写真コラージュについて - たくさある -
ずいぶんと更新が滞っていましたが、春と共に再開です。大変お待たせいたしました。
写真を利用して作品を作る場合に大切なことは、写真を上回る作品に仕上げることです。
日本彫紙アート協会の学習プログラム CLPにはトレースやデッサンや、写真コラージュなどを学べる教材はありません。
これらを教材に組み込むと、インストラクターの勉強があまりにたくさんになりすぎて、一定のクオリティーを保つことが困難になるとの判断からです。
以前の「認定講座 上級」にはトレース、コラージュ、彩色、番号付け、彫りという彫紙アートの一連の制作過程を学んでいただきました。2020年のインストラクター資格者は、全てこのコースを学んでいます。
ただし、
トレースにもセンスと計算があり、センスや計算までは、以前の上級のコースで教えることは、システム上無理でした。
私が提唱している「トレースとは?」の何十分の1程度しか教えていません。
写真を利用する際、私が常に提唱していることは、
「写真よりも美しく」、
「写真よりもデザインに優れ」、
「写真よりアートであれ」
です。
写真はデッサンの資料にすぎません。
だから、同じ被写体をあらゆる角度と、見逃してはいけない被写体の特徴を事細かに写真で記録し、「デッサンに応用」するというのが、賢い方法です。
2枚や3枚の写真を撮って、満足してはいけません。20~30枚くらいは
欲しいところです。
できれば現場で、「臨場感あるスケッチを試みる」ことが一番望ましいことです。なかなか難しいことですが…
さあ、
30枚もの資料があると、コラージュもいろいろできるし、デッサンもたくさんできるから、大きな作品も小物も、ひとつのモチーフで
「様々な表情を持った作品」
ができますね。
言ってはいけないことがひとつあります。
「ここが変だね」という指摘に、
「写真がこうなっていました」
という返事です。
明らかに変であっても、写真だから間違うはずはないし、そもそも疑問など持たない、それ以上どうしようもない、というのが実態ですね。
「応用、意欲、柔軟な思考」
これが大切なことです。
ニューヨークとハワイの風景を合体させても良いし、
凱旋門から富士山が覗いていても良いのです。
ではまた、次回。
林敬三
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