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うつ病家族の知恵袋

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家族がうつ病になると、思いがけない出来事や悩みと次々に直面します。 そんな時どうやって取り組むか、立ち向かうのか、あえて逃げるのか。 経験者+カウンセラー+精神保健福祉士がアドバ…
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2022年7月の記事一覧

家族がうつ病を理解すると良いことづくし

家族がうつ病を理解してくれない、または家族のうつ病を中々受け入れることが出来ない、というお悩みは多いと思います。 家族側とすれば、理解しているつもりだけど本人は「していない」と言う、理解すべきだと分かっているけれど受け入れることが出来ない、などの葛藤もあるでしょう。 それでも、家族がうつ病を理解し受け入れることは、うつ病にも家族全体にもメリットがたくさんあります。 1.うつ病とうつ病本人のメリット うつ病になった時、患者本人は「家族に対して申し訳ない」という気持ちが重くのし

ケンカを有効活用する方法

うつ病の家族が相手だと、今までだったらお互いスルーしていたような言葉に敏感に反応して、場合によってはケンカに至ることも少なくないでしょう。 しかし、ケンカすること自体は「悪」ではないと思います。 ケンカした時は、折角なのでため込んだ本音を共有し合いましょう。 そのときの注意点は「人ではなくテーマを意識して」「アイメッセージ」で伝え合うこと、です。 1.ケンカは理由より「きっかけ」の力が大きい 一緒にいる時間が長く、関係性が近ければ、お互い楽しいことばかりではありません。

【うつサポ体験談⑦】家族に「死にたい」と言われた

※内容は個人の経験談です。とてもデリケートなテーマですので、一事例として読んでいただけると幸いです。 うつ病の人と切り離すことが出来ないのが「希死念慮」です。 うつ病などの精神疾患だけが原因で死ぬ人はいませんが、うつ病は「死にたくなる」「生きていたくなくなる」と思わせる病気です。 ……ということを知識として知っていても、いざ家族から直接希死念慮を表明されるのは大きなショックです。悲しいし怖いし驚くし、怒りも感じます。 1.うつ病初期は繰り返し言われた私の場合、夫から『俺

家族のうつ病を認めない心理

突然(と感じる)のうつ発症は、本人だけでなく家族にとっても大きな事件です。 薄々様子がおかしいと気づいていても、それが病気だとすんなり受け入れることが出来る人は少ないでしょう。 本人もショックだと思いますが、家族もショックです。 しかし、家族が受け入れることが出来ないでいると、うつ病本人は更に窮地に追い込まれます。 そして、受け入れることが出来ない家族との対立が起こります。 なぜ家族のうつ病を認める・受け入れることが出来ないのでしょうか。 家族の側の心理を考察してみました。

うつ病家族との接し方とは

「うつ病 家族 接し方」で検索すると色んな情報を見ることが出来ます。 どれもその通りなのでしょう。私もこれを心がけて、不器用ながら試行錯誤し続けてきました。 二十年前に夫がうつ病になった時からほとんど変わりませんから、これが正しい「セオリー」なのでしょう。 しかし、「正しい」ことがそのまま「有効」なのでしょうか?誰にとっても? 当事者としては、首を傾げざるを得ません。 なぜなら、うつ病家族との接し方とは、一律化出来るようなものではないからです。 【うつ病家族との接し方のセオ

悩みが複合化している場合の対処法

「〇〇の解決法/対処方法」をインターネットで調べるとたくさん情報がヒットします。 どれも参考になるものですが、自分にドンピシャなものって中々無いのではないでしょうか。 なぜなら、自分の悩みは様々な要因が絡まって複合化しているからです。 要因が複合化した悩みへの対処のコツは「解決志向」です。 1.1対1なら対処法はたくさんある 例えば「うつ病になったらどうする?」という悩み。 まずは休養をとって、生活リズムを崩さないよう気をつけて、主治医の指示に従って服薬する、などの一定の

うつ病家族の心の持ち方

うつ病本人がとても辛いのはもちろんのこと、そばにいて一緒に生活して状態に一喜一憂して心配しながら過ごしている家族が辛くないはずはありません。 なのに、中々「辛い」と声に出せないのが現状です。 辛い、というと「でも本人はもっと辛いのだから」と順番をつけられてしまいます。 『本人が辛いのは誰よりわかってる。でも自分も辛い』 そう感じたときの心の持ち方を考えてみました。 1.うつ病の人が悪くないのは誰より分かっている 家族がうつ病と診断されたら、大抵の人は真っ先に『うつ病』に

うつ病の見守りの難しさ -持続可能なうつ療養とは-

家族がうつ病になった時どうすればいい? という疑問に答えてくれる書籍や情報はたくさんあります。 そこにまず第一に言われることは『焦らずゆっくり見守りましょう』です。 本当にその通りで、本人もまずはそれを望んでいるのだと思います。 ただ、正しいことでも、額面通りそのまま実行し続けることは難しいです。 なぜ難しいのでしょうか。 実際にはどのように『見守る』ことが出来るのでしょうか。 1.難しい理由①:先が見えない うつ病になったばかりの時は、本人も家族も非常事態に対応するこ

うつ家族がいる人の選択と決断のコツ

家族にうつ病の人がいると、様々な選択・決断の場面で「うつ病」が検討上の必須条件となります。 「引っ越すとしたら、どんな環境がうつ病にいいのか」 「転職するけど、家族のうつ病に影響しないか」 「うつ病にいい食材を使ったメニューは何があるかな」 など、大きな問題から小さな問題まで、うつ病が関わってきます。 本人の状態を優先させて考えたほうがいいのはもちろんですが、「ではどうやって?」と、悩みの種となります。 選択・決断のコツは「課題の分離」と「課題の責任者の主体優先」です。