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[無料]登山がいつもツライ?たぶん登り方間違ってます…

こんにちは、松本です。登山についていろいろ書いています。今回は登山がただひたすらにツライという人向けに、登山を楽に楽しくする方法をご紹介。

登山って、正しい知識を持って正しいやり方をすれば、そんなにツライ遊びではないんですよ。ただ、いくらでも間違ったやり方が出来てしまうため、「登山ってキツイだけでしょ?」というイメージを持ってる方もけっこういます。

でもそれ、誤解です!

想定読者

主に登山初心者向け。登山を楽しみたい、一般的な登山愛好者が読むと想定して書いています。アスリートや登山上級者など、常に厳しい登山を求める方は自分がやりたい登山を好きにやってください。

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会話できるペースで登りましょう

ゼーゼーと荒い呼吸をして心臓もバクバク、大汗を流して山を登ってる人は、まずペースが速すぎます。ランニングでも自転車でも水泳でも、運動全般そうですが、ペースが速ければキツイのは当たり前。

基本的には、無理なく会話できる程度のペースで歩きましょう。歩幅は小さくチョコチョコと。キツイ登りなら、一歩足を上げたら上げた方の足を2,3秒ほど休ませてから身体を上げます。一歩一歩足を休ませるくらいで構いません。

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後ろから人が来たら、山側に避けて道を譲ってください。追い抜かれても気にしない。自分のペースで歩いてください。

速いペースで歩いて何度も休憩をするくらいなら、ゆっくり歩いて休憩を少なめにしたほうが結果的には早く着くこともあります。

特に、歩きはじめは体力が十分あるのでつい速く歩いてしまいます。でも、最初の30分間で飛ばしてしまうと後半でバテてしまいます。最初にペースを間違えると一日ずっと響きます。特に最初から急な登りの山では、努めてゆっくり登ってください。

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いつもキツい?日が暮れる?コースを短くしてください

無理がないペースでゆっくり歩くと当然時間がかかります。一般的には15時には登山を終えましょうと言われますが、9時から歩き始めたなら6時間しかありません。日が長い時期にちょっと無理して16時終了なら7時間です。

そのくらいの時間しかないのに標準コースタイムが7時間や8時間のコースを選ぶと、かなり慌ただしい登山になります。

山と高原地図に書いてあるコースタイムは、あくまで『その区間を歩いたときにどれくらいで歩けるか?』という目安なので休憩時間は入っていません。

一般的には途中で何度か休憩を入れるので、7時間のコースタイムなら8時間ほど掛ります。疲れないようにゆっくりペースで歩けば、コースタイムよりもっと時間が掛ります。

最初のうちは特に意識して短いコースを選び、余裕のある計画を作りましょう。

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日帰りならコースタイム3時間から5時間まで

では、余裕がある短いコースとはどのくらいか?本当の最初はコースタイム3時間程度で考えてください。標準3時間のコースをゆっくり歩いて、昼食もゆっくり食べるなど『楽しい時間』を多めに取ると5時間くらいになります。9時から歩けば14時くらいに終えられます。

東京近郊なら日の出山などよいでしょう。例えばこんな計画とか↓

5時間のコースをゆっくり歩けば6時間半から7時間くらいになります。キツくないペースでゆっくり歩けば、登山というのはキツイ遊びではありません。草花や景色を楽しみ、昼食もゆっくり食べればいいのです。

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※ただし、昼食でお酒を飲むのはやめましょう。下山前にお酒を飲むのは危険です。転倒や滑落など事故の原因になります。

楽しむ余裕がある計画を

悪いことは言いませんから、特に初心者のうちは余裕がある計画で山に登ってください。ゆっくり歩いて15時に終えられるのが『余裕がある計画』です。

一生懸命速く歩いて、体力や時間が毎回ギリギリになるような登山を続けてはいけません。たまにならいいけど、毎回はリスクが高い。

毎回ヘッデン下山(ヘッドランプを着けて下山すること)になるのだとしたら、計画が身の丈に合っていません。もう少し安全マージンを取って短く易しい計画にしたほうがよいでしょう。

クライミングでも同じ。毎回真っ暗になってしまうのなら、登るのもロープワークも遅い、実力が足らないということです。

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あ、間違っても12時から登り始めるなんてしないでください。12時から登っていい山なんてありません。登山は朝から初めて昼過ぎに山頂を経て15時から16時くらいには終えましょう。

