーだと遺言状がないと相続することができないのです。
生命保険の受取人においては、基本的に結婚している配偶者でないと受取人に指定することができません。事実婚のパートナーであるということを証明できればその限りではありませんが、いずれにせよ入籍をした夫婦よりも手間がかかってしまうことは間違いないでしょう。
そのほか、事実婚で出産した場合は、父親側の「認知」の手続きが必要になるなど、入籍していれば不要な手続きが事実婚だと増えることは否めません。
籍を入れない「事実婚」を選択する夫婦が増えた理由
全体的にはまだ少ないとはいえ、事実婚を選択するカップルが増えているのにはいくつかの理由があります。
・名字を変えたくないから
最も多いのは、パートナーのどちらか、もしくは両方が名字を変えたくないというケースです。日本では今のところ夫の性に妻が変更になるパターンが多く、妻が自分の名前でキャリアを積んでいる場合、旧姓から夫の名字に変えたくないと考えることもあります。結婚後、戸籍上は夫の姓になったけれど、職場では旧姓のまま仕事をしている人も少なくありません。
・名字を変える手続きが大変だから
入籍後のいろいろなやり取りが面倒だからと、最初から姓を変えずに済むよう事実婚という選択をする人もいます。保険や免許証など、結婚をして姓が変わると姓の変更によるさまざまな手続きをしなければなりません。
パスポートや銀行の名義、マイナンバーカード、クレジットカードなど、すべての契約や登録を旧姓から新姓に変更しなければならないので、その手間と負担はかなり大きいと言えるでしょう。こうした手続きが面倒なので、事実婚でかまわないと考える人もいます。
・両方が養子を取らなければならない立場だから
姓を変えたくないという事情以外に事実婚を選択する理由としては、とても愛し合っているパートナーだけれど、両方が養子を取らなければならない立場であり、その折り合いがつかないために事実婚を選択せざるを得ないというケースもあるでしょう。
ほかにも、相続関連などの都合から入籍をすることが望ましくないため、事実婚を選択するというカップルもいます。それぞれのカップルにしかわからない理由で事実婚を選択しているケースもあるのです。
お互いの理想の関係になれる選択を
事実婚を選択する人の理由はそれぞれであり、また結婚の形が多様化しつつある現代は、その選択も受け入れられやすくなっています。愛するパートナーと人生をともに歩んで行くという気持ちは、入籍をするカップルと変わりません。幸せの形が人それぞれであるように、結婚の形も人それぞれです。お互いのパートナーが幸せだと思えるのであれば、事実婚に何の問題もないでしょう。
ただ、事実婚を選択するメリットがあるように、入籍をするメリットがあるのも事実。先にご紹介しているように、金銭的にも法律面でも、事実婚よりもメリットがある部分は大きいです。まずは入籍をすることのメリットを踏まえた上で、それでも事実婚を選択するかどうかを検討してみるのもよいのではないでしょうか。
・入籍しても仕事では旧姓のままで仕事は続けられる
先述していますが、入籍をしても旧姓で仕事を続けている人はたくさんいますし、入籍後に行う手続きも、一度行えばその後継続して負担がかかることはありません。事実婚を選択するほど大変な手続きというわけでもないでしょう。事実婚を選択した人の中には、子どもができるまでは事実婚で生活し、妊娠や出産を機に入籍するというカップルも多いようです。
外国では子どもができても事実婚を貫くカップルも少なくありませんが、日本では私生児がまだ一般的ではないので、子どもを機に入籍するのは選択肢のひとつです。パートナーとよく話し合い、お互いを尊重し合って1番幸せだと思える選択をするのが望ましいですね。
まとめ
婚活のひとつとして、結婚相談所を利用する人が増えています。結婚相談所での出会いから結婚に至る場合も、事実婚を選びたいと考える人がいるかもしれません。結婚相談所にはそれぞれの個性がありますので、自分に合ったところを見つけることがとても重要になります。結婚に確固とした理想を持っている人は、親身になって相談に乗ってくれる結婚相談所を選ぶのがベストです。
以下のページでは、さまざまな結婚相談所のサービス内容を比較しています。自分が理想とする結婚に導いてくれる結婚相談所を探しやすいので、ぜひ参考にしながら婚活を進めてみてはいかがでしょうか。
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