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焼身自殺

 彼女はストーカーを繰り返した結果、焼身自殺してしまいました。

 私は諒ちゃんへの感情が抑えられない。どうにもならない。そればかりか、亜子達の平和な家庭さえも嫉妬するようになった。
「あっこが気になるというか、村上家が気になるわ。」
 私は亜子が気になるというか村上家が気になり、その村上家前を何度も徘徊した。
「姉ちゃんのために来たのか。」
「風花もいらっしゃったの。」
「あっこが気になるの。」
 竜馬も亜子も応対してくれた。竜馬も、最初は私に優しく応対してくれた。
「何度も来るな!」
「来ないで!私達も風花を対応しきれないのよ!」
「追い出されてしまったわ・・・。」
 ところが、私が何度もしつこく村上家を訪問するので、拒否されるようになった。私は村上家の皆に追い出された。
「仕掛けてやる・・・。」
 私はストーカー目的で、神谷家にも村上家にも、盗聴器も隠しカメラも仕掛けた。
「あっこの家を見ているの。」
「諒ちゃんの家を見ているの。」
 隠しカメラや盗聴器で神谷家や村上家の情報を盗んだが、私はそればかりでは足りなくなった。
「どうにもならないわ・・・。家が火事になれば諒ちゃんもあっこも来てくれるのかな・・・。」
 私は今井家が火事になれば諒ちゃんも亜子も来てくれると、危険な発想が浮かんできた。
「決めたわ。今井家を焼いてやる・・・!」
 私は今井家を焼いてやるという衝動で、マッチを取り出した。今なら今井家に私以外は誰もいない。
「お酒って火がつくのよね・・・。」
 私は家中のお酒をすべて床に撒いて、その上からマッチで火をつけた。
「燃えろ・・・!家なんか燃えてしまうがいい・・・!」
 火の勢いはすさまじいものであったが、私は今井家の全てが燃えてしまうが良いと思った。
「諒ちゃんにもあっこにも会えないのなら、私からこの火に飛び込んで死んでやる・・・!」
 私は自ら放火した火に飛び込んで、焼け死んだ。私の放火の結果、木造の今井家は全焼して、私も発見された時には変わり果てた焼死体であった。

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