14時から歩き始めて18時下山なんて登山を続けてると、事故ったときにリカバリする時間もなく速攻で詰みます。早出早着が基本です。

コースタイムが8時間を越えるなら泊まりで考えましょう

一般的な登山者がコースタイム8時間のコースを歩くと9時間以上掛かるでしょう。15時までに終えるためには朝6時スタートになります。登山口に6時に立つのはけっこう大変ですよ。特に公共交通機関を使うなら。

日が長い季節なら…ということで無理して17時ゴールなら7時スタートです。でも、本当はやっぱり15時終了を目指すのがセオリーです。なぜなら、最初から17時ゴールで計画してしまうとトラブルがあったとき簡単に詰んでしまうから。

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東京近郊の話ばかりですみませんが、雲取山という山があります。標高は2017mで東京都の最高峰です。人気があるのは鴨沢バス停からの往復(ピストン)で、標準コースタイムは約9時間です。普通の人なら10時間以上掛かるんじゃないでしょうか。登山のガイドブックでは一泊の山として紹介されています。

上で、初心者は日帰りなら3~5時間のコースを選びましょうと書いてますよね?9時間のコースがどれほど長いか。2倍ですからね?一泊するのが普通です。

このコースが、何故か最近は日帰りで行けると思われており、実際にヤマレコで検索すると、日帰りが7割に対して一泊している人は3割しかいません(※)。

※緊急事態宣言で宿泊を自粛してる人は登らず、日帰りでサッと登ろうという人が多いのかも知れません。

日帰りで登っている人の山行記録を読むと、大抵は往復で1時間程度短縮出来る小袖駐車場に車を停めています。コースタイムは8時間になります。

駐車場を6時に出発して、コースタイムの半分から80%程度で歩いているようです。なので遅い人でも14時や15時には終了します。16時を回る人はざっと見た感じいません(おそらく遅い日帰り登山者は山行記録を書かない人が多い)。

つまり、余裕がある出発時間や自分の歩行ペースを分かっている人が、コースを短くする方法を使って、標準よりだいぶ速いペースで歩いた上での日帰りなのです(バス停から9時に歩きだして15時までに戻ってくる人もいますが、普通の人には無理なので真似しないように)。

そういう人たちが4、5時間で往復してるからと言って、登山の初心者が同じ時間で往復できるとは思わないでください。超頑張れば不可能とは言いませんが、かなり危険だし難しいでしょう。そして何より、ツライだけで楽しくない。

鴨沢からの雲取山往復は、基本的には10時間掛かると思ってください。バスに乗って9時に着いて歩き始めたら15時までには6時間しかありません。普通に歩けば19時を過ぎます。どんな季節でも真っ暗ですし、最終のバスも行ってしまいます。

真っ暗な山道をヘッドランプだけで歩くのは危険です。滑落や道迷い遭難の原因になり、実際に亡くなっている方もいます。

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↑なんてことない登山道ですが、左側は切れ落ちており落ちれば死にます。視界が悪かったり疲労でふらついて落ちる人もいます。

コースタイムが8時間以上のコースを安全に楽しく歩くには、一泊した方が無難です。特に、初心者で登山のために必要な筋肉が付いていないのなら、ゆっくり無理なく歩いて一泊したほうがよいでしょう。その方が楽しいですよ。

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↓実際に自分も日帰りで登ってみて、あまりお勧め出来ないので別に記事を書きました。

天気がいい日に登りましょう

登山は気象に左右される遊びです。同じ山でも晴れた日と雨の日では条件が違いますし、同じ山でも真夏と真冬では全然違います。

低山なら真夏は避け、春や秋の晴れた日がよいでしょう。高山なら真夏でも気持ちよく登れますし、涸沢の紅葉は見事です。

条件がいい天気や季節を選んでください。天気が悪いなら中止しましょう。嵐の中でテント泊するのも、無事に終わればいい経験になりますが初心者のうちは避けるべきです。

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荷物を軽くしましょう

登山はザックに必要な装備をいろいろ入れて山に登ります。ザック自体、雨具、食べ物、水、ファースエイドキット、防寒着、ストック、スマホ用のモバイルバッテリーなどなど。当然荷物が増えれば登るのは大変になります。重力に逆らって何百mも登るんだから当然です。

どういう装備が必要なのかはやりたい登山でも変わりますが、最初は日帰りから入ると思います。下記記事を参考にしてください。

まず、登山用の筋肉や体力が付いていない初心者の方は荷物を軽くしてください。日帰りなら水抜きで5kg程度には抑えられると思います(もっと少なくてもいいんですよ?)。あれもこれも持たないこと!

