見出し画像

マルチタスク

 最近(でもないか、結構前から?)求められるスキルですね。
 一度に同時進行で二つ以上のことをやる、または一つのタスクだけでなく、同時期に複数のタスクを抱えてバランス配分しながら進めていく、みたいな。パソコンがマルチタスクなったあたりから、人間にも適用された用語かもしれません。

 これは得意不得意があって、同僚のAさんが出来るから同じ部署の同年代のBさんも出来る、というものではない。のに、「〇〇が出来るんだからお前も出来るよな?」的に求められる、そして要求することが要求する側にとっては当然という、謎スキル。

 実際、私は得意です。というよりすぐに飽きるので、同時に2~3つくらいやるべきことがあるほうが、飽きてきた時に次に集中すべきことがあって助かるので。1つしかやることが無いと、飽きた時に遊んじゃう()

 でも周囲を見ていても、逆に集中力がありすぎて、1つのことにガーッと打ち込むことしか出来ない人もいます。それもすごい能力です。

 というかどっちも「特徴」です。人材を使い分ける側なら、人それぞれ全部違う特徴を見分けて適材適所に割り振る「能力」こそ、求められるべきなんですが、そっちはあまり公には求められない。謎です。

 と、こんな愚痴が言いたかったのではなく。

 ACT(アクセプタンスコミットメントセラピー)を学んでいて、その流れで「マインドフルネス」も齧り始めましたが、普段の生活でマルチタスクを求められている人って、何かにマインドフルになるってすごく難しいんじゃないかな、と、ふと感じました。

 仕事場では、メールチェックしながら予定表確認して客先に電話しながら回ってくる書類に目を通して会議資料を作る、みたいなことを何時間もやっていると、「一度に一つのことしかやらないなんて時間が勿体ない」的な感覚が身に付いちゃうんですよね(少なくとも私は)。

 そうすると、家に帰ってきても、料理を煮込む傍ら洗濯機回したりお風呂沸かしたり友達からのLINEチェックしたりと、色々同時進行して、それが出来ると「満足」して自分を褒めてしまう。

 料理に対して、ひいては生活に対して、「今、この瞬間」に対して全くマインドフルになれていない。

 目の前で家族が話しているのを聞きながら、頭の中で「明日会社行ったら、あれやってこれやって……」とか考えている。

 全然だめだなー、と思いつつ、しかし会社へ行けばそれが良いことになってしまう。

 世の中がどれだけ便利になろうがビジネススタイルが変わろうが、人類が数十年で変化するわけではないので、原始から受け継がれてきた「こころ」が置いてけぼり食って、今あちこちで悲鳴を上げています。

 変化ばっかり求める物質世界と、デリケートに反応する心のケアを両立させることは、どうやったらできるでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?