いわきアリオス×いわきFC
いわき市文化芸術交流館「アリオス」が発行するフリーペーパー「アリオスペーパー」vol.75が7日、発行された。いわき市内を中心に、公共施設、協力店舗などへ設置(配布)されるほか、同日付の県内紙「福島民友新聞」「福島民報」に織り込みされた。同号から裏1面で「いわきFCサポーターズ通信」のコーナーがスタートし、第1回目の原稿を書かせて頂いた。アリオスといわきFC、文化とスポーツについて記載してみたい。
いわきアリオスの存在
いわき芸術文化交流館「アリオス」(以下、アリオス)は平成8年に1次オープンし、同9年にグランドオープンした。オープン以来、平市民会館時には見られなかった国内外のアーティストの公演だけではなく、文化・芸術活動の拠点として多くの人々が利用している。いわきFCサポーターも同施設でチャント音源の録音、撮影をする等大いに活用させていただいている。
アリオスは国内最高水準の音響設備を持つとされる大ホール、演劇場(中劇場、小劇場)、音楽小ホールを備えた芸術施設ではあるのだが、一方でアリオスのアリオスたる本質的な部分は多彩な練習施設やリハーサル場、一般市民に開放されたフリースペースなどにあるのではないか、とも感じている。部活動やサークル、自分たちのような応援団体などが様々な理由でそこを使い、新たな出会いが生まれ、文化を紡ぎだす。アリオスという「ハコ」が出来たからこそ芽吹いた文化は、確実にその花を咲かそうとしている。
ハコがもたらすもの
いわきアリオスがグランドオープンした際に、詩人・谷川俊太郎氏が「アリオスに寄せて」と題した4編の組詩を送っている。アリオス北側の外壁にレリーフとして飾られているが、その中の1つ「ハコのうた」という詩を読んだ時に、いわきFCに通ずる部分を強く感じた。
ハコのうた
からっぽはすばらしい
なんでも いれることができるから
でもいつまでも ためておかない
またからっぽにして ハコはまつ
あたらしいもの たのしいもの
ハコはいきて こきゅうしている
ハコのなかで ひとはうたう
ハコのなかで ひとはかたる
ハコのなかで ひとはおどる
ハコのなかは そととはちがう
わくわくどきどきはらはらさせる
ハコはいきて こきゅうしている
文化+スポーツ
以前アリオス担当氏と雑談をしていた際、「サポーター活動の楽しさ」に話題が及んだ。
「試合をじっくり観るのも楽しいし、声を出して応援するもの楽しい。
そんな本質的な楽しさ以外にも、例えばダンマクを作る人やパイフラを作る人、のぼり旗を作ってしまう人もいれば、選手たちの写真を撮る人も、スタグルを含めた会場の『祭り感』をめいっぱい楽しんでる人もいる。間口は本当に広いと思う」と言った瞬間に、2人の間で出たのが「文化祭っぽい楽しさ」というワードだった。
「いわきFCの試合を観る」これが大前提なのは当然のこととして、本質から少しずれた部分「にも」楽しみを見出すことが出来たら、来場者はもっと楽しいだろうし、会場を訪れるファンも更に増えるに違いない。
「アリオスを利用してくれる人たちの中には、例えばサッカーはあまり知らなくても、文化祭的な部分に楽しさを感じたり見いだせたりする感性を持った人たちは多いと思うんですよね」―そうか、そういった人たちにも訴えかけられる部分ってまだまだあるんじゃないか、そんな思いを強くした。正攻法ではないかもしれないけれど入口はどこだっていい。まずは会場に来てもらって試合を見て貰う、そこに付加価値としての「賑わい」や「祭り的な楽しさ」を感じてもらう。そして更にいわきFCの魅力を見出してもらいたいのだ。
アリオス+いわきFC
本号からアリオスペーパーに「いわきFCサポーターズ通信」が掲載されることとなった。コンサート情報やチケット発売情報のほか、地元で活動する文化団体や高校生、芸術家の情報などがたくさん掲載された中に「いわきFC情報」がストンと入った。まさにここも「ハコ」への小さな入口。
アリオスを訪れた人がアリオスペーパーを手にし、少しでもいわきFCに興味を持ってもらった時に、目の前にチケットカウンターがありホーム戦チケットが販売されている。そんな状況が生まれることが楽しみだ。そしてアリオスに集う人々の中から、アリオスを核にいわきFCを応援する文化が生まれたなら、これほど嬉しいことはない。
アリオスもいわきFCも、そこに集うアーティストや選手、利用客、ファン、サポーター、スタッフ、職員という中身が入って初めて機能する。ハコにはまだまだ余裕がある。アリオスペーパーの新たな取り組みが「うたい、かたり、おどり、わくわくどきどきはらはらさせる」空間となる一助となることを願っている。
いわき芸術文化交流館アリオス公式
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