《お念仏だより#98》西遊記と仏教
三国伝来の仏教は、
インド中国を経て
日本に入ってきました 。
インドから中国へ
仏教が伝わるとき、
三蔵法師の存在を
忘れることはできません。
西遊記に登場する
三蔵法師は、
実在の人物で、
ヒマラヤを越えて、
中国からインドへと
入りました。
そして、多くの経典を
中国に持ち帰り、
中国語に翻訳したのが、
現在、私たちが読んでいる
お経なのです。
さて、西遊記には、
孫悟空という
高い能力を持ったサルが
登場します。
力に任せて
暴れまわりますが、
あまりの強さに、
だれも抑えることができません。
ある時、悟空は
お釈迦様に対して、
金斗雲に乗れば
どこまででも
一瞬のうちに飛んでいけると
豪語します。
お釈迦様が、
自分の掌から
出ることができたら、
お前の勝ちだというので、
悟空は、さっそく
金斗雲で地の果てまで行くと、
そこにあった
五つの山の一つに
自分の名前を書いて
戻ってきます。
ところが、
山だと思ったのは、
お釈迦様の指でした。
お釈迦様の掌から
出ることはできなかったのです。
こうして、孫悟空は
五行山に五百年の間
閉じ込められてしまうことに
なりました。
五百年後、そこを通りかかった
三蔵法師が、
孫悟空を助けてやると
家来となって、
共に旅をすることになるのです。
手を打てば、はいと答える、鳥逃げる、鯉は集まる、猿沢池
という古歌があるのですが、
ご存じでしょうか。
同じ手を打つ音を聞いても
受け取り方は様々。
あらゆるものは
受け取り方次第で
姿を変えるというのは
仏教の大切な教えなのです。
南無阿弥陀仏