金融経済
実体経済に続き、この記事では金融経済について軽く説明します。
金融経済とは、お金の貸し借りに関わる活動のことで、株式市場などもこの分野です。
銀行ローンである資金融資も、ここでは金融経済の範疇と解釈できます。貸出金と言う「銀行にとってのお金」は、基本的に付加価値との交換に使えません。日銀当座預金もそうです。これらは実体経済とは別世界のお金と捉えるのがわかりやすいでしょう。
一方で、融資によって生まれた銀行預金は、実体経済で使えるお金です。金融経済で生まれたお金が、実体経済の中で使われることになります。
「実体経済」で説明した所得創出プロセスの図の下部に、次のように書き加えてみます。
下部に書き加えた部分が、金融経済の世界です。あくまでも雰囲気を理解してもらうための図と思ってください。
金融経済は本来、実体経済を補助するものです。実体経済に貨幣を供給するためにあると考えられます。
個人や企業が貸出金を生むことで、新たに銀行預金が発行されます。つまり、実体経済への貨幣供給をドライブするは資金融資(ローン)です。個人では金額的にも限界がありますから、主体となるべきは企業の投資です。
もう一つ、実体経済の貨幣を増やす方法があります。それが国債発行です。国債を発行して公的に支出することにより銀行預金が増えることは、下の記事で説明しました。つまり、政府が国債を発行して投資することで、実体経済に貨幣を供給することが出来ます。
改めて図を眺めるとわかると思いますが、下の世界(金融経済)でお金を回したところで、上の世界(実体経済)で付加価値は生産されませんし、所得にもなりません。それぞれの経済の中でのお金の流れは、直接的には相手に影響しないのです。
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