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うつ病家族の知恵袋

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家族がうつ病になると、思いがけない出来事や悩みと次々に直面します。 そんな時どうやって取り組むか、立ち向かうのか、あえて逃げるのか。 経験者+カウンセラー+精神保健福祉士がアドバ…
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#ケアラー

うつ病ケアの落とし穴:家族間で起こるモラハラの原因

モラハラという言葉は一般化して久しいです。自分もされているかも、と思ったことがない方はいないのではないでしょうか。 そして同じくらい不安なのが、自分ももしかしたらモラハラしているかも、という疑念です。 何が「モラハラ」として危険視されるのかがぼんやりとしていると、行為者としても被害者としても気づきづらいです。それが家庭内なら尚更です。 今回は家庭内のモラハラとはどんなものか、予防方法と解決策についてお話します。 1.モラハラの定義①モラハラ(モラルハラスメント)とは何か

スルースキルとは:メンタルケアラーのための心の防御術

メンタルケアラーにとって、ストレスから⾃⾝を守るスルースキルは不可⽋です。 スルースキルには、状況を客観的に捉える力、感情をコントロールする力、自分のニーズを認識し優先させる力が含まれます。 これらの力を身につけることで、メンタルケアラーは自身の精神的健康を維持しながら、家族を支え続けることができます。 しかし、メンタルケアラーがスルースキルを持っていない場合、ストレスが高まり、バーンアウトリスクが高まるだけでなく、家族への支援にも悪影響を与える可能性があります。 ケアラーが

【メンタルケアラー必見】ケア生活完全攻略の4大スキル

/ 🎁無料プレゼント企画 第6弾🎁 \ ≪ケアラー歴20年のカウンセラー直伝!≫ ケア生活完全攻略の4大スキルメンタルケアラーの毎日は、問題と悩みの連続です それこそ一つ一つ数えていたらきりがないでしょう 無限に出てくる毎日の問題を一つ一つ対処するのもきりがありません 毎日の無数の問題をまとめて対処出来る 「4大スキル」について解説しました 更にこの4つを身に着けていただくためのワーク・資料もご用意しました ≪受取方法≫ けいぜん庵のLINEに友だち登録していただく

夫婦間コミュニケーション:絆を築く3つのポイント

~精神疾患患者とメンタルケアラーの夫婦の場合~ 夫婦間のコミュニケーションは難しいですよね。 他の人なら「?」で済むような反応が、相手をよく知っているがために、その意図を読み取れてしまったり、深読みすることもあります。逆にこちらの意図を汲んでくれないことに不満を持ってしまったりします。 更にどちらかが精神疾患を持っていると、症状への配慮も加わるので難しさが増加します。 今回は、夫婦間コミュニケーションの注意点と活用できる心理学的アプローチ、更に今日から出来る工夫点をご紹介し

共感と同調:ケアラーの心理的負担と理想的な対応

辛い状況にある相手から同調を求められて拒否できる人は少ないでしょう。それがパートナーなら尚更です。 しかし一緒に生活する中で、常に同調し続けることはケアラーのメンタルを疲弊させます。 ケアラーが取るべき態度は、同調でしょうか、否定でしょうか、共感でしょうか。 ずっと一緒にいるからこそ、無条件の同調ではなくお互いの意思を尊重し合える共感を目指すことをお勧めします。 1.共感と同調はどう違う?①共感とは 共感とは「あたかもその人になったつもりで」その人が感じていることを

うつ病家族の感情のコントロールの難しさ:理由と対処法

家族に対する感情のコントロール、特にイライラや怒りが収まらない。どう対処すればいいか分からない、という悩みはケアラーあるあるです。 私も対処の仕方が分からず、散々夫と衝突しました。今思えば要らないことをたくさん言っていました。 しかし、イライラする根本は「どうにかして状況を改善したい」という意欲です。それは大事なモチベーションです。 意欲をそぐことなく、家族に対する怒りを和らげるためには「ストレス」「無力感」「自己評価の低下」を防止しましょう。 1.うつ病家族に対する感

<メンタルケアラーが危ない!>燃え尽き症候群と予防対策

「家族のうつ療養生活を支えてきたが、もう疲れた。何もできない」 そう思ってしまうことは少しも不思議ではありません。私もそうでした。 それでも頑張ろうと自分を奮い立たせているのかもしれません。 ですがそれを続けていると、いずれ燃え尽きてしまう恐れがあります。 「燃え尽き症候群」は、頑張った人が壊れてしまうとても悲しい状態です。避けたい事態です。 燃え尽きないためのポイントと予防策を身に着けて、ご自分のこともしっかり守りましょう。 1.頑張るケアラーが燃え尽きてしまう理由①燃