登山を楽しむために双眼鏡やカメラ、交換レンズ、調理器具や食材などを持つのは体力が付いてからにしましょう。または、重い荷物を担いでみるのは、3時間程度の短いコースから試しましょう。

最初は荷物を軽くすること。超大事です。

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荷物を軽くする上で水の量を減らすのは有効です。もちろん足らなくなってはいけませんが、コースの途中に水場があり、直近の記録などから水が出ていると分かっているのなら水場の水をアテにしても構いません。

その際、湧き水でも生で飲むのが嫌なら浄水器を使ってください。最近は小型軽量の携帯浄水器もあります。私は湧き水なら気にせずそのまま飲んでいます。

もうこれ以上荷物を軽くするのは無理!でも登山を楽にしたいということであれば、体重を軽くすることもオススメします。荷物を5kg減らすのは大変ですが、体重75kg、体脂肪30%の人が体重を5kg減らすのは、時間さえ掛ければ可能ですよね。

登山靴とストック1本

靴は登山用の登山靴が基本です。慣れている人はアプローチシューズやトレランシューズを使う人もいますが、基本は登山靴です。

登山靴は靴底が硬いので、石がゴロゴロしている不整地を長距離歩いても足の底を守ってくれます。歩くルートや装備の重さによって様々な種類の登山靴がありますが、最初はミドルカットの軽登山靴がいいと思います。

ミドルカット以上であれば、足首もある程度保護され捻挫しにくいとされています(※)。最初はミドルカットのゴアテックス入り登山靴を一足買いましょう。登山用品店で「雪がない時期に2000mくらいの山を歩きたい」と言えば、いい感じの候補を出してくれると思います。

※実は諸説ありますがめんどくさいので割愛します。興味があれば自分で調べてください。

その後、もっと軽い靴がいいとか、この山はこの靴、こっちの山はこの靴が合ってるななど、登る山や好みが出てくると思います。

また、ストックも疲労軽減に有効です。足の力を腕で補助できますし、バランスの補助にも使えます。ただし、ダブルストックは要りません。

平坦な長いトレイルを速く歩くにはダブルストックは有効ですが、急峻な山をゆっくり登る際にダブルストックはむしろ邪魔です。2本セットなら1本ずつ交代で使うとか、友人や家族に貸すなどしてください。

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ストックは、公共交通機関で移動する際は手提げ袋に入れるか、ザックに収納してください。ザックの横に付けると他人に引っ掛けるなどトラブルの素になります。

行動中、使わないのならザックの横に付けても構いませんが、ザックに収納するのがベストです。岩場などでストックが邪魔になる場合も面倒くさがらずしまってください。

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塩分、糖分、クエン酸、アミノ酸

飲み水は単に水ではなく、スポーツドリンクの粉やクエン酸、アミノ酸(BCAAなど)、ブドウ糖などを溶かしておくと疲労を抑えられます。

まず、水だけ飲んでいると汗をかいて塩分を失ったときに筋肉がつってしまいます。対策としてはスポーツドリンクや塩飴が有効です。あとは行動食をせんべいなどしょっぱいものにする。煎餅や塩飴、スポーツ羊羹は塩分と糖分を摂取出来る優秀な行動食です。

低血糖、いわゆるシャリバテを防ぐには糖分を摂るのが有効です。朝ご飯はしっかり食べ、行動食も適宜食べてください。たまに食べなくても長時間歩ける人もいますが、そうでない人の方が多く、特に女性など体が小さい人はこまめに食べた方がよいとされています。シャリバテになってしまったらラムネ菓子を食べると良いです。ブドウ糖は即効性があります。

クエン酸も疲労回復に有効と言われています。私は行動中、スポーツドリンクの粉とクエン酸とブドウ糖とBCAAを混ぜた粉を水に溶かして飲んでいます。

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アミノ酸、特にBCAAはスポーツ中に摂取してもパフォーマンスは変わらないという説もありますが、私は当日よりも翌日の筋肉痛や疲労回復のために飲んでいます。

