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MCエッセイVol.134「見えないバイアス」(妻島優斗)

6/14の放送は、新潟県自作映像・視聴覚教材コンクールで最優秀賞を受賞した「支援の輪」についての回でした。

今回、私はMCではなくゲストとして参加しており、作品のこだわりや受賞の感想などを話しました。製作期間は約半年ほど。支援をする人と受ける人の両者を取材し、フードバンクの取り組みや貧困に陥った当時の苦労などを8分半でまとめた作品となっています。もっと詳しい制作内容はWEB版から聴けますので、気になった方はぜひ聴いてみてください。制作秘話についてはその回で全部吐き出しているので、今回のエッセイでは、制作をしていく中で私個人が気づいたことについて話していきます。

それは「貧困≠可哀想」ということ。

貧困と聞くと、ご飯が食べられなくて何もできない弱い存在というイメージかもしれません。実際私たちも、支援を受けている方からお話をうかがう前に準備を入念に行い、デリケートな部分には触れずに深刻な雰囲気で取材に挑もうとしました。しかし、取材当日に来てくださった方はとても明るい女性で、私たちが想像していた「貧困家庭」とは大きくかけ離れたものでした。取材自体も、確かに過去に発症した病気で働けなくなったという苦労話もありましたが、だから現在もツラいかと言われるとそうではありません。「ちょっと大変なこともあるけど、毎日楽しく暮らしている。可哀想と思わないでほしい。」と言われ、私自身が「貧困は可哀想」って潜在的に思ってしまっていたことに気づかされました。今回の場合だけではなく、私たちは知らず知らずのうちに「こうあるべき」と決めつけてしまうことがよくあります。そのバイアスを取り除くことができれば、貧困に対する見方や、ひいては物事の見方も変わってくるのかなと思いました。

そして、この映像作品も「可哀想だから支援されている」ではなく、「お互いに助け合っている」というスタンスで見ていただけたらと思います。

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