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うつを知って戦わない方法

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うつ病は、「戦って勝とう」とすると疲弊します。それが自分以外のうつ病相手なら尚更です。 うつ病とは、精神障害とはどんなものかを知り、戦わずに躱す・宥める・共存する方法を知りましょ…
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#メンタルヘルス

うつ療養中の過ごし方 ①回復までの変化と必要条件

うつ病から回復するためには、療養中をどう過ごすか、がポイントになるのは皆さまご存知の通りです。 では、実際にはどう過ごせばいいのか、どんな生活になるのか、など、疑問も多いと思います。 今回は、自分の経験も含めて、 うつ発病⇒回復までの変化 何が必要か(うつ病本人にとって) 家族が出来ること セオリー通り進まないのがうつ療養の現実 セオリーから外れた時はどう対処したらいいか 家族の方に覚えておいていただきたい5か条 Q&A を、3回にわたって考えてみたいと思い

不安との付き合い方

不安な気持ちは、出来ることなら感じたくないですよね。 だから、不安な気持ちになりそうな要素からも遠ざかろうとします。 不安や恐怖は危険から身を守るための重要なサインなのですが、つい行き過ぎてしまって、サインそのものがストレスを強めてしまいがちです。 不安との付き合い方。それは、「無視しても消えないのだから、あることを受け容れる」です。 1.不安な気持ちを受け容れろ、とは言うけれど…多くの書籍で「不安な気持ちも受け容れよう」と言われています。 恐らくそれは、不安を避けよう、

相手に変わって欲しい時の6つの視点

「自分は変えられても相手は変えられない」 というのは、よく聞くと思います。 正確に言うと、「自分も相手も変えるのは難しいけれど、より難しいのは相手を変えること」だと思います。 とはいえ、人間は社会の中で生きているのですから、全ての状況を改善する時にいつでも自在に自分を変えられるわけでもないし、相手が変わるほうが理に適っている場合もあります。 相手に変わって欲しい時、相手の考えや心を変えるのではなく、「変わろう」と思ってもらうことは可能です。 その時に使えるものは、「自分」

うつ病の辛さを理解する

自分がうつ病かどうかも区別が難しいのに、それが自分ではない人のことであればもっとわかりづらいです。 特に、それが「辛さ」であれば尚更でしょう。 よく分からない、のは仕方のないことですが、うつ病への理解を促す書籍や情報が山ほどあるのに、いまだに「うつは甘え、怠け、気合が足らない」という意見が消えないのは悲しいことです。 なぜ理解出来ないのか、理解することのメリット、理解しないことでのデメリットを考えてみました。 1.なぜうつの辛さを理解出来ないのかまずは、うつ病になると極端

「ポジティブに」と言われたら?

落ち込んでいたり、中々解決しない悩みを持ち続けていると辛いですよね。 だからたまには親しい人に辛さを共有してもらいたくなる。 特に解決策を望んでいるわけではない、そう簡単に解決できる問題でもないことは、自分がよく分かっている。 ただ、言葉にして他者に聞いてもらうことで、少しは気がまぎれるかもしれない、紛れればもしかしたら何かいい案が浮かぶかもしれない。 そんな淡い期待を抱きながら、愚痴をこぼす。 そして聞いている側も、色んな事を考えます。 どうして悩んでいるのか経緯も理由も

「頑張れ」以外の声かけをしよう

うつ病に代表される、心の病で苦しんでいる人に「頑張れ」が禁物であることは広く知られています。 頑張って頑張って、それでも辛くて病気にまでなってしまった人がうつ病ですから、「頑張れ」がどれほど酷な言葉かは想像に難くありません。 でも、追い詰めたくて言っているわけではありません。応援したい気持ちがあるからこそ、他に良い言葉が思いつかず、つい「頑張れ」と言ってしまう。 励ましのつもりが相手を苦しめているとしたら、不幸な本末転倒です。 では、どうしたらいいでしょうか? 私からの提案

うつかも?→初受診までが難しい<前編>

眠れなかったり、食欲落ちたり、集中力下がったり、趣味が楽しくなくなったり。 もしかして自分はうつなのかも? と思っても、病院へ行こう、とすぐに思い立って行動出来る人は少ないでしょう。 周囲に言われて、「行ったほうがいいのかな」と考え始める人がほとんどかと思います。 結論から申し上げると、自覚症状があるなら病院へ行きましょう。結果としてうつじゃなくても、それはOKなのですから。 1.うつかも、と思ったら受診したほうがいい理由3つ①一番身近なのが病院 メンタルヘルスに悩んだ

うつかも?→初受診までが難しい<後編>

前編では、 1.うつかも、と思ったら受診したほうがいい理由3つ 2.受診しないまま(=未治療)だとどうなるか? についてお話しました。 3.病院へ行こうとしない…家族や周囲はどうすればいい?相手が子どもではないなら、無理やり引き摺って行くことは出来ませんし、本人に治療する意思が無いなら、受診してもあまり効果は期待できません。 しかし家族としては気が気ではない。病院に行けば全てが解決するわけではなくても、専門機関と繋がり、何らかの診断を下してもらえるほうが安心出来ます。 そ

うつ家族との休日の過ごし方

うつ病に限らず、誰もが待ち望む休日。 あれもしよう、これもやりたいと思いつつ、うつ病で動けない家族がいたら、普段通りの休日を過ごすのは難しいと思ってしまいます。 だからこそ、気をつけたいのは3つ。 「いつも通り」「自分だけの時間」「何もしない」 です。 「いつも通り」→生活リズム保持で月曜日を憂うつにしない平日と休日では、起きる時間からして普段とは違う人が多いと思います。 ですがここは、許容範囲で平日と同じリズムで過ごしましょう。 同じ時間に起きて、朝ご飯を食べて、着替え

自分を愛するということ

自分を大切にし、自分を愛する、ということは、厳しい社会を生きていく上で必須のスキルです。 それなのに何故か誰もその重要さと方法を教えてくれません。 「自分に厳しく」は、小さい頃から親や先生から教えられます。自分を律することが尊重される文化なので当然かもしれません。 だからなのか、その対極にあるように見える「自分を愛する」という考え方には、あまり良いイメージがありません。 自分を愛する、とはどういうことでしょうか。 それは、「ありのままの自分に“OK”と言う」ことではないで

自分を愛する方法

前回の「自分を愛するということ」で、 『自分を愛する方法は誰も教えてくれない』と書きました。 例えば学科の授業のように教科書があって教えてくれることはありません(道徳の授業はあるのに)。 では、どこで覚えていくのでしょうか。 それは、家族ですね。 ただ、最近耳にする「毒親」「親ガチャ」という言葉に表されるように、誰もが親から「愛し方・愛され方」を正しく学べるとは限りません。 自分を愛する方法は後から学ぶことは出来ます。 その最大の教科書は、「自分」です。 1.幼少期の親