ただ、結局アミノ酸ならタンパク質を摂ればいいという話もあります。人間が食べたタンパク質はすべて消化の過程でアミノ酸になりますから、たしかにタンパク質でも良さそうです。ではアミノ酸は何がいいかと言うと、すでにアミノ酸なので消化の負荷が低く、吸収がいいということ。

タンパク質も、プロテインを飲む人もいれば食事で肉や魚、豆などを食べれば十分という人もいます。共通するのは、運動中や運動後の身体にはアミノ酸(タンパク質)が必要ということです。

BCAAでもプロテインでも肉や魚でもいいのですが、行動中や下山後にはそういったものを摂るようにしましょう。

本を読んで勉強しましょう

登山はとても多くの知識が必要な遊びです。街で行う遊びなら、多少知らなくて失敗しても、軽い怪我や多少の損失で済みますが登山は違います。運が悪ければ一発で死んでしまうこともあります。

命が掛かってるという点では、自動車の運転に似ています。何も知らずに登山をするのは、無免許運転に近い。登山に免許は必要ありませんが知識は必要です。

登山に関する情報は本に書いてあります。登山をするなら本を読んでください。知識は、絶対に必要です。

出来れば月に2回は山を歩きましょう

登山のための体力や筋肉をつけるのに最もよいトレーニングは登山です。そしてトレーニングは定期的に継続して行わなければ意味がありません。出来れば、月に2回は登山をしてください。

遠出が出来ない状況でも、例えば高尾山でも登山口から山頂までは標高差で400mあります。物足らないならいつもより重い荷物を担いでみるのもいいし、下山後に続けて別のコースを登ってもいい。

平日なら山もそれほど混んでいません。たまには休みを取って平日に登山をしてもいいのではないでしょうか。

登山を続けることで体力が付いてくれば、コースタイム5時間のコースを休憩込みでも5時間で歩けるようになったり、8時間のコースを6時間で歩けるようになったりします。速く歩ければいいというわけではありませんが、体力があれば登山の安全性は高まります。

安全に登山をするためにも、継続して山に登りましょう。

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ペースが合わない人とは一緒に行かない

自分はもっとゆっくり歩いたほうが楽なのに、一緒に行った人のペースが速くてバテてしまうことがあります。どうしたって前と距離が開いてしまえば無理して頑張ってしまうもの。

パーティーで歩くのなら、速く歩ける人が遅い人に合わせてください。たまに、各自が自分のペースでバラバラに歩いているパーティーを見かけます。バラバラに歩くのならパーティーで歩く意味がありません。バラバラに歩くのなら、最初からパーティーなど組まず別々に行けば?

リーダーになる人はだいたいパーティー内で経験値や体力が高い人だと思います。リーダーはメンバーがバテないように、辛そうならペースを落とし、適宜休憩を入れ、安全に登山を終えられるように配慮してください。

出来るだけ予定に沿って、でも無理はさせず無事に下山までマネジメントするのがリーダーの役割です。それが出来ないのならリーダーなんてやらない方がよいでしょう。

ペースが速いと言っても抑えてくれない人がリーダーで、自分が無理して頑張るメンバーなのだとしたら、そのリーダーとは山に登らないほうがよいでしょう。メンバーの声を聞かないリーダーと登山をするのは危険です。

逆に、遅いメンバーのペースに合わせると疲れてしまう、もっと速く歩きたいと思うのなら、やはり遅い人とは一緒に行かない方がよいでしょう。ペースが合わない人と無理に登ってもお互いに不幸になるだけです。

どうしても一緒に行きたいのなら、遅い人は普段からトレーニングして速く歩けるように努力する、フィジカルの向上。速い人は遅い人に配慮してペースをコントロールする思いやり、メンタルの向上を図ってください。

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まとめ

・登山がキツイと思ってる人は、登山のやり方が間違っています。

・余裕がある計画でゆっくり歩けば登山はもっと楽しめます。

・季節や天気の条件が良いときに登ってください。

・荷物は軽くしましょう。

・しっかりした登山靴、ストック、アミノ酸やクエン酸など、登山を楽にする道具やサプリメントを利用しましょう。

・定期的に山に登り、体力や筋力を付けましょう。

・登山に関する本を読んで勉強しましょう。

・ペースが合わない人や、リーダー的な行動を取れない人とパーティーを組むのはやめましょう。メンバーを正しくサポート出来ない人は、人を山に連れて行くリーダーには向いていません。

わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。