家族の理想像の具現化

~ケアラーの役割と共有された目標~ うつ病患者の家族が直面する課題は複雑であり、理想像を描くこと自体が困難な場合があります。 現実の辛さや病気との向き合い方を考えることが先決となります。 回復が最優先事項である一方で、理想像を見据えることは家族の結束と希望を生む大切なステップと言えるでしょう。 現実と理想を結ぶ架け橋としてのアプローチを探り、家族の共有された理想像が生まれるプロセスに焦点を当てて考えました。 1.うつ病患者の家族にとっての理想像とは?理想像を思い描く余裕も

セルフネグレクトとケアラーのリスク

~精神的なセルフネグレクトの理解と予防策~ 「セルフネグレクト」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。 ネグレクト、は広まっていますね。主に児童虐待などで育児放棄として問題になる、放置や無視のことです。 それがセルフ、つまり自分へ向いた状態のことです。 セルフネグレクトとは何か、特に精神面でのセルフネグレクトとは、その原因と対策を、ケアラーへのリスク警鐘として考えました。 1.セルフネグレクトとは人は衣食住+睡眠+他者との交流をバランスよく保ちながら生活を営みます。

メンタルケアラーへ10のアドバイス

ー 自分を労りながら家族をサポート ー メンタルケアラーとは、精神疾患の家族を支えてケアする人のことです。 私もメンタルケアラーです。 ご主人や奥様、親御さん、お子さん、ごきょうだいなど、同居家族が精神疾患になったことで様々なストレスや不安、負荷で悩んでいる方はとても多いと思います。 今回は私自身の経験とカウンセラー・精神保健福祉士としての見解を踏まえて、「メンタルケアラーに身につけて欲しい10ヶ条」をお話したいと思います。 その1:体力何はともあれ体力が必要です。 健康

自分事として捉える

家族がメンタル不調を抱えたとき、周囲は心配するし、悩みます。 出来ることは何かないか、それは家族が、ということもあるし、本人が、ということもあるでしょう。 その時、中心にいる本人が自分事として捉えていない、というケースも少なくありません。 こんな時、どう対処すればいいでしょうか。 1.自分事として捉えないのはどうして?一つは変化した現実や自分の状態を受け止める準備が出来ていない、ということもあるでしょう。 病気になったばかりの頃は、急激に色んな事が出来なくなる自分に対して本

ケアラーに役立つピグマリオン効果

「ピグマリオン効果」と言う言葉をご存じでしょうか。「教師期待効果」とも言います。 人は期待されると少なからず気持ちが前へ向くものです。その心理を活用した教育・コミュニケーションの態度です。 今回は、ケアラーと要支援家族との間で役に立つピグマリオン効果の使い方を考えてみました。 1.ピグマリオン効果とは教育や育成の場で使われることが多い言葉です。 相手に対して効果的な期待を持って接することで、それに沿った成果を出してくれる、と言うものです。 教育、というより、コミュニケー

ケアラーが陥りやすい認知の歪み

認知の歪みとは「思い込み」「思考の癖」「バイアス」等と言い換えることが出来ます。無意識にやってしまっている自分の考え方の中で、特に偏ってしまっているために自分のストレス源になっているような物の見方です。 ほとんどは10通りに分けることが出来ます。 その中で特に「ケアラーを悩ませやすい認知の歪み」と、その対処方法を考えました。 1.一般化のし過ぎです。 メンタルの病気の症状が表面化するときは、慣れていない人がびっくりしてしまうような状況が起きます。 突然「会社に行けない」

ケアラーのセルフケアを考える

家族をケアすることは、家族の役割とはいえ決して楽なことではありません。 けれど一時的だったとしても担わないわけにはいきません。 辛い役割や経験はストレスを生みだします。 ストレスはケアしなければケアラー自身が倒れてしまいます。 ケアラー特有のストレスと、それに対するセルフケアについて考えました。 1.ケアラーのストレス例①生活上のストレス 毎日の生活はどうしたってストレスの連続です。疲れるし、面倒だし、慣れたことだから面白味や新鮮味は薄いし、頑張ったところで誰に褒められ